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海外育児。子供の英語教育で一番大切にしていること

海外子育て中の私が英語教育で一番大切にしていること。

それは、

日本語の土台をしっかり作ること。です。


さらにいうと、


絵本の読み聞かせを通して
母語で考える力を養う

ということです。



海外で5年間子育てをする中で
どんな考えで子供と触れ合っているかを
詳しく書きます。

よろしければ最後までお付き合いください!


はじめに:我が家の英語事情


我が家は日本人の4人家族。

アメリカ在住歴、合計で約5年です。
子供は7歳と4歳です。

長男は2歳から5歳までアメリカで過ごしました。

6歳の1年間を日本で過ごし、
今はまたアメリカで暮らしています。

こどもたちは総じて日本語が達者。
英語はまぁまぁという感じです。

もしかすると
アメリカで子育てをするうえで
日本語が達者で
英語がまぁまぁだったら
危機感持ったほうがいいのでは?と感じる人もいるかもしれない。

だけど、私は、いい調子だな、と思っています。

息子の英語力は具体的にはこんな感じです。

2023年9月に再渡米して1年生として入学。
当時は、dogやcatくらいしか読めなかった息子。

なのに、10月末に先生と面談をした時に、
「この子は大丈夫」とやけにポジティブな評価をされました。

「この子は吸収が早い。」と言われました。

さすがアメリカ。ポジティブだな。と思ってやり過ごした面談でした。

しかし、実際に、結構いい感じなのです。
2024年1月現在。

これくらいの文章を一人で読めるようになりました。

毎日1冊音読するのが現地の小学校の宿題です




先生方の取り組みに感謝です。



では、(手前味噌ですが)
いい感じに英語力を伸ばしている息子とともに
これまで5年間、
どんなことに取り組んできたのか。

何を大切にしているのか。書いていきます。

リミテッドバイリンガルとは。

我が家は両親ともに日本人。

今後どんなにアメリカで暮らす時間が長くなっても
私たち両親が、家庭で話す言語が日本語である以上、
こどもたちの母語は日本語です。


以前、勝間和代さんが、ご自身のYouTubeで
こんなことを話されていました。

「早期の英語教育は危険」
「なぜなら、早期の英語教育をすればするほど、
幼児期に母国語の日本語に触れる時間が短くなるから。
すると、思考言語としての日本語力が育たない。」

