中島薫@ゴッホのアルルの寝室



1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂で、英文館名の頭文字をとって「MoMA(モマ)」と呼ばれて親しまれています。
ここでグッズを私はたくさん買いました!(笑)

草笛光子さんが、ここで有名な絵を観てるシーンがあって、ゴッホの「星月夜」が見えました!!
ニューヨーク近代美術館の永久コレクションですね!
「星月夜」って、夜空がぐるぐると描かれていて、まるで天体望遠鏡から宇宙を見てるという感じが出ていて
私は、この絵も大好きな絵です。

ゴッホって確か37歳で亡くなってますよね?
7月29日に死んだので、3日前です・・・・・

そこでゴッホの絵で、「アルルの寝室」という絵がありますが、私はこの絵がメチャクチャ不思議に思ったので、今日は色々と感想を書きたいと思います。

まず、この絵ですが、同名の作品が3点あることが、不思議だと思いました。
なぜ3つも?????

この絵は、「ゴッホの寝室」、「ファンゴッホの部屋」、「アルルの部屋」とも表現されてますよね。
どれも正解だと思いますが。

この「アルルの部屋」の絵ですが、淡いブルーの壁に囲まれた部屋に家具、ベッドが置かれている絵です。
ただそれだけなんですが、誰もいない部屋で、人が描かれていない絵で、ちょっと不思議です。

私は以前、オランダのアムステルダムのゴッホ美術館に行った時に「ひまわり」の絵があって、
裏を回ると「アルルの寝室」が飾ってあって、感動して観たことがあります。

絵の画面の半分近くを占めるのが、黄色いベッドです。
描き方が、ゴッホ独特の厚塗りで、家具や道具を際立たせていました。

どこか奇妙で謎めいてる不思議な違和感が私には感じられるのです。(笑)

パリでの生活に疲れたゴッホは、南仏のアルルへと行っています。

ゴッホは浮世絵で深い感銘を受けた日本への憧れを、この町で重ねるように過ごしたかったんだと思います・・・・

アルルの大気の透明さや鮮明な色の効果が、ゴッホにとっては日本のように美しく見えたのかもしれませんね。

この町の外れの一角にあったのが、ゴッホの住んでいた黄色い家です。
その2階にある寝室をゴッホは描きました。

同じ絵が、あと2枚もあるのがビックリ!

一つはアメリカのシカゴ美術研究所が「アルルの寝室」を所蔵しています。
そして、もう一つは、フランスのオルセー美術館です。

ゴッホはなぜ3枚も描いたんでしょうか??

以前、テレビで言っていたのは、この絵が損傷したので模写を作ったと言っていました。

ゴッホの家の近くの川が氾濫し、その湿気の影響で、色が劣化してしまって駄目になったんだとか・・・・

「アルルの寝室」は、よ~く見ると、3枚とも絵が微妙に違いますね・・・
クイズの問題みたいですが・・・(笑)

3枚の相違点は「床」の所で、シカゴ美術研究所のは荒っぽいというか乱暴な感じ。
オルセーのは、全体的に柔らかい印象です。

壁に描かれてる2枚の肖像画がありますが、これが絵によって、中身が違います。

友人、二人の肖像画を描いています。
ウジェーヌ・ボックの肖像画と、ミリエ少尉の肖像画が描かれていて、
後の二枚は、ゴッホの自画像と女性像です。

ゴッホの住んでた黄色い家は、地理的に斜めに交差する道の角に建てられています。
家も道に沿って建てられた為に、台形のような形をしている家ですね。

ですから、部屋も普通の四角でなく、窓側の壁は、斜めです。
これが「アルルの部屋」の絵の真実な状態です。

彼はこの部屋に、もうすぐ画家のゴーギャンがやって来るという、喜びと期待に溢れてる絵なんでしょうか?

これから、共同生活を始めるポール・ゴーギャンが来るので自分の家を飾るために描いた絵が「アルルの寝室」。

しかし、二人の共同生活は長くは続きませんでした。
いつも喧嘩です!

しだいにギクシャクした二人の関係に、ゴッホは苛立ち、そして傷つき・・・・
ゴッホが自分の耳を切るという事件です。

そこで、ゴッホは精神的にやられて、修道院の施設に入院することに・・・・
失意と不安な日々の中、ゴッホは、キャンバスと向き合いました。

皮肉なことに狂気と正気の狭間を行きつ戻りつした1年間に、ゴッホはいくつもの傑作を生み出しています。
そこで描いた絵で私が好きなのは「星月夜」と「糸杉」です。

「アルルの部屋」の絵のアングルですが、ゴッホは広角レンズ的な目を持ってるような表現ですよね。(笑)
だって、普通にこの部屋は描いても、こんな絵のようには、なりませんから・・・(笑)

ベッドをよく見ると、ゴッホが、もし、広角レンズなしの感じで描くと、ベッドの上までは見えないと思います。

しかし、このベッドもそうですけど、部屋には、何があるか描きたいという思いで、
上下左右に広げて描かれています。

絵の左側の扉は、ゴーギャンの部屋につながっているんでしょうね・・・

部屋そのものの形とゴッホ独特の広い視覚が、この絵で感じられます。

そして、不思議なのは、部屋の窓が少しだけ開いていて、窓から光があるのに
絵をみると、どこにも影がない・・・
逆光であるにもかかわらずですよ!
椅子、テーブル、ベッド、みんな、どれを見ても、影がまったく描かれていないのです。

ゴッホは自然光で描くのではなく、自分のイメージの光の中に、この部屋を描いたんだと思います。

「アルルの部屋」は、フランスのアルルでゴッホが暮らした家の2階の部屋を描いたものですが、
ゴッホの作品の中に「黄色い家」があります。

私は以前、オルセー美術館でゴッホの作品で「医師ガシェの肖像」を観ました。
アムステルダムのゴッホ美術館では「花咲くアーモンドの枝」と「ひまわり」を。

そして、オーヴェル=シュル=オワーズという場所に行き、「オーヴェルの教会」の絵の場所に行って
そこの前で写真を撮ってきたことがあります。

ゴッホは、医師ポール・ガシェの患者となった時ですね。
彼はここで人生最後の10週間を過ごし、その短い期間に「オーヴェルの教会」を含む作品100点以上を
制作しています。

オランダの「アムステルダム美術館」と、「ゴッホ美術館」に2018年10月に行ったことは、
私の人生の中で宝物のような経験でした!

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