松本正美

大手個別指導塾、インターネット予備校で生徒サポートの仕事を経て、2013年に松島修楽館…

松本正美

大手個別指導塾、インターネット予備校で生徒サポートの仕事を経て、2013年に松島修楽館を開業。テストのための勉強だけではなく、「どんな夢でも、正しい努力によって叶えることができる」ということを子どもたちに伝えるため、根本的な「学ぶ力」を育むことを重視した指導を行っている。

最近の記事

【フリースクール】外部講師から見たフリースクールの問題点

約1年のフリースクールのお手伝いを通して、塾だけではできないような経験をたくさんしたことは今までのコラムでも書いてきた通りである。その経験の中には良いことだけではなかったものもある。 今回はその経験の中でも今後の問題点や課題について書いていきたいと思う。 私は外部講師としてフリースクールに携わっているので、運営や経営部分にはタッチできない。だが、今後、新しくフリースクールを立ち上げたい人や、フリースクールの運営に興味がある人にとって何かの参考になれば幸いだ。 1つ目は若

    • 【フリースクール】現場指導から見えた高校進学における課題

      私がフリースクールに指導に行くようになって、1年が経とうとしている。 1年前の冬、中学3年生の受験指導を中心に学習指導をしていた。しかし、同じ部屋に机を並べて勉強しているうちに、どの学年の子どもたちにも勉強を教えることになった。 毎朝必ず「勉強したくない!」「何で?」ーーこのやりとりから始まる。 勉強をしたくない理由や憂鬱になる理由はさまざまあるが、学習指導という観点からの理由は、学習内容がレベルに合っていないことだった。 be動詞も一般動詞も知らないのに「疑問詞を使っ

      • 子どもの夢や目標を応援するための私立高校選択のポイント

        実りの秋! すでに11月に入り、今年も残り2カ月。 しかし、私の住む福岡では連日の夏日で、まだまだ半袖で過ごすことができる日々が続いている。 季節は秋のような夏のような、変わった気候が続いているが、受験生の時間は刻一刻と過ぎている。秋の実力テストも終わり、期末テストが近づき、私立高校選びのシーズンが迫ってきた。 今回は、通常の私立高校選びの視点とは異なり、子どもたちが自らの明確な夢や目標を持っている場合の私立高校選択に焦点を当てたい。 一般的に、私立高校の選考基準は実力

        • 塾長から見た塾選びのポイント

          日本には梅雨という季節があったはず……。梅雨を通り越して猛暑の日本列島。 あまりの暑さに体がついて行けない今日この頃。そうは言っても、刻々と時は過ぎ、あっという間に受験の季節を迎える。受験が視野に入ってきた今時期に、「塾、どうしよう?」と、みなさん思うようだ。 そういうこともあり、最近、塾の選び方についてSNSを通じて個人相談が多い。「うちの塾に来てください」と言いたいところではあるが、物理的に通えない。一般的なアドバイスとなってしまうが、最適解になるようにお話している。

        【フリースクール】外部講師から見たフリースクールの問題点

          タブレットを使った定期テストの実施は誰トク?

          さかのぼること数カ月。時は受験シーズン真っただ中。 いつも情報交換をしている他塾の先生からメッセージが飛んで来た。 「3学期の定期テスト、タブレットで回答させるらしいです」と。 私の塾生が通っている中学ではテストのときにタブレットを使って回答させるところまではまだ進んでいない。 タブレットを使っての定期テストはどんな問題で、どのように実施されるのか、非常に興味深かった。ICT教育については、まだまだ問題点はあるが、私は賛成である。 文部科学省も と言っている。 **

          タブレットを使った定期テストの実施は誰トク?

          ブレンディッド・ラーニングの可能性を探る

          4月の桜が舞う頃、小学校では始業式が行われていた。私の自宅は小学校の裏にあるので、ベランダから校庭で遊ぶ子どもたちの姿がよく見える。もちろん声もよく聞こえてくる。 休校や学級閉鎖で友達と外で遊ぶ機会が少なくなっている子どもたちの元気な姿を遠目からでも見ると、心からホッとする。 始業式の日、いつもは体育館から聞こえてくる校歌がこの日は校庭から聞こえてきた。 密を避けるために、始業式が校庭で行われていたのだ。 「〇年○組××先生!」という声の後に子どもたちの拍手。 そして新

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          AIには書けない自分の強みをみつけよう

          新年も迎え、冬休みも終わり、新学期。あれよ、あれよという間に1月も後半となり、塾業界は大忙しな時期を迎えている。 私立の専願入試を皮切りに私立前期入試、公立推薦入試、公立一般入試と続く。その中でも今の時期は、私立専願、公立推薦入試、私立前期の対策にてんてこ舞いだ。 特に公立推薦入試は、自分がどうしてその高校に入学したいのか志願理由や自己PR文を書き、さらには面接対策も必要になる。 ***** 毎年、ほとんどの生徒が志願理由や自己PRを書けずに頭を悩ませている。学校で書

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          お母さんだって受験は戦争!~子どもと一緒に受験を乗り越えるために~

          今、我が家は2人受験生を抱えている。息子は浪人1年目、娘は高校3年生。娘は中学生のときから行きたかった大学に指定校推薦で合格し、悠々自適な毎日を過ごしている。親としては1つ肩の荷が下りた。 これで子育ても終わり! と言いたいところだが、もう一人、我が家には受験生がいる。しかも浪人生。しかも、ちょっと人とのコミュニケーションが苦手。そんな息子は今オンラインで受験指導を受けている。基本的な自学自習はできるタイプなのでオンラインでも問題なさそうだ。 息子の受験に関しては、高校受

