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【書く力】⑮落語のテンプレートから

お笑いを科学する。

古典落語には3つある。

古典落語の型を分析すると、
① はなし / 巧妙展開
② 怪談 / 予想外・不思議
③ 人情噺 / 感動・共感・人生

の3つに分かれる。

お話の中にGAPをつくる。最初と最後のGAPが落差。
そこがおもしろいのが落語。
おもしろさの中に含まれる、泣き・笑い・怒り・悲しみ。
感情の高低差で、飽きさせない工夫がある。
人をぐいっとひきつける。

聞いていて楽しい話は、波乱万丈物語。
これは、刺激が強いから。

他人の不幸は密の味

波乱万丈物語も因数分解してみよう。
① 平凡な日常からスタート
② 何らかのトラブル発生(伏線)
③ 次々とトラブルが続いていく
④ 緊迫状態から解決への入口へ
⑤ 意外な発見や笑いでスッキリさせ日常に戻る。

物語の展開のパターンもある。

4つのストーリー展開

話のネタも分類した。
・期待の逆転 
 例えば、スピード出世とか、スピード婚。または突然死とか。
・秘密の暴露
 例えば、芸能人のスキャンダルとか、殺人事件の真実、都市伝説系も。
・キャラクターの成長
 例えば、努力して受験合格とか、卒業、何らかの賞をとるとか。
・感動や転機
 例えば、宝くじが当たったり、プロポーズされたり、転職とか。

これは、創作の参考になる。さぁ、メモをとっておこう。
過去の私はそう思いノートに書いてあった。
出典がわからぬままに。
それでも、古典からエッセンスは頂けるはず。

私が知っている落語と言えば「じゅげむ」とか
「まんじゅうこわい」ぐらいだ。
保育園で何度も読んだけれど、素話でやるのは技術がいる。
子どもたちをお話に引き込んでいく話し方がある。
あの時は、話し方だと思い込んでいた。
実は、子どもを惹きこむのは物語の型にあったのかもしれない。

そう思って、読み返してみる。
そういう見方をやったことはなかった。
新しい視点だ。
読み聞かせじゃなくて、自分の学びのための読み返し。
1人で複数の登場人物を演じ分けながらの会話劇をしている。
何だか、テレビドラマの脚本だ。

あらゆる人が秘める欲や本能、欠点を笑いに変換することが落語の真骨頂。
そういう事を言っていたのが、立川談志らしい。ほぅ。
ダメだ。この人を追うと大衆心理から外れそうだ。
ただ、欠点を笑いに変換するっていうのは生きる知恵だ。
完璧主義を手放して、ラクに楽しく生きるために必要なこと。
ここには、共感できるぞ。もはや、落語はどこいった。

そういえば、とある女性経営者の方も言っていた。
人は、成功話よりも失敗話を聞きたがると。
他人の不幸は密の味という面もあるが、本当に知りたいのは違う。
聞き手である自分が同じ轍を踏みたくないからだ。
すでに、理想の位置にいるあなたに近づくために自分だけは失敗したくないから。人とは浅ましい生き物なのだ。
それでも、それすら分かっていてあえて笑いに変換して許す。
お前、かわいいなって。がんばってみろって。
これができるって……どんだけ、人としての器があるんだろうか。
かっこよすぎる。

いろいろな人の人生の波乱万丈物語を聞いてきた。
人がこの世に産まれ落ちてから、いつか死ぬ日までを生きる道とするならば、その生きる道はみんな平らではなかっただろう。
あの日々が、あの時の感情の乱れが、波乱万丈の核になる。
そう考えた時に、自分の人生を波乱万丈風に編集したくなった。

口から産まれてきた「なごやっこ和」です。今後もよろしくお願いします。


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