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【読む力と書く力】⑯読んで視える文を書く

見物の胸に訴える力が強いものは無駄がない。

谷崎潤一郎

プロと呼ばれる人は、無駄のない読みやすい文章を書く。
無駄はないが、「すきま」はある。
「すきま」をあえて入れることで、読み手が参加できる。

「すきま」のある文章には、「私」が少ない。
あえて、一歩引いて書いている。
「私が」「私が」と主張が強い文章は、うっとおしい。
「私が」「私が」と主張をされると、こっちがしらける。

書く時は、私が~で始めてもよい。
しかし、一通り書いてから「私が」を消してみる。
冷静になって、音読をしてみる。
音読はしないとダメ。

ゆっくりと読んでも耐えられる文章。それが、名文。
それには、無駄がない。静かな文章。そして、美しい。
(これは、谷崎潤一郎だからかもしれない)

文章のよさは、映像がないこと。
動画で知らされていない、文字だけの情報だからこそ
自分を挿入する「すきま」がある。
それぞれの脳内の映像は、似ているものがあっても同じものが1つもない。

「私が」のエピソードを絞ること。
そうすることで、読み手は日常を離れあなたを追体験しながら読み進めることができる。読み手はいつもカメラを覗いている。

読んで視える文章を書く。
そんな文を書いてみたい。



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