          お母さんだって受験は戦争!~子どもと一緒に受験を乗り越えるために~

          想像力を持って道具は使おう

          先日、塾でテスト対策をしていると、ある生徒が「先生、印刷してほしい画像がある」というので、気安く「良いよ~ 先生のLINEに飛ばしておいて~~! あとで印刷するね!」と請け負っていた。 さてさて、印刷しようとファイルを見ると量が多い。これは良いとして、画像がすべてピンボケ。かろうじて書いてある文字が読める程度。 家で写メをしてきた画像と言うから、撮り直しをお願いすると。これが学校から送られてきた現物の画像で最初からピンボケだった……と。 しかも、今回生徒が印刷してほしい

          想像力を持って道具は使おう

          ぐるっと回って対面希望! コロナ禍の保護者と子供たちの本音

          夏休みは終われども、まだまだ暑い8月の終わり。私が住んでいる地域は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていた。生徒のクラスでも感染者が出て濃厚接触者になってしまったり、家族が感染して学校や塾に来られない生徒が多くいた。いよいよ身近に迫ってきたなと思っていた矢先、塾でも陽性者が出てしまった。家族間での感染とのことだった。幸いにも私は濃厚接触者にならず、塾は通常通り授業を行うことができた。 しかし、いつ私自身が濃厚接触者や感染者になってもおかしくない状況だった。私自身は健康

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          YUIMAALUな世界を築こう~クラゲ連合代表・山崎唯さんにインタビュー~

          先日、私と娘が『クラゲ連合』主催の「世界一ハードルの低いビーチクリーン」へ参加したことはここでもレポートをした通り。たった一粒のマイクロプラスチックでも良いから、拾ってくれたらOK!という、何とも気軽なSDGs。どんなに世界が叫ぼうとも、説き伏せようとも、行動がともなわなければ世界は変わらない。無理のない社会貢献のきっかけを与えてくれるクラゲ連合の活動について話を聞いてきた。 私が彼女たちの活動を支持する理由の1つとして「誰も悪者にしない」ということが挙げられる。前回のコラ

          YUIMAALUな世界を築こう~クラゲ連合代表・山崎唯さんにインタビュー~

          頭でっかちで何ができる? まずは楽しんで行動しよう!~SDGsを楽しむ~

          2015年に国連でSDGsが採択されてから6年。最近では17色のカラフルなパネルを街で見かけたり、胸にバッチをつけている人を見る機会が増えた。かなり社会に浸透してきていると感じる。もちろん個人個人または会社で、目標達成に向けて努力もしていると思う。 でもそれは、国連で決められたから? 周りの企業がしているから? 国が推奨しているから? 本当にいつも環境のこと、考えている? ゴールに向けて行動している? それは義務感から? 本当の善意から? たくさんの疑問符が付く。 学校の

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          オンラインライブ授業のファーストシーズンを終えて見えたこと

          昨年のコロナによる一斉休校中から続けてきたライブ授業2021のファーストシーズンが、7月17日で終わった。 今回は前回までと違い、福岡2塾、長崎平戸1塾、大分1塾、福岡のフリースクール1校をつなぐ大所帯で展開した。それまでは2塾、なおかつお互い自分の塾生が対象だったため、そもそものコミュニケーションが取れていた状態での授業であり、アフターフォローも特に問題なく進めることができていた。 しかし、今回はお互い初めましての生徒&講師。塾長同士のつながりがある塾やフリースクール対

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          オンライン授業が毒となる? リモート授業は免罪符にはなりません!

          先日、週末の密を避けて買い物をして帰ろうとしていたそのとき、「先生!!」と女の子の声が……。振り向くと卒業生とそのお母さんが私の後ろに立っていて、ビックリ。平日のこんな昼間になぜ?と聞くと「ずっと、学校行ってないよ。週1回だけ午前中にプリントをもらいに行くだけ。あとはずっとリモート。テストもなくなった」と返って来た。 彼女が進んだのは私立高校で人数が多い。コロナ感染が心配なのはわかるが、あまり学力が高くない学校の生徒でもあったので心配になり、思わず「勉強わかる?」と聞き返し

          オンライン授業が毒となる? リモート授業は免罪符にはなりません!

          福岡の授業を長崎・平戸へ! 教育からボーダーレスを目指して!

          桜が散り、緑がまぶしくなる5月までバタバタと塾生の受け入れや、今年から新しくなる教科書対応にとあっという間の新学期。今年から教科書が変わり、中学生が学ぶ学習内容が難化している。春期講習では多くの子供たちが新学期により良いスタートを切るために頑張って勉強をしてくれた。 その水面下で私たちは、去年1年間続けてきたライブ授業を塾がない地域の子供たちへ届ける準備をしていた。最初の地方ライブ授業は長崎の平戸に住む子供たちに決まった。まだまだ試作段階であるので、懇意にしている平戸の先生

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          「共通テストの科目にプログラミングが追加ですって!」と慌てているお母さんに一息ついてもらう話

          先日ニュースで、2025年度の共通テストから受験科目が再編されるということを知った。いままでのセンター試験でも小さい変更はいくつもあったようだったが、中でも新しい科目として「プログラミング」が追加されることに目がいった。私の年代では特に「プログラミングというのは理系の人が使う専門性の高いもの」という認識が強いからだ。私のような文系出身の一般人は、よっぽど好きでもない限り一生お目にかかることはないと思っていた。 だがこの数年、世界の流れが変わり、子供に小さいときからプログラミ

          「共通テストの科目にプログラミングが追加ですって!」と慌てているお母さんに一息ついてもらう話