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アドラー心理学の原点

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2000年から2014年までに私が野田俊作先生から学んだアドラー心理学の原点をまとめました。
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#アドラー心理学

【アドラー心理学の原点】(17) 最終回:「人生の意味の心理学」を現代の社会に当てはめる

この連載も最終回となりました。連載の第1回目を次のような文章で始めました。 私は野田俊作先生からアドラー心理学を学びました。本格的に学び始めたのは2000年頃でした。野田先生との出会いはそれよりももっとさかのぼることになりますが、その期間を含めて野田先生からさまざまなことを学んだことはとても幸せなことであったと思います。 2000年頃から、ひとりの「学徒」としてアドラー心理学の勉強を進めて14年後に、2014年4月の早稲田大学エクステンションセンター中野校で、「アドラー心

【アドラー心理学の原点】(16) 共同体感覚とナラティブ

2023年4月29日(土) アドラー心理学特殊講義と演習:共同体感覚とナラティブ標記の講義と演習に参加してきました.今回は,月1回のペースで開いているアドラー心理学研究会のメンバー2人と一緒に行きました.2日連続の1日目は,講義を中心として,アドラー心理学のキー概念である共同体感覚(social interest, community feeling)とは何かについて習います.2日目は,実習で,相談の練習をしながら,共同体感覚とは実際にはどういうことなのかを身体で習います.

【アドラー心理学の原点】(15) アドラー心理学をさらに探求するための本

2023年4月22日(土) エドワード・ホフマン(岸見一郎訳)『アドラーの生涯』

【アドラー心理学の原点】(14) アドラー心理学ベースの教育、ライフタスク、ライフスタイルについての本

2023年4月15日(土) ドライカース、キャッセル『やる気を引き出す教師の技量』原題は Discipline Without Tears。このコンパクトな本によって、ドライカースはアドラー心理学の教育と教師についての考え方を凝縮しています。

【アドラー心理学の原点】(13) アドラーとアドラー心理学を知るための本2冊

2023年4月8日(土) フーバー、ホルフォード『初めてのアドラー心理学』

【アドラー心理学の原点】(12) 第23回アドラー心理学会総会(埼玉)で感じたこと

2023年4月1日(土) 埼玉の国立女性教育会館で開かれた第23回アドラー心理学会総会に2泊3日で参加してきました。強力なおじさん・おばさんパワーに圧倒されてきました。 アドラー心理学会1日目しっかり準備したシンポジウム シンポジストが成長するようなものにする スライドは使いましょう 夜は即席の発表会 梅ちゃんのレヴィナス論 「他我」私と同じ他人 だから理解できる 仲良くできる でも関心はない 「他者」理解できない存在 謎 でも関心を持つ そして自分が変わるこ

【アドラー心理学の原点】(11) アドラー心理学を子育てと教育に適用するための本2冊

2023年3月25日(土) ネルセン、ロット、グレン『クラス会議で子どもが変わる』決めつけるのではなく、確かめること。救い出すのではなく、問いかけること。指示するのではなく、誘うこと。期待するのではなく、賞賛すること。大人中心主義ではなく、尊敬すること。これらが若い人たちを勇気づける行動だと著者たちは主張します。

【アドラー心理学の原点】(10) 心理療法の効果研究

2023年3月18日(土) 心理療法の効果研究さいころじすと日記さんより、興味深い論文の紹介があったので、引用。 Lambert, M. J. 1992 Psychotherapy Outcome Research:Implications for Integrative and Eclectic Therapists. Handbook of Psychotherapy Integration. この論文では、過去40年にわたる心理療法の効果研究(要因統制研究、メタ分

【アドラー心理学の原点】(9) 最優先課題によるライフスタイルの4分類

2023年3月11日(土) レクチャーの内容は忘れ去られるアドラー心理学の中に、最優先課題によるライフスタイルの4分類というのがあって、この前のライフスタイル診断ワークでは、ぜひそれを学びたかった。それで、機を見てリクエストした。Jalsha(野田先生)は「あれは千春が受けたコースの中ですでにやったはずなんだけどな」と言ったんだけど、私は「いや、やってない」と言い張った、というかそう信じていた。

【アドラー心理学の原点】(8) アドラー心理学会の独特なシンポジウム

2023年3月4日(土) アドラー心理学会の独特なシンポジウムさて、アドラー心理学会のことだが、ひとつ独特な雰囲気があることを書いておこう。 それはシンポジウムで端的に観察される。ほかのどの学会のシンポジウムとも違う特徴がある。列挙していこう。 一人一人の意見陳述ではない たいていのシンポジウムでは、テーマが設定されて、それについて登壇者が意見を述べる。テーマは決まっているものの、よく聞けば一人一人がばらばらに意見を言っていることはすぐにわかってしまう。しかし今回のシ

【アドラー心理学の原点】(5) ポストモダンのアドラー心理学

2023年2月11日(土) 2001年10月19, 20日のブログより 第18回日本アドラー心理学会総会@徳島徳島で3日間にわたって開かれているアドラー心理学会の総会に参加する。初めての参加だ。 会場のホテルに着くと、何年ぶりという人たちに会って、ひどく懐かしい。もちろん最近会ったばかりという人もいる。なんか学会という感じがしない。 1日目のプログラムは、シンポジウムで、「21世紀のアドラー心理学会」というテーマ。「21世紀のアドラー心理学」ではなく、「アドラー心理学

【アドラー心理学の原点】(4) アドラー心理学は社会改革運動である

2023年2月4日(土) 2001年7月29日のブログより 長岡で開かれている、アドラー心理学基礎講座(理論編)に参加した。1日6時間で、合計4日間を、2回の土日で行う。 好きでする勉強は楽しいお勉強が楽しい。たくさんノートを取る。なんでこんなに楽しいんだろう。たぶん、自分で決心して、時間を作って、お金を払って、聞きに来ているからだろうね。あ、もちろん講義の内容が面白くなければ、こんな決心はしない。 講師の野田先生は自分のWeb日記(2001/07/29)でこんなこと

【アドラー心理学の原点】(3) 愛、交友、仕事という人生の課題

2023年1月28日(土) 2000年7月20日のブログより 金沢での野田俊作さんの講演会を聴きにいった。午前に講演2時間、午後に質疑2時間の構成。聴衆は50人前後。その内容の私風メモを書き留める。 すべては「つきあいの悩み」であるアドラーは「人間が抱える問題はすべて対人関係の問題である」という。しかもそれは、「現在における」対人関係の問題だと。たとえば、拒食症そのものは直せない。しかし、人間関係を改善した結果、拒食症は治るかもしれない。拒食症という「症状」をその人自身

【アドラー心理学の原点】(2) アドラー心理学は科学としてどんなパラダイムを採用するか

2023年1月21日(土) 1999年2月8日のブログより 富山大学の3日間の集中講義でアドラーギルドの野田俊作さんをお呼びしている。聴講学生は20数名。学外からは富山・金沢から女性3名と、富山県内のカウンセリング指導員の男性4名が参加。私も時間の許す限り聴講している。 集中講義で呼んでくる先生にはすごい人が多い。わざわざ予算と時間を取って呼ぶのだから当然だ。しかし、私が大学生だったときもそうだったが、学生の時はそれがわからないのだよね。「猫に小判」状態だ。あのときに話