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【書く力】⑭五感から文章に

作家の西加奈子さんのインタビューを見た。
西さんは、自分が見た絵・場所・空気などを
自分が感じたこととして「文になおす」と言う。

文になおす。
文章として残すことで、人生にブックマークをつけること。
あの瞬間、自分の五感で感じ、心が揺れた所を。
文章を読み直し、自分で答え合わせをする。

西さんはいつも「生きていることはすごいこと」そういうメッセージをこめている。本気でそう思っている。「想い」がある。
その想いに共振するできごとがきっと彼女の周りに起きる。

私の人生のメッセージは何だろう?とふと考える。
「楽ちんに楽しく生きていこう」
「こどものえがおを見ていたい」
「日常をおもしろがろう」
「なにごともかわいいねって水に流せる自分になる」
「すべては自分の中にある」

いろいろ出てくる。
でも、そこまで強い「想い」になっているのだろうか。
案外、自分で自分のことってわからないものだ。

私も西さんのように自分が見た絵・場所・空気などを文になおしてみよう。
「想い」は細部に宿る。日常のいたるところに。
もし、私が日常を五感に結び付けるなら……。

二度見をしてしまうほど、釘付けになってしまった美人とすれ違った時。
「あっ、あの人キレ―♡服のセンスも素敵。」
(そうか、見た目が美しきものに人は反応しがちだ。駅にはこんなにも人が多いのになぜかあの人に目を奪われてしまった。)

マッサージをしてもらった時に嗅いだアロマの香りが心地よかった時。
「これ、いい匂い。癒されるぅ。」
(アロマに疎い私。この香りって何だろう?ジャスミン?へぇ。きっと明日には忘れそう。どっかにメモしなきゃ。)

うなぎを焼くにおいが漂ってきて、口の中がウナギ仕様になった時。
「やばーい!今すぐ食べたい。ひつまぶしが。」
(口はウナギを求めているのに、2500円のランチにギクッとなってしまう心の弱さ。結局感性よりもお金を優先してしまい後悔する。)

1990年代の音楽がスーパーでかかっていて思わず
「これ、懐かし~。」とつぶやき、高校時代が頭をめぐる。
(あの時、友だちが勧めてくれたグレイのアルバムを買ってみたけど、ごめん私、ジュディマリ派やったわ。)

目、鼻、口、耳など体でキャッチした情報と自分の経験と反応を描く。
これを、嘘で練り上げていくのが小説だ。いかにリアリティを出すか。
より詳細に。

世の中にある歌詞や物語や絵画などの作品の中の芸術性。
それらは、何かしらの「想い」に着地する。
その人の「想い」とみる人の「想い」が重なる。
そこには「感情」がある。
単純な好き嫌いだったり、ときめきだったり、
尊敬だったり、感謝だったり、思いやりだったり、
あえての厳しさだったり、守護だったり、それはいろいろと。

目を細かく日常をとらえる力。
それを伸ばすのが、書くことだ。
感性を鍛えるために、今日も書いてみよう。

明るい日差しに元気をもらいながら。
さぁ、頑張ろう。月曜日のスタートだ。


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