そういえば反出生主義かも

私はここ数年、とくにフェミニズムに目覚めてからは、この世はゴミだなと思うことが多くなっている。

これまで「子どもが欲しいか」という問いには、「どちらかといえば欲しい」という立場だったが、あまりにゴミが目につくようになってしまったせいで「やめたほうがいいかもしれない」になっている。

この世で生きることは、幸せなことも苦しいこともある。
苦しむ可能性があるなら生まれないほうがマシ、または生まないほうがマシ、という考えだ。

これを反出生主義というらしい。


少なくとも私は「出生」に対して疑問を持っているが、子どもを育てることには出来るだけ協力したいし、人の子どもも可愛いと思う。

すでにゴミみたいな世界に生まれてしまったからには、その子たちの人生がなるべく苦労が少なく幸せなものになればいいなと心底思うから、フェミニズムが必要だし、教育や社会保障がうまく機能して欲しい。

ただ私は、自分の手で能動的にこの世で(とくに環境的要因や先天的要因で)苦しむ可能性がある人間を生み出したくない。


「こんなにやってもらって、感謝しなさいよ」「親に頼って生活しておいて、なんだその態度は」など親または第三者から言われることはおそらく珍しくないが、感謝するかどうかは子どもにしか決められない。

まして親が感謝を強要するなんて、とんだエゴだなと思ってしまう。
こちらが自然と抱いていた感謝も、そんな一言で簡単に消える。

そもそも、自分で生んでおいて見返りを求めること自体おかしいことではないか。


私がこの世に生まれさせられて、辛いこと・死にたくなったことは人並みにある。

また、ニュースを見れば吐き気がするような性犯罪や、止まらない異常気象や、クソみたいな政治が行われている。


そんなことをまったく経験せずに未来の我が子が生きられるなら、生めると思う。

でも無理だ、とりあえず私が出産適齢期の間には無理。

私はネガティブな方ではないという自覚があるが、それでもこれに関しては他人の人生が関わるかつ自分で選択ができる話なので、楽観的なことは言っていられない。


そんなことを色々考えていたら、「反出生主義」という言葉に出会った。
名前のサイコパス感に反して、そんなに理不尽な思想ではないと思う。

それに私は自分が欲しくないだけで、他人が子どもを何人生もうとどうでもいい。人類がゆくゆく滅亡しようとどうでもいい。

なので連帯をしたいとか、同じ思想を広めたいとも思っていない。
ただ一旦生まれてしまった人は、大事にしていきたい。


また、「反出生主義」という言葉を知らない頃、デンマークでこんな会話があった。

夕食のテーブルにつくや否や「子どもほしい?」と始まり「4人ほしい」と真剣に答える男の子、「こんなクソな世界に新しい命生み出せないわ」と数人の女の子。

「養子ならありかな、すでにクソみたいな世界にいるわけだし」でオチがついた。


正直に言うと、今まで同じような会話は何度もしてきたけど、「欲しい」か「なんとなくいらない」ぐらいしか答えを聞いたことがなかった。

そこで初めて「生むこと自体が罪/エゴなのではないか」という考えの人に出会って、自分だけじゃなかったと知った。


「子持ちの方が優れている」だの「子どもを持って初めて一人前だ」だの、そんな価値観クソくらえだ。

あなたが子どもを生むことを選んだように、私や他の誰かは生まないことを選んでいる。

まして欲しいのに恵まれないという人もいる中、そんなことを言うのは許されてはいけない。


生まれる子どものことを考えて私はこの反出生主義にたどり着いたのだが、それとは別で「妊娠出産のコストの不均衡」も腑に落ちていない。

これに関しては生物学的に仕方がない部分が多いので自分でどうこうできないが、生理40年+妊娠10ヶ月+出産のプロセスがあまりに女性側への負担が多すぎる。
子どもが生まれてからいくらパートナーと役割分担をしたって、埋め合わせられるものではないと思う。

私はいつも子宮にムカついてるし、この世の森羅万象の諸悪の根源は子宮だとさえ思う(とくに生理中は)。
(子宮は私の体に何か有益なことをひとつでもしてくれたか?この出血や痛みと引き換えにもらった唯一の権利である妊娠出産をしなければ、本当に不要では?女性ホルモンがなくても私は生きていけるんじゃないか?女性らしい体などがなければルッキズムも多少マシになりはしないか?など生理中の私は我ながら少々過激でウケる)


そして私はその負担を負う側の性に生まれてしまったので、医療が発達して「一生生理がこない」かつ「体外で妊娠出産ができる」かつ「庶民でも利用できる価格」なんてことが起きたら、ちょっと考えてみようかなという感じ。

(その上女性のキャリアへの影響や社会からのジェンダーバイアスなんかも言い出したらキリがないです。そこはフェミニストが頑張るぞ。)


そんなこんなで、何度も言うけど私はこの世に生まれてしまった人たちや生むことを決めた人たちを責めるつもりは全くない。
むしろその人生を出来るだけ良いものに、幸せが多いものにしたい。

ただ、私にはできませんね(今のところ)という話です。


啓蒙しようなんて気はさらさらないけど、残しておきたくて。
これで数年後子ども生んでる可能性もゼロではないしね。笑







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