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政府が出した補助金制度でフリーランスのぼくが使えるのはどれだ。そして、なんで政府は現金一律支給しないんだろう?

来月生きるお金がないんだ!国が何もしてくれないんだ!外国では一律に数十万配ってるのに!お肉券て!マスク2枚て!

その気持ちは大事だよ。みんなそれぞれ自分の1票を大事にして、投票には行こう。
さて、政府が一律に給付しないことはめちゃくちゃに批判がある。
でも何もしてないは確実に違うだろと僕は思った。でも、政府はこんなことしてるよ!はいえなかった。

じゃあなにをしてるんだろう?
 

ぼくはフリーランスでダンスを教えたり、振付けしたり、舞台を作ったりして生計を立てている。知り合いもフリーランスが圧倒的に多いし、ぼくもめちゃくちゃ厳しい状況のうちのひとりだ。できるだけ早くお金が振り込まれたら助かる人の気持ちは痛いほどわかる。
でもここは、「政府はいま実際どんな補助をだしているのか?」というのと、「なぜ一律給付をしぶっているのか?」という感じで調べてみた。

※自民党を擁護しているように聞こえるだろうけど、つまり自分でちゃんと調べないと批判したくないだけだ。

感想は・・・めっちゃ色々やってるんだけど、よくいえばきめ細かい、悪くいえばいろいろわかれまくっててめちゃくちゃわかりづらい。わかりやすくまとめてくれてるサイトとかもあるので、その辺を参考にしてみたけど、これは、自分で調べて使う気持ちのないひと、長くて堅い文章を読む気のないひとには届かないやつだな、というのはすごく感じた。

まず会見で安倍さんがいってたのは、「雇用の継続が大事だと思うからそこに力を入れる」「一律ではなく、より苦しい人に多くお金がいくようにする」だ。
震災の時の経験などふまえ、いろいろ話し合ったり調整をして今そういう方向性らしい。

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
これにだいたい書いてあるんだけど、たぶん読む気失せたよね。笑
いろんなのが多すぎて逆に自分に該当するのを見つけるのが大変だ。

主なのを紹介してみる。

まず雇用調整助成金。(上のpdf26ページだ)これは結構すごい。
事業者(企業)向けで、コロナによって従業員を休業させても、クビにしないで雇用し続ければその人が休んだ分の給料の最大で90%は補償しますよってやつだ。

4月1日から条件とかもゆるくなって金額もあがった。
これがあれば、安心して休業して従業員を休ませ、社長は従業員に給料を払うことができる。
アルバイトだって対象だ。だからこれを使って、例えばダンススタジオが営業停止したら、そこで休んだ分の給料はちゃんと払えるようになるってことだ。
(雇われの僕たちに直接お金が入る政策ではない。でも、これを知らずに営業してる事業者は多いんじゃないか。そういう会社の従業員は、会社が休業しないので働かざるを得なくなってしまう。でもこれを従業員が知ってれば、こういうのあるよって上司に訴えることはできるんじゃないかと思った。)

つぎに無利子無担保の融資(pdf6ページとか)
いろんな条件によって(事業計画書とかを出して)その条件によってお金を貸しますよ、まじでやばい人は実質無利子無担保で借りられるようにいろいろ制度を作ったよってことだ。
給料はいいとして、他にも家賃とか、いろんな固定費が事業者はかかる。そういう資金とか、他なんでも、これでつないでくださいっていうやつだ。
(この辺もぼくは関係ないけど、今事業計画書とか立てらんないよっていう中小の社長のひとは多いんじゃないだろうか。お金を借りても数年後に返せるかどうかなんて今わからないと思うけど、きっと今先行きのわからない社長さんたちは必死に考えてるんだと思う。)

えーとここまでを見ればわかるけど、基本的には国→個人、ではなく国→企業に向けたやつが最初に走って、その企業が→個人で従業員を救ってください、という感じなんだなと思った。雇用を預かってる社長さんたちは、20万給付されたところで意味がない。これらの制度は20万とかじゃなく億単位で貸せるようになってる。だから、やばい業界の雇用を守ろう、という方向性はこういうことなのかーと思った。
そこからいろんなの補助やよくわからんお願いみたいなのが続いて、(てかこういうのどれくらいみんなを救っているのかはすごく気になる。)

