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言語事項

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言語事項に関係する記事を集めました。
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#日本語

【校閲ダヨリ】 vol.73 「栗」はなんと発音するか(アクセント)

みなさまおつかれさまです。 ようやくひと段落つきまして、気がつけばゴールデンウイークも中盤でございます。 あまり天気がパッとしませんが、みなさまは連休いかがお過ごしでしょうか。 今回は、東京時代、私がよく部下から指摘された「発音(アクセント)」に関するお話です。 少し恥ずかしいですが、まずはその背景をご説明いたします。 東京は世田谷の会社で働いていた当時、部下と話しているときに、何かの流れで「栗」という単語が出たんです。 たとえばこんな感じです。 このあと、その人

【校閲ダヨリ】 vol.72 絵文字のこと

みなさまおつかれさまです。 新年度が始まり早1週間が経ちました。学校も、そろそろ入学式というところが多いのではないでしょうか。 個人的に、春は、言葉の持つ力をことのほか体感する(してしまう)季節ではないかなと感じています。 特に入学や就職、クラス替えや異動など、新たなステージに進む方にとっては、ワクワクや不安のもとが「言葉」ということが多いのではないでしょうか。 「また自己紹介するのか……」(私はこれでした)、「先輩にきついこと言われたら……」、「ビジネスメールのマナーが

【校閲ダヨリ】 vol.70 「怒ったりしてごめん」に指摘を入れるのですか? 接続助詞「たり」

みなさまおつかれさまです。 慌ただしく毎日が過ぎ、いつの間にかもう3月です。 笑ったり泣いたりできる日常がいかに尊いものかを意識せずにはいられない今日この頃。 言葉の仕事をしている私はどうしようもない無力感を覚えているのですが、孔子の「近き者は説(よろこ)び、遠き者は来たる」に立ち返り、自分の周りからあらためて「言葉の大切さ」や「言葉で生きやすさが変わること」を伝えていきたいなと考えています。 相手に伝えたり、相手から伝えられたことを理解して未来(近くても遠くても)の

【校閲ダヨリ】 vol.68 「〜たち」を「〜達」と書いてはいけないのか。

みなさまおつかれさまです。 早くもSNS疲れを催している伊藤です。(本当に早い) なんというか、「人それぞれの意思」が流れ込んでくる感覚で、MARVEL作品ヒーローたちが最初に経験する「苦しみ」にオーバーラップしているようです。 なるほど。 超えたら強くなれるのですね。(そんなに上手くいくか) 多様性に触れられるのはありがたいので、今後もマイペースでSNSと付き合っていこうと思います。 さて、Twitterは多くの「言葉の話」に出合える場として私にとってとても有益

【校閲ダヨリ】 vol.67 国語の「習熟」について考えてみる

みなさまおつかれさまです。 またこうして記事を書けることが、とてもうれしいです。 さて、12月29日の記事でお知らせいたしましたが このたびTwitterとInstagramにアカウントを開設したのです。 Instagramはプライベートでもそこそこ稼働していたので自分にとって目新しい出合いはほとんどなかったのですが、異次元だったのがTwitterです。 情報量のなんと多いことか! 更新するたびに流れてゆくタイムラインは、言葉の川のようです。 職業柄、また私の興味・関

【校閲ダヨリ】 vol.65 僕の夏休みの自由研究④(計量言語学の手法Ⅲ)※難

みなさまおつかれさまです。 最終回に来て予想外の確認事項が発生し元の文献を取り寄せることになり、作成に時間がかかってしまいました。 計量言語学ではじめたときには、まさかこんなに長いものになるとは想像だにしていなかったのですが、ようやく今回で終幕です。 前回は、3つある計量語彙論の本質に迫る法則のうちひとつを紹介しました(Zipf(ジップ)の法則)。 ここでは、残りふたつを取り扱いたいと思います。 2.【樺島の法則】 I=a×(eの-bN乗)M=c-dNV=100-I-M

【校閲ダヨリ】 vol.64 僕の夏休みの自由研究③(計量言語学の手法Ⅱ)※難

みなさまおつかれさまです。 前回は、「コーパス」という単語調査ツールがちらっと登場したところでお話を終えたかと思います。 コーパスとは、英語では「corpus」と書き、「(文書・法典などの)集成、収集」という意味がある単語です。ちなみに次に立つ意味が、「体(body)、(特に犯罪の客観的な証拠としての)死体」だったりする少々不気味な単語であることは、辞書で調べるまで知りませんでした。(これだから言葉の研究はやめられないのです) さて、こと日本において「コーパス」という単語

