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山添拓参議院議員の「撮り鉄」書類送検事件で最も信用できない擁護をする花瑛塾

日本共産党山添拓参議院議員の「撮り鉄」に伴う鉄道営業法違反による書類送検と日本共産党の「処分」

 日本共産党の山添拓参議院議員が秩父鉄道の鉄道敷に無断で立ち入った鉄道営業法違反で埼玉県警に書類送検されていたことがわかりました。

 鉄道写真の撮影目的で秩父鉄道(本社・埼玉県熊谷市)の敷地に無断で立ち入ったとして、埼玉県警が今月中旬、共産党の山添拓参院議員(36)を鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り)容疑で書類送検していたことが、関係者への取材で分かった。
 関係者によると、山添氏は昨年11月3日午前、同県長瀞町の秩父鉄道の線路内に許可なく立ち入った疑い。この日は電気機関車を臨時運転するイベントが開かれ、県警が鉄道ファンの悪質行為を警戒していた。山添氏は他の複数の鉄道ファンとともに線路を横切るなどしたという。
 山添氏は18日、読売新聞の電話取材に応じ、「線路を渡ったということは事実であって、軽率な行為だったと反省している。今後、そうしたことはしない」と話す一方、「通行可能な道だと勘違いをしていた」と説明。「その場所は近所の人たちに踏み固められた形跡があって、道になっていた」ためだという。「電車が通っていない時に渡ったが、横断禁止だということがわかれば渡らなかった」とも述べた。

 勝手踏切を渡るという行為は、犯罪としては軽微なものでありますが、軽微な罪について警察が検挙に踏み切った要因として山添拓参議院議員も含めた鉄道ファンの行状があまりにも酷いものであったからであることは容易に想像することができます。弁護士でもある山添拓参議院議員が素直に反省の言葉を述べていることからもそのような状況であったことはうかがい知ることができます。
 これに対して日本共産党の対応は厳重注意「処分」でした。なぜ「処分」としたのといえば、日本共産党規約において、厳重注意は処分ですらないからです。何ら法令に反しない官僚や政治家の会食を厳しく批判している日本共産党が明らかな法令違反に対して規約上の処分である警告すら行わないということは日本共産党の身内に対する姿勢を示しているといえるのではないでしょうか。

第48条 党員が規約とその精神に反し、党と国民の利益をいちじるしくそこなうときは規律違反として処分される。
 規律違反について、調査審議中の党員は、第五条の党員の権利を必要な範囲で制限することができる。ただし、六カ月をこえてはならない。
第49条 規律違反の処分は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない。
 処分は、警告、権利(部分または全面)停止、機関からの罷免、除名にわける。
 権利停止の期間は、一年をこえてはならない。機関からの罷免は、権利停止をともなうことができる。

花瑛塾広報部の事実を歪める山添拓参議院議員擁護の姿勢

 この山添拓参議院議員の鉄道営業法違反事件に対して擁護の姿勢を明らかにしたのが右翼団体の花瑛塾でした。花瑛塾は広報部を通して次のように主張しています。

 ただ、この擁護は事実に反するといえます。与党に批判的で野党に沿った論調の記事を書く東京新聞ですらこのように述べているからです。

 山添さんのツイッターなどによると、昨年11月3日、この近くで勝手踏切を渡った。鉄道を撮影するために訪れ、「水路に渡し板がかけられていた箇所」を通って線路を横断した。その時間は1秒ほどだった。
 駅から線路沿いの農道を西に向かって200メートルほど歩くと、線路に向け「渡し板」が置かれていた。その先にも、同様の渡し板があった。山添さんの現場かどうか確定できないが、確かに渡し板はあった。
 ここで線路を横切ると、そこには畑がある。「渡ったらダメだと今回の件で初めて知った。これを渡って警察沙汰になるのはかわいそう」。その畑で農作業をしていた女性(74)は語る。

 つまり花瑛塾が勝手踏切の例として示したコンクリートで通路が舗装されて渡ることができるようにした勝手踏切は、水路に渡し板が設置されて踏み固められていた程度のものであった山添拓参議院議員の渡った勝手踏切とは明らかに異なるわけです。