ではではぼくも使えるフリーランス向け、個人向けはどれだと思ったときに、

個人向け緊急小口資金というのがあった。(pdf29ページ)
別紙がこれかな?
https://www.mhlw.go.jp/content/000613522.pdf
休業の場合、誰でも20万
失業の場合、単身なら毎月15万で二人以上世帯なら毎月20万、無利子で生活資金を借りられるやつだ。

返す段になったときになお給料の減少が続いてる場合は、相談して返済免除もありえるらしい。
最悪返せない場合は実質給付と同じだ。
借りて、時間が経ってもまだたちゆかないときに、どれくらい親身に相談に乗ってくれるかはわからないけど…これでとりあえず、いま生きることはできる。

これは貸付だから、給付はないかというと、給付は急な学校休校でこどものために休業せざるを得なかった人だけらしい。(pdf27、28ページ)
とりあえず会社に入っている人で、学校休校により休んだ分のお金は一日8330円支給される。これも事業者に支給されるので、会社員はその会社から受け取ることになる。休ませた会社は安心なわけだ。
これがフリーランスのひとだと4100円になる。これは、なぜフリーランスは安いのかと相当批判がでてたのを覚えている。
https://www.businessinsider.jp/amp/post-209298
https://www.google.co.jp/amp/s/www.businessinsider.jp/amp/post-209298
このサイトによると妥当な制定額らしいが、ぼくは安く感じる。いやでもたぶん、ぼくの稼ぎを日給にしてみると・・・まぁこの辺は、妥当な額を決めるのは難しいだろう。

ここまで調べて、
つまり、雇用されていないフリーランスで、学校休校に関係ないぼくは、頑張って6ページのやつか、29ページのやつしか使えないということだ。

ここで思うことをいくつか書いていく。

まず一点め。
やっぱ現金給付欲しい!!!だよね。将来、必ずしも返さなくてもいいなどと言われても、やっぱりお金を借りるのは心理的抵抗がある。
そこで、「なぜ政府は現金一律給付をしぶっているのか?」だ。
欧米諸国のように、現金支給をすれば!いま困窮している切迫した状況の人は間違いなく安心する。例えばぼくのような、相対的貧困の下の方にいる弱小フリーターはホッと胸をなでおろすだろう。
国民の支持も得そうじゃないか?それをしない理由はなんだろう?
NewsPicsのWEEKLY OCHIAIというネット番組で言われていたことになるほどと思ったので参考にまとめてみる。
https://newspicks.com/live-movie/627/?invoker=np_urlshare_uid3250103&utm_source=newspicks&utm_campaign=np_urlshare&utm_medium=urlshare
ソースはその動画(月額かかる)、としかいえないが…

まず、日本は相対的貧困率が先進国でワースト2位と言われている。
https://toyokeizai.net/articles/amp/221708?display=b&amp_event=read-body
(相対的貧困について興味のあるひとはこの記事をスタートにいろいろ調べて欲しい。これもめちゃくちゃ大変な社会問題だ。)
つまり格差のはなしで、お金持ちとそうじゃない人の差がめっちゃ日本は広がっているということだ。ちなみに1位はアメリカ。
日本は先進国の中でも結構ひどい格差社会だ、というのがまずひとつ。
さらにその番組で言われていたことは、日本は世界と比べて「預貯金を持ってる人が多い」ということだ。預貯金のないひとは全体の15パーセントらしい。つまり、切迫したひとの割合が他国より少なく、格差が広がってるゆえに切迫してない人に富裕層が多いから、一律にお金を配るのは非効率である、切迫したひとだけに多くお金がいくようにすべきだ、ということらしい。たしかに納得だ。とはいってももちろん来月のごはんがやばいというひとはいて、そういうひとはもちろん将来の見通しも不安だからお金なんてかんたんに借りようと思えない。政府からの政策であっても。

「助けるべきいま苦しんでる人」に素早く手厚く支援するにはどうすればいいか?
そこが議論されてるところで、「とりあえず一律現金給付して確定申告で調整すればいい」とか「前年の確定申告をもとに決めよう」とか言われてたり、政府は「とりあえず法的にいろいろややこしい処理をしなきゃで3ヶ月くらいはかかるから得策ではない」という人がいたり、じゃあ法改正しろ!とか、出し渋ってるだけだろ!とかいう人もいたりだ。
迅速に現金給付が、日本の制度、法律で可能なのかどうかは、調べてもぼくにはわからなかった。
まっすぐに批判や議論がされるべきところだと思う。
政府はケチだから金を配らないんだ!という論は、ぼくは違うと思う。単純すぎる計算だが、いまの人口1億2000万人に、一人当たり20万配ったとすると、24兆円になる。60兆円を超える規模の支援政策を!と安倍さんが会見で言っていて、そこから24兆円を出すとなると、「それが効果的だ」と断定できないとなかなか踏み切れない。もちろん慎重になるだろう。

