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野戦之月

今日は2年ぶりに『劇団 野戦之月』を観に行った。

国立市の公園でのテントであり、思えば2年か3年は見ていない気がする。
都内の気温は32℃であり、自宅(世田谷区)から矢川駅まで1時間なのだが、やはり暑い。
到着してみると会場の矢川上公園は涼しい風が吹いているので「あ、世田谷区よりは涼しいな」と思った。

で、会場内へ。

受付に「翠 羅臼」氏がいた。
意味もなく騒いでいた(私は翠 羅臼氏が嫌いなんだけども)。

到着が遅かったので前の席が埋まっていたので後方へ。

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だが、暑いのなんのって!!!
汗が止まらない。

前の席の人が扇子を持ってきていたが「俺もそうすれば良かった・・・」と思ったほど。
テントは羅紗のようなモノを使って風通しを良くしているのだが、人が密集しているので暑い。

で、開演。

出来は素晴らしかったと思う。
今回は戯曲が販売されたので買ったモンな。

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桜井大造氏の『劇詩人』っぷりは健在。
美しい詩なのか、台詞なのか、判断に苦しむ珠玉の言葉で埋め尽くされていた。
主演女優の『ばらちづこ』さんは今回も最高。
『ばらちづこ』さんが台詞を話し始めると、何もかもが目の前の出来事のようにも思えてくる。

出演者は森美音子、ばらちづこ、桜井大造、リョウセイヨー龍を除けば総入れ替えに近い。
何となく劇団が『若手劇団』みたいになっていた。

ただ、幾つか難点はある。

桜井さんは戯曲を仕上げるのが速い人なんだけども、テーマがとっ散らかってしまっていて、話が纏まらない。
キャスティング・ミスとも思える演出の悪さ、と言うのは感じられる。
キャスティング・ミスの為か全体的にノッペリとした会話劇になってしまった感じもする。
ちょっと惜しかった。

チェーホフの『桜の園』みたいな群像劇に近いのだけども、チェーホフは野戦の月のスタイルには合わないし、よしんばやったとしても野戦の月って
①2人or3人が演じる
②一人が演じる
③2人or3人が演じる
①~③を繰り返して
④合唱
と言うスタイルなので群像劇が難しい気がする。

私が隠し撮りした此の時のシーンは最高だった。

(森美音子は最高だ)

こう言う骨のある役者が揃わないと桜井大造の詩は浮かび上がらない。
役者が育つ事を祈るばかりである。
だが、今回は若手ばかりだったが、期待できる役者ばかりなので来年はケツの穴に手突っ込まれて奥歯がガタガタ言う程、素晴らしい舞台になると思う。

まぁ、10発打って、10発ともホームランなんて言う作家はいないんだけども。
唐十郎ですら自分で「負けのほうが多い」と言っていた位だしな。
劇作家と言うモノはそう言うモンなんだと思う。

それでも野戦之月を観ることが出来て良かった、と思う。

何故、そう思うのか分からないんだけども珠玉の台詞と、詩がそう思わせたのかも知れない。

しかし、暑かった。
後半は私は暑さと脱水状態で朦朧として来ており、台詞を聞き取る事が困難になってきていた。
ペットボトルを持参している人が多かったのだが、私は何ももたずに来てしまった。
しかも通気性の悪いシャツで、しかも長袖である。

終わってから戯曲と機関紙を買って、アクエリアスのペットボトルを3本飲んだ。

観る方も、演じる方も、相当に体力がいる芝居だった。
それでも、観に行って良かった。

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