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「吟遊詩人の叫び」 ー 心の叫びとは? ー

深夜の2時間DTM:お題「心の叫びをイメージした曲」の参加曲。

うん、今回のお題もいつものとおり困った。
そりゃあ、自分自身の叫びたいことはいっぱいある。(本業が忙しいとか疲れたとか) でも、それを音楽でぶちまけるのはDTMerとして良くない。 それに自分に帰ってくるダメージが絶対ある。それも辛い。やっぱりリアルはだめだろう。

ということで、曲想に使えるような「心の叫び」というストーリーがないか考えてみる。 ぐるぐるぐる…

マンガならネタはいくらでもある。 ガンダムなんか心の叫びの宝庫だし、個人的にはMASTERキートンは良いセリフが多い。
映画にも良い叫びはいっぱいある。 STAR WARSでダースベイダーから「I'm your father」と言われたルーク・スカイウォーカーが「Noooooo!」と言うシーンは、まさに心からの叫びだ。

とはいえ、特定のマンガや映画を読んでいないとわからない「心の叫び」というのも、リスナーとしては面白くないだろう。

そもそも「心の叫び」とはなんだろうか。 やはり、ずっとずっと溜まりに溜まっている想いが凝縮されて、さいごに絞り出された本音中の本音。 心の奥底から伝えたいこと。 それを音楽で表現するというんだから、借り物のシーンでは良くないかもしれない。

伝えたい思いとは?

ふと情景が思い浮かんだ。
舞台は中世の街角。 老吟遊詩人が古い歌を歌い出す。

語るのはこの地の歴史や事件、そして変わりゆく世界のこと。 代々語り継いできた内容に自分の見てきたこと感じたことも加えて、次世代に向けて歌う。 語り口が熱を帯びてきた。 この動乱・混沌の世界に向き合って、思うことは多い。 そして歌は最後に叫びへと変わる。 そんな老吟遊詩人のイメージが浮かんできた。 よし、このイメージをもって作ってみよう。

浮遊感のあるピアノ高音のアルペジオから始める。 同じリフを繰り返して、そこに中低音のいろんなメロディを絡めていく。 感情を載せて。

アルペジオはわりと単調に流れていくので、メロディに続けて、少し違うコードもぶつけてみる。 音楽理論的にどうなのかはよくわからないが、濁らないし気持ちいいのでオッケー。

最初はピアノだけで作ろうかと思ったが、つい魔が差して(w)シンバルを入れた。 おおー緊張感が増して、かっこいい。 いっそこのままプログレッシブ・ロックにしてしまおう。 シンバルにも、ドラムにも感情を込める。 エレキベースも入れる。

こよなく敬愛する英国プログレッシブ・ロックバンド、Renaissanceのサウンドをイメージして、そこにシンセも混ぜて仕上げていく。

転調。 中低音を抜いてキラキラしたメロディを重ねる。 隠し味はグロッケン。 そして次第にドラムも入れてアグレッシブにする。 大声で叫ぶのではなく、心の叫びだ。 真正面から真剣勝負の緊張感。

最後にピアノ・アルペジオをテンポをおとして、少し余韻を残して終わる。 珍しくフェードアウト風。

気に入った点: クラシカル・プログレの風味がよく出せた。自分にしてはずいぶんアグレッシブに作れたこともあって「心の叫び」のイメージは少しは出せたと思う。

課題: 少し展開が単調かな。 Youtube版は少しメロディやドラムを差し替えてみた。 でも本当はもっと長くして、もっとドラマチックに展開したい。 時間があったらアレンジしてみようかな。

長文をお読みいただき、どうもありがとうございました。

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