勝間和代さんのYouTube 

こういった意見は、英語の幼児教育の反対意見として有名です。

実際に、母国語も英語などの第二言語も
どちらも年齢相応に習得できずに成長してしまう子供も存在します。

そしてそういう人を指す表現として、
リミテッドバイリンガル(またはセミバイリンガル)という言葉があります。

限られたバイリンガル。

リミットのないバイリンガルに育つためには
どんな取り組みが有用なのでしょうか。

バイリンガルの土台となる母国語の力を伸ばす


5年前、初めてのアメリカ駐在が決まったときのこと。

駐在帯同の経験者から、
「とにかく日本語で絵本の読み聞かせをがんばって」とアドバイスをいただきました。

その時に、こんな研究結果があると教えていただきました。

フランスからの移民の多く、
英語とフランス語がどちらも公用語として使われるカナダ。

そのカナダでの研究で
何十年も前に分かっていることとして

幼少期から母語である言語の基盤を
しっかりと築くことができた子供ほど
バイリンガルとして
もう一つの言語も習得もしやすくなる

のだそうです。

実際の論文を見つけることができず、ざっくりですみません。

さらに、2023年に渡米する前に受講した講座では
こんな話を伺いました。

10歳以降に渡米したほうが、英語の習得はスムーズになる。

その理由は、10歳までに母語が確立するから。
母語の基盤がしっかりとできている段階で第2言語を学ぶと
よりスムーズに習得できる。

一方で、10歳未満で渡米し、英語環境に身を置いた場合
日本語を忘れてしまったり
英語と日本語が混ざった言葉を話すようになってしまうことがあるから注意が必要


つまり、
母語である日本語力の土台がしっかりしているほど
第二外国語の習得がスムーズになる。

そして、日本語力を伸ばす方法として
読み聞かせが有用だと考えています。

その理由は、
日常の会話では使われない表現に出会うことができるから。

アメリカで暮らしていると、
たとえ両親が日本語で会話していても
子供たちが耳にする語彙は限られていると感じます。

絵本の中には、
私たちが当たり前に知っているけど
日常生活ではなかなか出くわさない表現や語彙がたくさん出てくるのです。

これが、子供たちの母語の力を伸ばすために欠かせないというわけです。

そんなわけで、我が家は
国語系のドリルとかひらがなの練習というのは
日本語補習校に入るまで、
ほぼやったことがありませんでした。

とにかく、絵本をたくさん読む。

それだけに集中して
楽しみながら取り組んできました。

母語で言葉のニュアンスを伝える。絵本を通じて雑談をする。


日本語の絵本の読み聞かせを続けている我が家。

読み聞かせをすることで伝えられるのは、
語彙だけではないなと最近、思います。

絵本は、雑談の幅広い話題を与えてくれるのです。

先日、児童書の”かいけつゾロリ”を
子供と読んでいたときのこと。

「ひもじい」という表現が出てきました。

この語彙をはじめて目にした息子は、
「どういう意味?」と私に聞いてきます。

私は、ひもじいについて
持ちうる語彙で説明。

すると息子は
ひもじいという単語とその意味だけでなく、
言葉のニュアンスも学ぶのです。

このニュアンス、というのが大切で。

たとえばひもじい、であれば
ただ、「おなかがすいた」というのとは違う
もっと切実である様子。
もの悲しいような情景。

さらにこんな雑談を続けます。

今の私たちの生活では
ひもじい思いをすることはないけれど
日本の戦時中は
それくらいつらい状況もあったこと。

今も戦争している国や恵まれない環境下では
この瞬間もひもじい思いをしてる人もいるんだよ。と。

こんな風に、言葉の意味だけではなく
ニュアンスや付随して思い浮かぶ事柄について雑談をします。

今、7歳・4歳の子供たちに、
絵本で出会った言葉を糸口に
雑談をしたり、
イメージと単語を結び付けた状態で語彙を増やすことを助ける。

これが、絵本の読み聞かせのさらなるメリットだと思っています。

会話をするために必要な知識を結び付ける力

英語を話すこと以前に
人と会話をするためには、知識が必要です。
語彙力や知識は母語、外国語を問わず、
会話の基礎になります。

しかし、知識だけでは、実のある会話は成立しません。

知識を結び付けて自分の気持ちを乗せて話す力。
考えて話す力こそ、子供に伝えたい語学力です。

例えば、飛行機に乗って行ける場所として知っている場所が
ディズニーリゾートと
ハワイと
日本だったとします。

「今は冬で寒いから、暖かいハワイに行きたいな。」と答えたり、
「おばあちゃんの誕生日がもうすぐだから日本に行ってお祝いしたい。」と答えたり。

そんな風に、自分の気持ちと、答えとなる単語(地名)を
結び付けることを大人は自然にしていると思うんです。

情報たっぷりの絵本の読み聞かせが
いずれこうした、物事を結び付けて自分の意見を伝える力になればと思っています。

目には見えない考える力を根気強く授ける

氷山の水面下には、
水上に見えるよりも
何倍もの大きさの氷山があるように

子供の頭の中に
知らなかった言葉、情景、様子をたくさん伝えて
少しずつ残していく。

それを通して、少しでも何かを考える機会を提供する。

それがいつか、新しいことを学んだり考えたりする時の
助けになると思うんです。

息子は5歳で日本に帰国した時
それまで教えたことのなかったひらがなを
1週間ですべて覚えました。

そして、英語の読み書きも
スムーズに習得している(ように見える。)

これらは、もしかすると
日本語での読み聞かせや会話を大切にし
たくさんの雑談を彼としてきたことが役立っているのかもしれない、と最近思ったりしています。
(もちろん、彼の努力があってのことですが!)

学校など家庭の外で使われる英語の力を
長い目で見て、しっかりと伸ばすために
じわりじわりと日本語の読み聞かせ(とそこからつながる雑談)を続けたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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