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子ども時代というプレゼント

現在、東京中野のuna camera livera にて、絵本「聞かせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?」の原画展を開催しています。おかげさまで盛況です。そして、11月20日の「世界こどもの日」。多くの方がSNSなどで絵本「きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?」を紹介して下さっていました。本当にありがとうございます!

この原画展も「世界子どもの日」に合わせて開催できたらいいなと思い、お店の方と準備してきました。「世界子ども日」は、子どもの権利時条約が国連で採択され、誕生した日です。毎年この日は、子どもの権利の認識向上や子どもの福祉の向上を目的として、世界中で子どもたちが主体となって参加する催しが行われています。私も絵本を作っていく過程でこのことを知ったのですが、遅ればせながら、今年の11月20日は自分なりに「子どもの権利条約」をより深める日にしたいなーと思い、2つのイベントに参加してみました。

一つ目は、原画展を企画してくださった「みんなのお菓子屋さん 月と田んぼ」のトミヤマチハルさんと原画展会場でのトークイベント。最初に私から絵本のメイキングのお話をさせて頂き、チハルさんからは絵本と出会った時の気持ちや、原画展をしようという想いに至った経緯を伺いました。その後は参加者の方たちと「子どもの権利」を様々な視点からじっくり語り合いました。1時間の予定でしたが、みなさんのお話がとても深くてどんどん引き込まれ、気がつけば2時間に。お一人おひとりのリアルな体験や、熱い思いに胸を打たれました。そして、待ったなしの現状にどうか関われるのか、何ができるかを皆さんと意見交換をしました。

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二つ目は、西八王子にあるスペースmilacleで「もっきんバー」というコミュニティバーをやっている大野のどかさん主催のオンラインイベント「子どもの権利条約を読んでみよう」です。条約を1人で読むのはなかな大変。でも、輪読してざっくばらんに話し、考えてみようという会です。この日は、ユニセフの「子どもの権利条約カードブック」を使いました。私も、絵本を作るにあたり何度も読んできたはずでしたが、あら不思議!新たな発見や疑問が出てくるのです。そして、それぞれ気になった条文を出し合って、あーかな?こーかな?どういう意味かな?何でだろうね?と、こちらも話は尽きず延長する盛り上がり。そして、最後に絵少し本の紹介もさせて頂きました。

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この日のイベントはどちらも10名前後の少人数でのイベントで、一人ひとりの顔や声がわかるアットホームな時間でした。参加者は子どもとの距離感もさまざま、年齢や現在やっていることもまったく違う人たちが集まりました。そして、なかには「子ども権利のことは、正直よくわからないけど参加してみました」という人や、10代の人がいたことも場をとても豊かにしてくれました。「権利」って難しそうに思えるけれど平らな言葉で話してみると、何だかとっても身近で面白いもの。みんなの共通点は、「子ども時代をしっていること!」。そして子ども時代がその後の生き方や、人生に大きな影響があるのだということを知っています。(子どもは現在進行形で「今」を精一杯生きていますね。)

そして「権利」というものにフォーカスポイントを合わせて眺めてみると、これまで仕方ない、当たり前と思っていたことが、本当にそうかな?という気づきがあります。生きていれば気持ちは勝手に湧いてくるもの。でも、やっぱり何か理由があります。そうして自分の気持ちをすこーし距離をとって眺めてみると、全部が全部自分のせいでもないし、誰かのせいでもない、こういう気持ちになるには社会の仕組みや、あり方が関わっているんじゃないか・・・と。気持ちは権利の目じるし!モヤモヤやイライラ、しょんぼりの先に自分の権利が守られていないことや、自分の権利と誰かの権利がぶつかっていることもあるからです。

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コロナ下、多くの人が自由が制限され、いろんな気持ちを抱えて過ごしました。それが一時的なことで済む人と、長きに渡り続く人がいる。コロナの前からしんどかった人たちは、より追い詰めらて皺寄せを受けています。この「差」は社会の問題であり、個人の努力や責任にされるのはおかしい。そして、この現状をなんとかしなくてはと日々具体的に動いている人たちがいます。誰かのため=自分のためでもあり、それは今を生きている全ての人の幸せと繋がります。子どもの権利を語る時、大人の私たちは「自分の権利」とも向き合っていくことになります。子どもの権利と大人の権利は対立しません。むしろ、小さな人たちと一緒により豊かで温かい社会を目指しすことを応援してくれます。

日本がこの条約に批准して今年で32年。しかし、その内容や役割は伝わってきません。イベントに参加してくれた10代の人が「子どもの権利なのに、私たち子どもにあまり知らされていないのが、なんだか悲しいなーと思いました。」という感想をくれました。うんうん、私自身も子ども頃に知りたかったのです。ですから、今の子どもたちには「今」プレゼントしたい。そして何より、誰かと「きもち」を語り合うそのはじまりになれたら嬉しいです!絵本を通じて、たくさんの出会いを頂いてます。

「子ども時代」というプレゼント。

どんなプレゼントがいいかな? 

どんな「子ども時代」を手渡しますか?

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