婚活6日目

【瑠璃!婚活してるのか~】
瑠璃は恥ずかしそうに静かに頷き周囲の視線を確認した。
【そうだったのか~俺も行った事あるよ!】
『本当!?結果は!?』

瑠璃は珍しく、慶太の婚活パーティーのお話を詳しく聞いてみた。
慶太の情報によると、合計行った回数は6回その内1階はマッチングせず、残りは女性とマッチングしたらしい。
その後、食事やお茶まではするが2回目以降会った女性はいないとのお話で合った。行った企画は年下女性・ぽっちゃり婚活・趣味活・オープン形式など、瑠璃と違い同じ企画に行くタイプではなかった。

【最初行った時さー、第一希望の人の番号忘れちゃって女性に何番ですか?って聞きに行ったらその印象がすごく悪かったらしく、坊主で帰ってきた事もあったよ。最後の希望投票でその女性が自分の番号を書いてくれているのが見えたんだけど、覚えてたらマッチングしてたのかな?】

『よく聞きにいけたね』

【でもさー厳しい世界だよね!そういうのちょっと間違えただけでもダメってどれだけ完璧になれば、うまく行くんだろうね!これを見て見な!婚活ーパーティーでの成婚率だっておよそ2%~10%しかないんだよ!価値観が合わないと言われるのは無理もないよね】

『その割合って普通に低くないんじゃないの?』

【そもそも一番最初に婚活パーティーはマッチングすると言うのが壁だよ。みんなが希望通りの人と話せるわけじゃないし。あくまでマッチングしたと言うのはそれで交際に進むとかそういう以前に話す権利を得られたって言うだけにしか過ぎないんだよ】

慶太の言う通り、婚活パーティーは最初にマッチングしなければ人と話す権利すら得られない。友達以上など無縁で全く見ず知らずの私情も知らない状況で話したところでうまくいく確率は極めて低い事を語り始めた。

【ところで、瑠璃はマッチング率はどれぐらい?どんな男性と意気投合したの?まだその辺の話聞いて無かったね】

慶太は瑠璃の表情を見ると、どのような状況であるかすぐさま察しがつき、
メニューのすぐそばに置いてある灰皿を引いてタバコを吸い始めた。

【大丈夫だよ!これは匂いがしないから!そんじゃー瑠璃が求めてる理想はどんな感じなの?】

『猫!猫を大事にしてくれる人が良い』

【そかそか!じゃあ、ついてきな!すみません!お会計お願いします!】

そう一言残し、灰皿に吸殻入れると席を立った。

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