 そして、現場を詳細に取材した読売新聞は、私設の勝手踏切となっていたという主張にも疑問を呈しています。

 県警が、山添氏が立ち入った現場としているのは、秩父鉄道樋口駅から熊谷駅方面に向かって約600メートル離れた長瀞町野上下郷(のがみしもごう)の線路内。読売新聞記者が訪ねると、約50メートル離れたところには踏切があるが、国道と敷地を隔てているガードレールが途切れ、線路側に入れるようになっている箇所があった。線路脇には側溝があり、コンクリート製の板がかけられ、山添氏がいうように「水路に渡し板がかけられている」ような箇所もあった。
 この現場については、正規の踏切ではないが、住民らが線路を横断する「勝手踏切」として使われている可能性もある。勝手踏切は国土交通省の調査(今年1月時点)で全国に約1万7000か所あり、秩父鉄道も管内で18か所あると同省に報告している。
 だが、同社は今回の現場については「勝手踏切とは認識していない」とする。
 地域住民の一部は「線路の奥にある畑に行く際、渡ったことがある」としたが、多くが「勝手踏切として使っていない」と強調する。山添氏の「地域住民によって道がつけられ」との説明に、70歳代女性は「地元の人が線路内に年中入っているように聞こえる。そう思われたくない」と不満げな様子。40歳代の男性は「そもそも自分が違法行為をしたのに、地元の人もやっているではないかという言い訳は、いかがなものか」とあきれたように話した。

 花瑛塾は右翼団体でありながら日本共産党に対して不思議な距離感を維持しています。

 また反共運動は、何よりも天皇論からの再検討が必要とされています。日本共産党は、平成6年までの党綱領で「君主制の廃止」を明記していましたが、平成16年の新綱領からはそのような直截な表現を修正しました。彼らは終局的な目標として憲法上の制度としての天皇制の廃止を目指すも、彼らの当面の目標とする連合政府においては天皇条項を維持するとしています。
 天照大神より神宝を継承した皇孫である天皇が現御神であることは神道信仰に基づき自明の事柄です。そうした天皇と天皇を戴く国である日本をいかに守るかに視点を置く時、日本共産党の終局的な目標を許容することはできませんが、自由民主党の憲法草案における天皇の元首化は天皇の歴史に顧みて疑問の余地があり、ここにおいて自民党も共産党も大同小異であるとさえいえます。

 そもそも、内閣総理大臣の任命、最高裁判所長官の任命、憲法改正、法律、政令及び条約の公布、国会の召集、衆議院の解散、国会議員の総選挙の施行の公示、重要な官吏の任免や大使、公使の信任状の認証など国家として非常に重要な決定事項が天皇の名でなされますから、成文において天皇が元首であると記載していないものの、日本国憲法においても天皇は元首であると規定しているも同然であるといえます。なお、権限を有しているか否かは元首であるか否かの判断に何ら影響がないことを付け加えておきます。
 花瑛塾は成文ではないものの天皇を元首と規定している日本国憲法があるにもかかわらず、改憲草案の「天皇の元首化」をもって自由民主党と「君主制の廃止」を綱領から外した程度の日本共産党を同列に扱っているのです。この恣意的な価値判断を見ると花瑛塾は自由民主党と比較して日本共産党により大きなシンパシーを感じていると判断せざるを得ないのではないでしょうか。つまり、日本共産党の国会議員である山添拓参議院議員を擁護するという目的が先にあったからこそ、花瑛塾が広報部を通してあのような擁護ツイートをなしたのではないかという疑念がますます真実味を帯びてくるわけです。
 また、花瑛塾は山添拓参議院議員の事件において軽犯罪法の条文を掲げ、山添拓参議院議員の行為を擁護しようとしていますが、そもそも軽犯罪法には鉄道敷に侵入することを罰する条項が存在しませんから、山添拓参議院議員を擁護するために法令に詳しくない多くの国民を欺罔し日本共産党への批判を和らげるためにこのようなツイートをなしたと考えざるを得ないと思います。
 さらに花瑛塾の姿勢を疑わせるのが令和2年2月1日に白井聡京都精華大学専任講師を「KAEI SEMINAR」に招いたことでしょう。天皇や皇室を重視する姿勢を示しながら年号ではなく西暦で期日を記載するのもどうかと思いますが、白井聡京都精華大学専任講師はこの後イデオロギーを優先するあまり安倍晋三元総理大臣の辞任記者会見で泣いたと松任谷由実さんに対して「早く死んだ方がよかった」というツイートをなす人物でありますが、この時点でイデオロギー最優先の人物であることはしんぶん赤旗日曜版平成29年7月2日号でも明らかになっています。

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共産党躍進で政権追い詰めて
政治学者、京都精華大学専任教員 白井聡さん

 イデオロギー最優先という日本共産党そのものの姿勢を示していることがわかっていながら花瑛塾は「KAEI SEMINAR」の講師として招いたというわけですから、花瑛塾の薄っぺらい行動規範がますますあらわになっているといえるでしょう。