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DDJ-1000に激突しました:ちょっと触ってみた編

当blogではアホのようにPCネタをバンバン量産しているので、「『a.k.a.』でついてる『DJ/VJ LogiQ』って誰がalso known asしてるんだ?」と思われそうでアレですが、こう見えて実はDJとかVJとかやってます。VJ(Visual Jockey:映像演出)に関しては例のE495でちょいちょいネタになっているのでアレですが、脚が悪い(右脚負傷で杖ついて歩いてます)にも関わらず、ブースに立ってDJやったりもしてます。最近はこんなご時世という事もあり、お客さんのいる現場よりも、VRやYoutube等での配信系DJがメインではありますが、左脚一本で60分立てれば勝ちでしょとかいうワケわかんない事を言いながら片足立ちで左脚を鍛え、プレイ中は完全に左脚だけで立って杖は使わずに。言うまでもありませんが、プレイ後は立っていられなくなるので、座ってお酒飲みながら他のDJのプレイを楽しんだり、「VJなら座ってやれるじゃん」とかまたワケわかんない事を言いながらVJも兼任したりとかしてます。

そんな私が、とっても久々に自宅用のDJ機材を更新しましたよってお話。今回は導入前~ほんとにちょっと触ってみた的内容です。

近年のDJ現場は「USBストレージでプレイする」のが主流に

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(これまで使用してきたDJデッキ「XDJ-Aero」)

これまで使用していたDJデッキは、このような一体型でコンパクトにまとめられている「XDJ-Aero」でした。新品時点でおよそ9万弱のデッキなのですが、一般的に家庭用機材として主流な「PCと接続してのDJプレイ(PCDJ)」では無く、本製品にUSBメモリ(電力的問題がなければ外付けのSSDやHDDでも)を挿し込んでしまえば、あとはスピーカーを繋ぐだけで単体で完結してDJプレイが出来てしまう、実はなかなか優秀な子。左右デッキ上部にある液晶では曲名表示等に日本語や一部記号も対応しており、同じXDJ系ながらCDも使えるというノリでドカンと出た「XDJ-R1」よりも、部分的に優劣はありながら総合的な使い勝手は非常に良いデッキでした。これらの型番にある「XDJシリーズ」に関しては原則的に「USB接続のストレージ」を使って、「単体で完結してDJプレイが可能」というシリーズとして出ており、この後に出たXDJ-RX、及び後継のRX2、全体を大型化してより現場機材としても使えるようにしたXDJ-RZ、逆に小型化したXDJ-RR等、シリーズ通して「左右にプラッタがあり、中央ミキサー上部に液晶ディスプレイを備えたオールインワンタイプ」となっています。大きさやパッド、ミキサー部のチャンネル数等の違いはあれど、パッと見た外観はどれも類似したシリーズです。PCと接続してコントローラとして使用可能ではあるものの、ウリとしては「PC不要で単体プレイが可能」なシリーズ。

単体でプレイが可能なだけでなく、「楽曲データを入れているUSBストレージに直接プレイの録音も可能」という事で、これまでCDJで推してきたPioneerDJの製品としては異例の人気シリーズとなり、また現場でも「CDを使ってのプレイ」から「USBストレージ、もしくはPCを繋いでのプレイ」に流れがシフトしてきた事もあり、主に現場機材向けとされるCDJ-850や同900、フラッグシップのCDJ-2000シリーズでも同様にUSBストレージを挿してのプレイが可能になっており、PioneerDJから公式の楽曲管理ツールとして「rekordbox」が公開されています。ここ最近DJを始めた方だと、逆に「CDをデッキに入れてプレイした経験なぞ無いわ」という方も多いんじゃないか、くらいの勢いで一気に置き換えが進み、ついにはXDJシリーズとしてプレイヤー単体のラインナップも登場しています。

