見出し画像

揚水機場の個別案件

 岩手県二戸市に当社製のポンプが収められている機場があるそうだ。僕は直接その現場を訪れたことはないが、別の担当が毎年揚水期に点検に向かっているので存在は把握していた。
 その担当から話しを聞くとかなり特殊な設備らしい。片吸込みの陸上ポンプで吸込み管と吐出管の位置が一直線でなくズレているので振動が凄いそうだ。その為モーターの振動を少しでも軽減する為に吸収材が入っているそうなのだが、使っていると摩耗するらしい。なので定期的な整備をしないと重故障が発生する恐れがあるそうだ。
 更には電動機の制御のためにタンクが備えられていてその中に水と塩化マグネシウムが混入されて貯蔵されているそうだ。要するにタンクの中に塩水が貯蔵されていて、塩水が電気を良く通す性質を利用した電動機の制御装置らしい。
 今は金属抵抗器やインバーターなんかの制御装置が制御盤に内蔵されているので、電気的に回転数を制御するが、このタンクでは塩化マグネシウムの濃度を調整して電動機の回転数を調整しているそうだ。
 かなりアナログな方法で制御しており、僕は他の現場でも見たことがない代物だ。
 
 先程記述した担当者はかなり高齢なので、少しずつ自分が抱えている現場の特性を伝えようとしているのかもしれない。
 将来的に引き継ぎされるとかなり混乱もするだろうなと思った。兎に角色々な人にアドバイスを乞うのと、自分で疑問点を追求する姿勢を忘れないようにして新たな知識として蓄えたいと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?