『残りの雪』立原正秋

自己啓発本のなかに「モテ」なるジャンルができてから、いよいよ日本人男性は絶望的になった氣がする。海外にでればその傾向に拍車がかかり、よく現地の方に「あの日本人は何をしているんだ?」と聞かれた。大概は海外出張中のサラリーマンで、本人からしたら異国の地でたたずんでいるだけなのだろうが、まわりからはそうは見えない。

そんなときにふと、この本のなかにでてくる紙屋の坂西をそっと教えたくなった時期があった。いわゆるモテ男ではないだろうが、まあ慥かな男なのだ。まだ古書として比較的容易にもとめられるので、ぜひ手にとっていただきたい一冊である。

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