パッと見た感じはCDJ-2000のように見えるのですが、こちらはCDドライブが搭載されておらず、USBストレージを使用する前提で、ミキサーと組み合わせて使うような現場設置向けの機材として販売されています。結果として、「現時点でCDJ-2000系を置いてあるハコでも、4chミキサーと組み合わせる時にはUSBストレージでのプレイとヴァイナルプレイ(ターンテーブルにレコード置くアレ)で使わせる」というお店も多く、何らかの機材トラブルで買い替えとなった際に、このXDJ系の単体プレイヤーを導入するお店もちょこちょこ聞きます。CDが使える機材であればプレイ音源の選択肢も広がるし、圧縮音源(MP3とか)に比べて音も良いし、というメリットはもちろんあって、万が一USBストレージがぶっ飛んでも、緊急用にCD持っていけばなんとかなるという場面もあったりするのですが、音質を考えてCDDA形式(いわゆる「音楽CD」の規格)で準備、あるいは買ってきたCDをそのまま使うとなると、CDバッグもそこそこの大きさになります。私が持ち歩いていたCDバッグは100枚だか120枚だか入るヤツなのですが、ガンガンCDぶっこんで持ち歩くとちょっとしたノートPCくらいの重さになることもあり、持っていける楽曲の制限になってしまう事も。言うまでもなく「そういう選曲やCD選びもDJの仕事」なのは当然なのですが、とりあえず「DJとは」的な話は置いておいて、楽曲の持ち運びや管理等(≒データハンドリング)の点でUSBストレージ等を使用したデジタルDJが主流になり、また音質の点でも「FLAC」というロスレス規格(圧縮はされるが、音質低下を起こさない「可逆圧縮」方式)にも対応している事で、いよいよCDとの差別化が難しくなっている状態ではあります。ヴァイナル(レコード)のような大幅な変化(プレイの見た目だったり、音だったり、プレイスタイルだったり)がある部分は需要が充分にあり、今でもヴァイナルでプレイされるDJは多くいるのですが、CDとなると上記したように「デジタルデータ」として考えた場合、あまりUSBストレージやPC接続との違いが無く、比較的アッサリ移行が進んだように思います。

私がDJを始めた頃はまだCDが主流ではあったものの、「MP3データを焼いたCD」だったり、「自宅ではPCDJ」だったりと、もう既にCDが三途の川に片足突っ込んだ状態でした。かくいう私もPCDJから入って、現場でCDでプレイするのにヒーコラしたりしてたのですが、時代は流れるものです。

そんな話はさておいて、自宅機材での配信DJで感じた「限界」

上記した通り、最初はPCDJから入った私でしたが、その後2014年にXDJ-Aeroを中古で購入、「箱はボコボコだが緩衝材と本体は美品」という、割と怖い買い物をしたなぁと今更ながら。だいたい6万くらいで購入し、以来ずーっと練習やミックス録音、配信などで活躍してもらいました。PCDJ用コントローラならもっと安価に購入出来たのですが、この時私がAeroを選んだ理由が「現場にUSBストレージ持っていく時、そのストレージがちゃんと読み込みできるかを確認したい」という理由。最近もここん所はあまり変わらないのですが、前述した「rekordbox」、色々とどうにも不安定で、専用ライブラリとして書き出す必要があるにも関わらず書き出しに失敗してもエラーログひとつ出ない、機材側で対応しているファイルシステムが限定されているにも関わらず、それ以外のファイルシステムのストレージでも普通に書き出しが終了出来てしまうそもそも書き出し時点でヘマするとデータがバケる、というあんまりな仕様で、どうにも信用がおけないソフトウェアだったりします。

そんな理由があったり、最初に使っていたPCDJの頃からも少しは上達してきて、現場で出演させて頂ける機会も増え、「こりゃパイオニアのシステムに慣れておいたほうが良さそうだ」という理由もあって、ステップアップも兼ねて導入。実際、かなりの確率で現場に置いてある機材がPioneerDJである事が多く、「ミキサーは別メーカーだけどもCDJはパイオニア」といった感じで、操作系として慣らしておくにはちょうど良いかな、と思ったりもしたのでした。

そんなXDJ-Aeroさんとかれこれ6年お付き合いをして、使える機能は一通り網羅した上で基本的な部分の練習をメインとして使用していたのですが、ここ最近の配信DJの際にどうしてもネガティブになってきた点がいくつか出てきていました。一番大きなのは「FX(エフェクト)の種類が少ない」という点で、iPadで動作させる事が出来るエフェクターアプリを使って外付けしたくらいには悩みどころでした。私のプレイスタイル……とまで仰々しくはないのですが、FXを多用する場面が増えてきていた状況で、Aeroが搭載しているFXが実質的に4つ(+フィルター)という事もあり、どうしても同じFXでプレイしてしまう事が多くなっていたりして。とはいえパラメータを変えればそれなりに雰囲気も変わる為、曲調や場面場面で色々なパラメータでのFXを何度もトライしたりはしていました。

