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「Dappi」名誉毀損裁判第1回口頭弁論

株式会社ワンズクエストの平取締役まで被告とした小西洋之参議院議員と杉尾秀哉参議院議員

 令和3年12月10日、東京地方裁判所第809号法廷で、小西洋之参議院議員、杉尾秀哉参議院議員が、ツイッターアカウント「Dappi」のツイートが名誉毀損にあたるとして、ツイートの発信元の株式会社ワンズクエスト、株式会社ワンズクエストの代表取締役KK氏、取締役KM氏に対し、1050万円の慰謝料とツイートの削除及び謝罪広告の掲載を求めて民事訴訟を提起した事件の初回口頭弁論が行われました。
 この民事訴訟で驚いた点は、株式会社ワンズクエストの代表権すらない取締役のKM氏も被告として民事訴訟を提起しているということでした。ひょっとしたら、ある人物が株式会社ワンズクエストの社員であることがわかっていれば、小西洋之参議院議員と杉尾秀哉参議院議員はその者をも被告として民事訴訟を提起したのではないでしょうか。国会議員であるからといって民事訴訟を提起する権利が制限されるわけではありませんが、国会議員の一挙一動は一般国民のそれとは比較にならないほど大きな影響を与えます。旧郵政省官僚の小西洋之参議院議員と違い民間でTBSの記者であった杉尾秀哉参議院議員はそのあたり十分ご存知のことと思いますが、自らの一挙一動が一般国民には大きな影響を与えることを自覚した上で代表権のない平取締役を民事訴訟の被告となさったのでしょうか。

原告と被告の訴訟代理人

 原告である小西洋之参議院議員と杉尾秀哉参議院議員の訴訟代理人は、早稲田リーガルコモンズ法律事務所の竹内彰志弁護士、福田健治弁護士、徳勝丈弁護士に加え、東京駿河法律事務所の金子春菜弁護士でした。早稲田リーガルコモンズ法律事務所の弁護士は、ボス弁と所属弁護士がともに訴訟代理人となるというよくある構図ですが、そこに金子春菜弁護士が加わっているのが気になりました。発信者情報開示にも加わっていた金子春菜弁護士が特にインターネットでの名誉毀損事案の経験があるということなのでしょうか。なお、金子春菜弁護士が所属する東京駿河法律事務所は、神保町の岩波書店アネックスビルに事務所があります。
 被告の株式会社ワンズクエスト、代表取締役のKK氏、平取締役のKM氏の訴訟代理人は、大島総合法律事務所の野中信敬弁護士、安田修弁護士、辻美和弁護士で、特に気になる点はありませんでした。

あっという間に終わった口頭弁論

 口頭弁論には、原告側の訴訟代理人の竹内彰志弁護士、福田健治弁護士、徳勝丈弁護士、金子春菜弁護士が出廷し、被告側は出廷していませんでした。
 裁判所の構成は小川理恵子裁判長、山岸秀彬裁判官、志村敬一裁判官で、書記官は横田忠彦書記官でした。

小川理恵子裁判長「それでは開廷します。原告の訴状を陳述します。被告から12月10日付け答弁書が提出されていますので、これを陳述します。」

 そして、次回口頭弁論の日程調整に入り、2月28日11時半に次回口頭弁論を行うことを決定して閉廷しました。
 確か、立憲民主党のシンパの多い反差別運動家たちは、京都朝鮮学園との民事訴訟で訴訟代理人と被告でもある在日特権を許さない市民の会副会長の八木康洋さんが出廷していたにもかかわらず、被告の桜井誠こと高田誠さんが出廷していないことをもって「裁判から逃げた」と批判していたはずですが、出廷しなかった小西洋之参議院議員と杉尾秀哉参議院議員に対して「裁判から逃げた」と批判なさるのでしょうか。そのようなことを考えながら東京地方裁判所を後にしました。