【校閲ダヨリ】 vol.63 僕の夏休みの自由研究②(計量言語学の手法)※やや難

みなさまおつかれさまです。 夏休みの自由研究としておきながら、すっかり新学期、涼しい季節になってしまいました。 とはいえ私は自分に課した課題を終えなければなりません。 今回から、いよいよ計量語彙論の具体的な手法に関してまとめていきます。 さて、前回お話しした通り、計量言語学は「データを集めるところからスタート」する学問であります。 ……しかし、ある程度ターゲットを絞る必要はあります。 たとえば、「近代文学の文体的特徴」を調べたいと思えば対象は近代文学のみでよいですし、「

【校閲ダヨリ】 vol.62 僕の夏休みの自由研究①(計量言語学への招待)

みなさまおつかれさまです。 世間では夏休みの期間ですね。 私もささやかな休日を取得することができましたので、久しぶりに気の赴くままに調べたいことを調べてみました。 今回は、個人的な自由研究の発表です。 テーマは、「計量言語学」。 言語学のいち研究分野なのですが、実をいう私もほとんど馴染みがない世界で、ゼロからのスタートです。 みなさんがイメージする言語学は、多くの場合「表現に関する考察」など、扱いたい事象を取り立てて、先行研究などとの比較から論を構成するものなのではない

【校閲ダヨリ】 vol.61 補助動詞を閉じるか開くか(後編 —ワールドワイド—)

みなさまおつかれさまです。 前回は「形式用言」の「用言」部分の解説で終わってしまいましたが、 本論はこれからです。 「ちょっとコンビニに行ってくる」「もう少し静かにしてほしい」の「くる」「ほしい」はそれぞれ補助動詞、補助形容詞と呼ばれるものですが、今回は合わせて取り扱いたいので、まとめて言い表せる「形式用言」という言葉を以降使っていきたいと思います。 さて、時代を義務教育期間、漢字を習いはじめた頃までさかのぼると 「習った漢字は使いましょう」という教えが思い出される方もい

【校閲ダヨリ】 vol.60 補助動詞を閉じるか開くか(前編 —体言・用言—)

みなさまおつかれさまです。 私の少年時代は「夕立」といって30分くらいで収まる激しめの雷雨があり、風流な季節イベントのひとつでしたが、 近年は乱暴としか言いようのない豪雨が各地を襲っています。 被災地のみなさまのご心情をお察しするとともに、お亡くなりになられた方々へ心から哀悼の意を表します。 一日も早い復旧を願ってやみません。 ここで少し、「夕立」について解説をしておきましょう。 言わずもがな、夏の季語である「夕立」ですが、古くは『万葉集』に と記載があり、約1300年

【校閲ダヨリ】 vol.57 カタツムリは考えるのです —蝸牛考—(国語学基礎概説4)

みなさまおつかれさまです。 あじさいが綺麗な季節になりました。 葉っぱの上にはカタツムリ。なんとも風流です。 さて、今回はそんなカタツムリにまつわる国語学のお話です。 タイトルに「蝸牛考」と載せましたが、この学問をかじったことのある人はもれなく知っているといっても過言ではない、有名な学説ですので、基礎概説のくくりとして取り上げたいと思います。 (民俗学の分野でも、もしかすると講義のテーマになっているかもしれません) 主人公は「柳田国男」です。 1875年、兵庫県に生まれ

【校閲ダヨリ】 vol.55 逆接は心の準備ポイント

みなさまおつかれさまです。 今回は、少しテクニック的なお話になるかと思います。 ……その前に少し持論を述べますね。     国語のテストではとにかく「このときの主人公の気持ちを答えよ」「筆者のいいたいことは何か」といった設問が多いですよね。 正直なところ、私はこの種の問題は論説文や評論文などに限ってすべきであり、小説・物語文でこれをやるのはナンセンス甚だしいと思っているのです。なぜなら、小説のよいところは「読者に解釈が委ねられる」ことですからね。百歩譲って、「物語上ここの部分

【校閲ダヨリ】 vol.16 国語学基礎概説 1

みなさまおつかれさまです。 今回は、国語学の入り口の話をしたいと思います。(簡単です) ある程度人生経験を積むと、 ということを体験的に把握されている人が多いのではないかと思います。 「だって、そうでしょう?」というひと言で完結できてしまうテーマですが、「なぜそうなるのか」論理的にこの問題に迫ってみたいと思います。 国語学を始めるにあたって最初に学ぶべきといっても過言ではない命題ですし、ビジネスでも使える考え方ですので、お役に立てるかもしれません。