子どもの弱視に関する不安に寄り添いたい~このnoteをはじめる理由~
はじめまして。私自身は、軽度の弱視の娘を持つ母です。
この記事を書いている今、娘は4歳です。3歳4か月から弱視治療のために眼鏡生活をはじめ、1年が経とうとしています。
弱視にも色々種類はありますが、娘の場合は片目の視力が弱い『不同視弱視』になります。発覚当時、
・右目の視力が屈折異常(遠視、乱視)あり(裸眼視力0.3)
・左目は比較的正常に視力発達している(裸眼視力0.8)
・そのため両目で見るとある程度視力は出ており、裸眼で日常生活で困っていなかった
3歳児健診で弱視ということが発覚し、治療(=眼鏡を常用すること)を開始することになったわけですが…
弱視治療に関する体験談が少ない
その当時、親族や通っている保育園、ママ友や友人知人のお子さんなど、身近に眼鏡治療をしている子はおらず、これから先の生活がどんな風になるのか?全く想像がつきませんでした。
そんな中でも、少しでも情報を得ようとひたすらネットで検索する日々。
でも、3歳児健診の視力検査に関する記事は、山ほど体験談が出てくるのに、実際に眼鏡治療をしている子の記事はほとんど見つけられませんでした。割合が少ないのだから、当然と言えば当然です。でも、想像以上に少なかった。
眼科系の学会や小児眼科のサイトなど、医学的な視点から弱視とその治療法について書かれた記事などは出てくるのですが、
・眼鏡をすることで生活にどんな変化があるのか?
・園生活はどんな風になるのか?(同じ園や身近に眼鏡の子はいなかった)
・3歳児がある日突然眼鏡をかけろと言われ、きちんと守れるものなのか?
・遺伝の影響はあるのか?(我が家の場合、次女もいるため)
など、いわゆる経験者側からの情報発信が少ないことに不安を感じたのを覚えています。
なぜ子どもの弱視の情報は少ないのか
仮説1:割合が少ない
話は変わりますが、娘は乳・卵に対する食物アレルギーも持っており、そちらについても0歳代からずっと経過観察と治療を続けてきました。
アレルギーがわかった時も、ネットでひたすら検索をしたわけですが、こちらの方は山ほど治療体験記、ブログ、情報のまとまったサイトをいくつも見つけることが出来ました。
東京都が5年ごとに実施している『アレルギー疾患に関する3歳児全都調査』によれば、令和元年度の調査によると、3歳時点で約15%の子がなんらかの食物アレルギーを抱えているそうです。
3歳までに何らかのアレルギー疾患があると医師に診断された子供は38.1%
うち、食物アレルギーに罹患しているのは14.9%
出典:http://www.tokyo-eiken.go.jp/kj_kankyo/allergy/c_naiyou/3saichou2/
それに対し、小児の弱視割合は2~5%、50人に1人と言われている(※)ようです。絶対数が少ないことが、ブログなどの記事が少ない理由の一つとも言えます。
※子供の弱視割合については、検査項目や方法が統一されていないため、これまで複数の地域にまたがる正確な統計データはないそうですが、複数の小児専門眼科のサイトや、各種3歳児健診での視力検査の啓蒙記事に同様の数字の記載があるため、こちらの割合を採用しています。
仮説2:変化が少ない
これは実際に1年間眼鏡治療を続けてみての感覚でもありますが、「眼鏡治療は一度始めると、数年間、大きな変化がない」のも1つの理由なんじゃないかと思っています。
食物アレルギーの場合、
・保育園で給食を出してもらえないことがある。
・外食が難しいから、外出が億劫になる。旅行先の選択肢も限られる。
・誤食騒動
・食べたつもりはないのになぜか症状が出たけど、これはアレルギー反応なのか?と悩む。
・少量ずつ食べる練習を続けたら、食べられる量が増えてきた!
などなど。
大小様々な悩み・トラブルで悩む場面や、何がしかの変化が日常生活の中でも結構あります。食事は1日3回食べるので、そこに制限があることで常日頃意識せざるを得ませんし、1つ間違えると場合によっては死の危険があります。
一方、弱視の場合、治療と言っても基本的には、毎日ひたすら根気よく眼鏡をかけ続けることがメインです。月に1回の定期受診がありますが、視力の上がり具合を見る検査=経過観察が目的であり、そこで手術や特別な何かをすることはほぼありません。ちょっと1日眼鏡をかけ忘れても、命にはかかわりません。
日常生活も、慣れるまで・きちんと自分からかけてくれるようになるまでは結構大変ですが、慣れてしまえば普通と何ら変わらない生活。それゆえ、ブログなどのネタにはなりにくく、情報が少ないのかなーと感じています。
だからこそn=1の体験でも伝えたい
実際に我が家も、まだ1年間ですが娘の眼鏡生活に寄り添ってきた中で、大きなトラブルはなく、だんだんと当初の不安も薄れる中で、弱視について発信しよう!という気持ちを持つほどではありませんでした。
発信しようと思ったきっかけは、久しぶりに偶然会ったママ友でした。
娘が赤ちゃん時代によく遊んでいたけれど、育休が明けて復職後はたまにLINEしたりインスタで繋がっているだけでほとんど会っていなかったママ友。
彼女にばったり会う機会があったのですが、そのときに「〇〇ちゃん、眼鏡かけてるよね?実はうちの子も健診でひっかかって眼科にかかってて…」という話になりました。彼女の娘さんは、ひとまず眼鏡治療はせず、定期的に様子を見ていきましょう、という状態だそうですが、いざ眼鏡治療をするとなった場合にどんな感じなのか?と相談を受けました。
一生懸命に話を聞いてくる彼女の中に、何もわからず不安な気持ちを抱えた当時の自分の姿を見つけました。その不安に寄り添い、自分に出来ることは自分の経験を伝えることだと感じました。
彼女のように直接の知人であれば、会って話をして伝えることが出来ます。でもきっと世の中には、同じように周りに同じ境遇の人がいなくて不安を感じている人がいるかもしれない。そう思ってこのブログ(note)を始めました。
そのため、このnoteは、あくまでn=1の経験談になります。それでも、この経験談が、誰かの不安に寄り添うことが出来たら嬉しいなと思っています。
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