とはいえ、つまりは「いま困っているひと」がいま使えるものは月15万とか20万の貸付しかないわけで、まぁ無利子ではあるがお金を借りるのは結構心理ハードルが高い。
番組でも、この人たち(ぼくもそう)へのフォローは大切だと言っていた。ぼくは若干情けなくなるのだが、4月はイントラ業を休んでいるし、自主公演を無期限延期にして、ほかの仕事も全てなくなった。必死に感染拡大防止に努めている。給付が欲しいのは正直なところだ。ただ、もうたちゆかなくなったら貸付制度を使おうとおもう。

2点め。
pdfみてみただろうか?すげーーみづらくない?ぼくも調べて、理解するのに時間がかかったページもあるし、この情報にたどりつくのも時間がかかった。
でも、、それは、ぼくが最近わかりやすく読みやすい言葉ばかりみていたから、何もしなくてもやってくる情報ばかりみているからだなと反省したんだ。
ぼくは昔から調べものがうまくない。それも自分のせいだと思った。
むずかしい話をわかりやすくしてくれる人、すごい素敵だよね。でもむずかしい問題に今も立ち向かってる人たちは、その日々をむずかしいことばで生きている。かんたんに直した言葉というのは誤解をまねきやすいし、かんたんすぎていろんな側面を含められないからだと思う。数学とかもそうだけど、何かを定義するときにやたら難しいことばを並べるよね。それは、わかりやすさじゃなくて、正確性を大事にしている世界のひとたちだからだ。僕なんか、娯楽が大好きだし、のほほんと生きているから、わかりやすく伝えてくれるものにすごく惹かれてしまう。それが正義だと思ってしまう。
(ちなみにこの文はわかりやすく書こうとしてる。あと、漢字も多くない文章にしている。ライターさんたちはこういう感じでいろんな読みやすい工夫をしているっているのを、なにかで読んだからマネしている。そういうことだ)
最近では、クラスターとかロックダウンとかオーバーシュートとかいう専門用語も増えてきた。そんな専門用語ばかり使うなんて人にわからせようとする気がない、という批判をみてぼくは悲しくなった。ぼくが読んだ厚生労働省のとあるページは、固い文章だったけど例えばオーバーシュート(感染が爆発的に増加すること、以下オーバーシュートと記す)とまで書いてあったからだ。
たとえばジャズダンサーはシェネのことを回りながら移動する技、といちいち人に説明するか?グルーヴという言葉は?ユニゾンを全員同じダンス、なんて言うか?てことだ。ある畑の人たちは、その畑の言葉を使う。僕たちがとるべき姿勢は、「ぼくにわかるように説明してくださーーいじゃないとわかんなーい」じゃなくて「あなたの言葉がわかるように勉強します」だと思うんだ。もしダンス作品を作ってて、はじめて踊る人が「シェネとかわかんないから、回転移動って言葉に変えてくださいよー」とかいってきたら笑いながらそいつに向かってアクセルターン体当たりするとおもう。とまぁ冗談は置いといて、ぼくはそういった反省をした。早めにその反省をしたから、省庁がだす堅っ苦しい文章を、日々頑張って読むことにした。まるで日本製品の取扱い説明書みたいな文章だ。誤解がないように、あとから批判がないように、全部を網羅しようとして伝わりづらくなっている。でも、わかりづらい、と感じるのは、ぼくの責任だとぼくは思っている。要点だけズバ!みたいなものばかり摂取してたるんだ、身体を直すいい機会かもしれない。

