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「外遊」という表現を誤信する日刊ゲンダイ

日刊ゲンダイの「外遊」批判記事

 ゴールデンウィークに入ったばかりの令和5年4月29日に日刊ゲンダイから「外遊」批判記事が掲載されました。

 29日から待望のGWがスタート。今年は最大9連休とあって、旅行やレジャーを楽しむ人は増えそうだが、海外旅行は低調だ。理由は円安や燃料サーチャージの高騰などによる料金アップ。大型連休を使った出国が高根の花となりつつある庶民を尻目に、岸田首相をはじめ、閣僚たちは巨額の血税を使って怒涛の外遊ラッシュだ。
 岸田首相は29日から5月5日までの日程でエジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークのアフリカ4カ国とシンガポールを歴訪する。G7広島サミットを控え、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携を強化。政府関係者は「中国・ロシアのアフリカ接近にくさびを打つ」と大仰な狙いを強調するが、もれなく長男の翔太郎首相秘書官が付いて回る。
 1月の欧米歴訪に随行中、翔太郎氏は観光やショッピングに精を出したと報じられ、大炎上。公用車を使った観光について政府は「対外発信用の撮影」と説明したが、翔太郎氏が撮った写真はいまだ対外発信では使われていない。翔太郎氏は今回の外遊にも同行するようだが、観光名所の多いエジプトやシンガポールに連れて行くのは危険だろう。
 閣僚の外遊日程は別表の通り。林外相は各国要人との会談、岡田万博相は各国の主管大臣との会談、斎藤法相は政府要人との会談、加藤厚労相は会談に視察──もっともらしい理由をつけるが、公務に割く時間はわずか。物見遊山の域を出ない。
 海外出張の原資は当然、国民の税金だ。2016年5月に野党議員が出した質問主意書への政府答弁によると、その時点で安倍首相(当時)の計40回分の外遊経費は総額87億7400万円。1回平均約2.2億円だった。

「日本からの距離を考えれば、岸田総理のアフリカ訪問の費用は2億円をはるかに上回るのは確実。ファーストクラスで渡航する閣僚は1回あたり1000万~2000万円程度の費用がかかるとみられ、数人が外遊する副大臣・政務官を加えればGWだけで5億円ほどの渡航費がかかる見込みです」(政府関係者)

 政務三役だけじゃない。自民党幹部のうち、茂木幹事長は30日~5月6日に米国、メキシコ、キューバへ。萩生田政調会長は29日~5月3日にフィリピン、インドネシアを訪問する。日越友好議連の会長としてメンバーを従え、ベトナムを訪れる二階元幹事長など、GWには衆参合わせてザッと100人超の国会議員が海外に繰り出すのだ。

日刊ゲンダイ「岸田政権GW外遊ラッシュで使う血税5億円! 庶民を尻目に衆参議員100人強も海外へ」


日刊ゲンダイ「岸田政権GW外遊ラッシュで使う血税5億円! 庶民を尻目に衆参議員100人強も海外へ」

非常に厳しい閣僚の外遊スケジュール

 日刊ゲンダイが公開している「閣僚のGW外遊先と期間」ですが、非常に厳しいスケジュールであると感じます。岸田文雄総理大臣は7日間で6か国を訪問するスケジュールで、訪問先の国の歓迎行事、国の首脳との会談、事務方との打合せなどが必ず入ることを考えると、自由になる時間はまったくないのではないでしょうか。林芳正外務大臣、西村康稔経済産業大臣についても同様です。このスケジュールのどこを見て日刊ゲンダイは「物見遊山」などと言うのでしょうか。それとも、公開されている閣僚のスケジュールをウェブサイトで閲覧すれば何の取材もせずに記事にすることができるからこのような記事を掲載しているのでしょうか。それとも「外遊」に「遊」が入っているから「物見遊山」だと思い込んだのでしょうか。いずれにしても日刊ゲンダイの取材こそが「物見遊山」であることだけは間違いがないようです。