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東京都監査委員による監査の状況

監査事務局による福祉保健局の定例監査が実施中

 東京都と一般社団法人Colaboとの間に締結された委託契約は、暇空茜さんの住民監査請求に基づく住民監査請求監査及び監査委員の意見に基づいた保健福祉局の調査をもって東京都によるそれなりの結論がなされています。しかしながら、住民監査請求監査は、情報公開請求という不十分な調査手段に基づいて東京都民がなす主張と証拠に基づいて監査委員が判断するものであって、監査委員が自主的に調査を行う定例監査等の監査とは監査委員の調査範囲も調査権限も大きく異なります。たとえるならば、当事者の提出した証拠のみしか裁判所が判断することができない民事事件が住民監査請求監査、裁判所が心証を形成するための強制的な調査権限が警察や検察に付与されている刑事事件が定例監査等の監査といえるかもしれません。
 その定例監査は、現在監査事務局で実施されており、ちょうど福祉保健局の定例監査が令和5年5月15日から令和5年6月7日までの日程でなされています。

定例監査の流れと今後の動き

 定例監査は、監査事務局の職員による予備監査から監査委員による本監査という流れで実施されます。東京都は数多くの部署があり、監査委員が1年ですべての部署を監査することは物理的に不可能であるため、定例監査がなされる部署は抽出によって決まります。若年被害女性等支援事業については東京都福祉保健局少子社会対策部育成支援課が担当部署であるため、育成支援課が定例監査の対象となっていれば若年被害女性等支援事業が定例監査の対象となる可能性が高くなるといえるでしょう。
 仮に、育成支援課が今回の定例監査の対象となっていない場合には、監査委員が臨時監査によって監査を行うことができます。これだけ多くの注目を集めている東京都の若年被害女性等支援事業について、東京都自身が疑念を解消しなければならないと考える東京都民は少なくないでしょう。定例監査で若年被害女性等支援事業が監査対象とならない場合には、東京都議会議員の出番であると思います。東京都議会で若年被害女性等支援事業の委託契約について東京都議会議員から繰り返し質問がなされることによって監査委員が関心を持つことになり、若年被害女性等支援事業が臨時監査の対象となる可能性が高まると思います。