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ルッキズム批判などかけらも考えていない人々

またもやとも言える麻生太郎衆議院議員の舌禍

 麻生太郎衆議院議員による上川陽子外務大臣の容姿に関する発言に対し、ルッキズムであるという批判がなされています。麻生太郎衆議院議員については、経済企画庁長官、財務大臣を歴任したように経済に明るい有能な政治家であるという印象を持っていますので、発言には細心の注意を払ってほしいと思っているのですが、何度も繰り返されるので呆れかけています。
 この麻生太郎衆議院議員の発言を野党などが批判するのは当然ですが、上川陽子外務大臣が麻生太郎衆議院議員を糾弾しなかったことでおかしな流れになっています。

なぜか上川陽子外務大臣を批判する人々

蓮舫参議院議員の場合

 立憲民主党の蓮舫参院議員は2日までに自身のX(旧ツイッター)を更新し、上川陽子外相が自身の容姿や年齢に言及した自民党の麻生太郎副総裁の発言を、記者会見で直接論評しなかったことについて、同僚の辻元清美参院議員のX投稿を引用しながら、疑問を示した。

日刊スポーツ「蓮舫氏、麻生太郎氏発言への上川陽子外相の対応に疑問『おかしいと指摘することこそ大人の対応』」

ラサール石井さんの場合

怒れよ、これぐらい

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松尾潔さんの場合

 さて「美しい方とは言わん」と言われた上川外相。1月30日の閣議後会見で見解を問われ、「さまざまな意見や声があることは承知しているが、どのような声もありがたく受け止めている」と答えた。少なくとも表面上は意に介さないという態度を貫いたわけだ。一部では彼女を「大人の対応」と褒めそやす向きもあるようだ。これで初の女性総理に一歩近づいた、とも。
 それはよくない。ぼくははっきり言っておきたい。今からでもいい、上川氏は麻生氏の無礼を公の場で糾弾するべきだ。まさに「覚悟」をもって。「美しくない=不細工」と揶揄されたからではない。たとえ「美しい」と褒められたとしても、無礼を指摘する必要がある。高い能力を備えた女性が台頭すると、その外見を取り沙汰しなくては気が済まない男性がいるが、それってある種の行動嗜癖、つまり依存症ではないか。女性の外見について何か言わないと死んでしまう病。

日刊ゲンダイ「今からでいい、上川外相は麻生太郎氏の無礼を公の場で糾弾するべきだ(松尾潔)

 蓮舫参議院議員、ラサール石井さん、松尾潔は、麻生太郎衆議院議員を批判するより先に麻生太郎衆議院議員を糾弾しなかった上川陽子外務大臣を批判しているのです。彼らの思想的な立ち位置を考えると、上川陽子外務大臣か麻生太郎衆議院議員を糾弾することによって彼らがより厳しく麻生太郎衆議院議員を批判することができるのになぜ糾弾しないのかという思惑が透けて見えます。ルッキズムに対してどのように感じるかは人それぞれですし、「被害者」である上川陽子外務大臣がどのように感じたかを察し、その気持ちこそが最も尊重しなければならないもののはずです。しかしながら、都合のいい「被害者」として演じることがなかった上川陽子外務大臣の気持ちは、彼らにとってはどうでもいいことなのでしょう。彼らは、ルッキズムに対する怒りなどは微塵も持ち合わせておらず、大切なのはご自身のイデオロギーを広めるために都合のいい「被害者」の気持ちだけを「大切」にする人々であることがよく分かります。