その他にも、コンパクトサイズゆえにフェーダ類が短い、プラッタ(お皿)が小さい等、より精度を上げたプレイをしようとするとどうしても引っかかる部分があちこちに見られるようになり、「これはそろそろステップアップの時期なんだろう」となんとなーく考えていたりして。さすがに6年使い込んで練習しまくって、現場でもプレイをする機会を頂いたりすると、それなりに上達はしてくるようです。そんな中で見えたのがこれらの「機材側の限界」だったのでした。

XDJで行くか、DDJ(PCDJ)で行くか

そんなこんなで先だってノートPCも新調したという事もあり、再びPCDJでのプレイに戻った上で上位機種での練習をしても良いかな、と思い始めたのが6月か7月かそのくらい。ただ、「PCは絶対落ちるもの」という、PCヲタクなら必ず持っているであろう固定観念もあり、やっぱりXDJのような単体プレイが出来るシステムのほうが良いかなぁ、と悩みに悩んだ上で、「XDJ-RX2か、DDJ-800か」の2択まで絞り込みました。

お値段にして10万円の違いがある両者で、間にXDJ-RRという安価なオールインワンがある状態だったのですが、XDJ-RRだと全体がコンパクトな事もあって、やっぱりフェーダやプラッタ類が小さかったり、使用可能なFXも限られていたりした為、RRは除外して考えていました。そのFXに関しても、初期状態で既にRX2よりもDDJ-800のほうが多く、値段以外の点でもかなり悩みに悩んだ上で、ひとまず現状でPCDJ環境となる「rekordbox dj」の体験版を使用してノートPC側の負荷と安定動作の確認を実施。以前までのPCに比べて全体的にパワフルで、メモリも大量に積んでいた事もあり、PCDJでも凡そ安定してプレイする事が出来る、までは判明したので、「800行くかぁ……」とかなんとか考えながら、「札幌でDJ機材買うならここくらいしか無い」的なお店である「島村楽器 札幌パルコ店」にお邪魔した……のが運の尽きでした。

毎回恒例、失神しながら価格交渉して気づいたら手に(ry

そんなわけでお店で現物を見ながら、在庫状況を確認してもらった所、800は展示のみで後日入荷予定、「一応」と思って触りつつ確認してみた、上位モデルとなる「DDJ-1000」は「在庫アリ」との事。

販売価格の時点で5万円の開きがあるDDJ-800とDDJ-1000なのですが、機能面を含めた全体的な作りにも違いがあり、ミキサー部は4ch対応、プラッタはCDJと同等の感圧タイプ(他のDDJ系は静電気タイプ)、特にミキサー部分に関しては現場機材となるDJM-900系に非常に酷似したレイアウト、という事もあり、PCDJ用コントローラではあるものの「現場環境を可能な限り自宅で再現できる」というものでした。

とはいえ、4chなんて自宅じゃそうそう使わないし、多少小さくて2chミキサーでも全然充分だし、800待っても良いかなと思っていた所に妙なPOPを発見。

<DDJ-1000ご購入の方にはPioneerDJヘッドフォンプレゼント!>

で、そのPOPに載っていたヘッドフォンがこちらでした。

2万円もするヘッドフォンをポロッとつけてくるなし! はともかく、ヘッドフォンは既にお気に入りのものを使用中。もらった所で使う予定も無さそう……とこのあたりで意識を失いつつ、夢遊病の如く交渉開始。

私:「これ、ヘッドフォン無しでその分値引きって入ります?」
店員さん:「ちょいとお待ちを……まるまるは難しいですが、18000円くらいなら……」
私:「ってことは、13万と6000円……あと1000円くらいはイケちゃったり?」
店員さん:「そのくらいであれば……」
私:「んじゃそれで」

「んじゃそれで」じゃねぇよ800待つって言ってたのどこ行ったんだよ!

そんなわけでDDJ-1000になりました

……ハッ! 私は一体何を! ……みたいな茶番はもうどーでも良くて、結局DDJ-1000に激突しました。店頭在庫アリというのも大きく、そのままお持ち帰り。開封の儀だの何だのは面倒なのでやらないタイプなのと、今回はちょろっと触った程度の記事なので、いきなり設置状態から。

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(デッキ奥に15インチディスプレイを置いて目の前で選曲出来るように)

でっけぇの。すげぇでっけぇの。いや、わかっちゃいたんですがデカいです。どんくらいデカいかって、今まで使っていたXDJ-Aeroと並べた図がこちら。

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(若干高低差があるものの、だいたいこのくらいのサイズ感)