3点め。
上に関連するが、SNSを見ていても、もーーとにかくわかりやすいものがバズる傾向にある。キャッチーなもの、求心力のあるもの、ならまだいいが言ってしまえば「脳を使わずに良いと思えて自然といいねに手が伸びるもの」が拡散されやすいのだろうかと思ってしまう。
それがマジで深刻だなと思ったのが、お肉券バズり、マスク2枚配布の記事のバズりだった。
お肉券は畜産業への経済政策の一貫だが、「お金は配らないがお肉券を配る政府」という感じでめちゃめちゃ炎上した。
マスク2枚も、同じように。
この二つは「マスコミがいろいろな政策の一部を切り取って記事にした」ものだ。
もちろん納得のいく意見もあって「こういう政策がある時点でおかしい」とか、「畜産業の利権がらみの黒い政策だ」とか、その”利権”がどういう風に絡んでるのかの実態はぼくは知る由もなく、でもたしかにいう通り、政府内では黒ーいお金の流れや意思決定があるのだろうと想像するが、それは、政府だけじゃなくて民間にもあることだから、ぼくは「人間はそういう業を種族として抱えている」と思っている。当たり前だが政府はクリーンであるべきで、森友の件とかぼくも最悪だと思ったし、常に正当な批判にさらされるべきなのは言わずもがな。
ぼくが悲しいのは、「えー!お金の代わりにマスク2枚だけ!?」と思わされ、リンク記事すら読まずに2秒後にはさらにSNSに書いてしまうひとたちだ。
マスク2枚だけなんて、その記事見た瞬間に「マスコミが一部を切り取ってるな」と思ったけど、たくさんの人が批判した。マスコミが「マスク2枚だけ配るよー」というあまりにひどい政策を見て国民が食いつくだろうと思いそこを記事にし、まんまとぼくたちはSNSを燃やしたわけだ。あの記事は政府のマスクに対する政策をいろいろ発表したもので、国内生産数の話や、医療現場にこれくらい届けますという話の中に、各世帯には洗って使えるマスクを支給、という話がくっついていただけだ。
もちろん、もちろん、その最後がおかしい!とぼくも思う。数億かけてこんなのは全くひとびとの不安を解消しないと思っている。ぼくの一票は、次に自民党に入れる気はない。でも、もはや面白おかしく画像をコラージュしたりとか、ちゃんと批判しようというより楽しんでいるようなものは違うと思う。せっかくの批評性を失う。ブラックにも品が必要だ。誰かを貶めたうさ晴らしが拡散されて、誰かを救いたい気持ちや役立つ情報は埋もれていく。
それは悲しい。
日本政府というのも「あべさんが全部決めてる」わけでも全くないし(首長として責任はあるけどね)政府っていうひとりの人格みたいに言われるけど(世間とかもそうだけど)たくさんの人が働いてる。黒ーいこともあるだろうけど、誠実な心もあるだろう。それこそ医療現場と同じように、スーパーで働くひとと同じように、厚生労働省で働いてる人たちとかも疲れ切った身体にムチ打って働いてる。こんな記事しか書いていない自分を思うと情けなく、ほんとうに感謝している。クラスター対策班とか固い文章のくせに読んでるとなんかギラギラしたものが伝わってくる。真剣さがすごいのだ。
SNSというのは、普段生きてたらあまり遭遇しないようなやばい人に遭遇してしまうやばいところだ。天国と地獄がマーブル模様だ。そこには、ただただいじめていい対象を探して楽しむためにやっているひとがいたり、自分の主張の為にいくらでも真実を捻じ曲げていいと思ってる人が、いる。(そういう人も、またいろんな理由があってだとわかっている)
つまり言いたいのは、「議論するならちゃんとしよ」だ。感情だけ論や中身の伴わないものや、攻撃的だったり汚いもの言いは、SNSという「もう一つの世界」をとてもよくない空気にする。やばい人たちだけでなくて、自分で情報を仕分けられず、手のひらで転がされるように感情を操作されるひと、脊髄反射のようにそれに手を出してしまうひと、みんながSNSを「石の投げ合い」にしてしまう。それをただ見ている人にも、実は結構しんどい影響がある。どうせなら「誠実なもの」を投げたいんだ。
これは自分への戒めにもとおもって書いている。ぼくだって、そういうことを気づかずしてしまっていると思う。
そして、ホントのとこはそういう人たちを、否定する気力もない。ぼくがSNSを見ないようにすればいいだけだ。
自分の嫌なものからは、自分の足で離れていくしかない。
自分の好きなものへは、自分の足で近づくしかない。

この話はまた長くなる・・・ので、今日はこんなとこで終わりにしよう。

今日のまとめは!お金がなくて生きられないってひと!
とりあえず、絶対に生きられはする。いまある制度を利用しよう。まずいまだ。
その上で、さらにどう生きるかは自分次第だ。

ぼくも生きる。生きるって大変だ。。

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