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選挙というものがわかっていない米山隆一さん

かつての中曽根派の話

 かつて三角大福中の政争の中で解散総選挙に追い込まれた大平正芳総理大臣が選挙中に死去し、そのとむらい選挙という色彩が強くなった総選挙で自由民主党が大勝したことがありました。三角大福の派閥の領袖が総理大臣をすでに務めていたことから中曽根派では次の総理総裁は中曽根康弘であるとして派閥の会合が盛り上がっていました。その中で中曽根派の幹部が釘を刺しました。「総裁になるかどうかは他の派閥によって決まるから軽挙妄動しないように」

総選挙出馬の意向を表明した候補者として不適切な米山隆一さんのツイート

 このようなエピソードを思い出したのは、米山隆一さんのツイートが選挙に出馬を予定している者とその家族としてあまりに不適切なものであると感じたからです。
 米山隆一さんは令和2年7月に出馬の意向を固め11月に正式な出馬表明をしていますが、出馬の意向を固めた以降だけでなく正式な出馬表明後も一般市民が保有しているであろう特定のアカウントに対する批判を繰り返しています。

 このようなツイートは米山隆一さんのシンパに近い人には受けがよいのかもしれませんが、そうではない人にとっては衆議院議員総選挙に出馬しようとする準公人が執拗に一般市民に対して攻撃していると受け取られるおそれがあります。選挙区で一つの議席を争う小選挙区制度では米山隆一さんが衆議院議員になるかどうかを左右するのは、米山隆一さんに特に関心のない層や米山隆一さんと思想傾向などが異なる層となりますが、そのような層に対してこれらのツイートがどのように受け取られるかを考えれば、通常は触れずにやり過ごすと思います。この事件を共同受任している弁護士がいると思いますし、仮に訴訟代理人が米山隆一さん一人だったとしても事務所に所属する弁護士が加わって情報発信をその弁護士に任せればよいだけの話だと思います。

米山隆一さんには「スルー力」が足りない

 米山隆一さんがそのような立場であるにもかかわらず、訴訟の中間報告という形で特定のアカウントに執拗に批判を繰り返す理由として考えられるのは、いわゆる「スルー力」が欠けているからであると私は考えます。公人や著名人だけでなく、インターネットのコテハンに至るまで掲示板であることないことを書かれることはよくあることです。それに対して一つ一つ反論していくのではなく適当にやり過ごす能力をネットスラングで「スルー力」とよんでいますが、米山隆一さんは反論や批判をする自分の姿が有権者にどのように映るかということを考えずに反論や批判によって論戦などに勝利したい人なのだと思います。そして、その人物に特に関心を持っていない層や思想傾向が異なる層が距離を置くというのはよくあることです。コテハン程度であればそれでもよいのかもしれませんが、政治家として立候補を考えている人物の姿勢としては未熟そのものだと考えるのは私だけではないでしょう。