横幅はミキサーが広くなるので当然として、奥行きが圧倒的。そしてまたプラッタサイズ、フェーダーサイズとも現場機材のCDJ-2000系と同等となる、いわゆる「フルサイズ」。キー配置がちょこちょこCDJと違う部分や、「これでも頑張って小さくしようとしました」的キー配置があるのはともかく、とんでもねぇサイズアップになりました。むしろこんなちっさいサイズでオールインワンで単体完結型として動いてたXDJ-Aeroが却って凄いレベル。DDJ-1000はこのサイズから、さらにPCへ接続しないと使えないのです。パイオニアさんもジョークがお上手。

とりあえず動作チェックがてらテストプレイ、「そうそうこれ!」

そんなわけで、rekordbox dj側は既にスタンバイが出来ている状態だった為、DDJ-1000のドライバをインストールしてUSBケーブルで接続してあげれば、あとはちょこちょこと音声入出力周りを設定するだけで準備完了。DDJ-1000は「Hardware Unlock」対応のデッキで、rekordboxのバージョンが6以降であれば、対応デッキを接続するだけでPCDJモードが使用可能になります。非対応機器で使用する場合には月額980円のサブスクリプション(Ver.5は販売終了ながら、15000円程度の買い切り)という事もあって、そもそもDDJ-1000がrekordbox djでの使用を大前提にしているので、その辺はお得に使えます。まして今まで楽曲管理を全てrekordboxで行っていたので、それらライブラリを丸ごと全部使えるというのはなかなか便利。尚、製品にはバージョン5向けのライセンスキーが印字されたカードも同梱されているので、(リリース直後で安定性に難があるVer6を避けたくて)バージョン5で使用する際にも対応可能。

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(もっかい設置図)

デスクレイアウトの関係で、各種制御を行うノートPCがかなり離れた位置になってしまう為、手持ちに余っていた15インチディスプレイ(ノートPCから剥がしたバラックのアレ)をデッキ上部に配置し、そちらにプレイリスト含め表示を移動させる事で、XDJシリーズに近いレイアウトで操作が出来るようにしました。

実際のテストプレイをしていると、「そうそう! こんな感じ!」と思える操作感。なにせ現場機材とほとんど同じレイアウト、機能面もかなり類似している為、今まではナチュラルに繋いだミックスプレイをしつつ「現場機材ならここでこのFX当てられるから……」といった妄想で補完して、現場でのプレイに挑んでいたのですが、それらの操作がほぼ全て自宅で再現出来るようになりました。左右デッキはそれぞれ1/3、2/4とボタンスイッチングで切り替えることが出来る為、4chミキサー全てを使っての4deckプレイも可能といえば可能。まずやらないと思いますが、今後さらにCDJやターンテーブルを追加で導入すれば、リアル4deckでのプレイが可能になります。そこまですんなら現場向けの単体型で揃えれPC落ちるの怖いし

プラッタ中央にある液晶ディスプレイも「こんなんいらねぇわ」と思っていたのですが、残時間タイマーが表示できるのは思いの外便利でした。CDJやXDJ系の場合はそれぞれデッキ上部にある液晶画面で確認していた部分ですが、ここはPCDJ向けのDDJならではの工夫なのかなと。

PCDJらしく細かな設定はPC側で、その辺はまた後日

というわけで、どういうわけか勢い余って前転宙返り3回くらいの勢いで導入してしまったDDJ-1000、さすがにこのクラスを一度入れておけば、それこそ5年以上は戦えるだろうなぁと思いつつ、現場向けの練習の他にもYoutube等での配信、VR機材を併用してのアバターDJといったコンテンツでも、よりバリエーションの広いプレイが出来るようになりました。目指すはVRDJの先駆者たるDJ Sharpnelさんのような、映像的にもスタイリッシュなコンテンツ。頑張ります。

というわけで、今回はこの辺で。次回はrekordbox側の設定関連や、アバターDJとしてのプレイ環境等を追々ご紹介していく予定です。また設定か。また設定なんです。

ではでは。

2020/08/18追記:プレイテストしてみました(Youtube動画)

こんなんでました。

すごくサラッと記事にしてますが、勢い一本で13万ぶっ飛んだのでお財布事情がかなりヤバいです。Amazonギフト券やnoteでのサポート、Youtube動画でのドネーションなど、ドシドシお待ちしています。ご支援頂いた分以上に面白いコンテンツや参考になる記事、頑張って書きます。