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出版記念原画展2  器としての場づくり(momo)

ここは、もしかして… パワースポット?!

出版記念原画展の会場である「すわハーモニーカフェ」。ここは東京都多摩市の多摩ニュータウンという、超高齢化で有名な団地のなかの「諏訪町商店街」の一角にある。建物は2階建になっていて、1階はキッチンとカフェスペース。2階は木がふんだんに使われたフリースペースになっている。どちらも、沖縄の赤土を使った素朴であたたかい雰囲気の壁だ。入口もトイレもバリアフリーだし、風通しがよい。階建には、子ども用と大人用の2本の手すりかついていたり、木のおもちゃや面白そうな本や商品も並ぶ。天井には、スクリーンやプロジェクターも供えられている。シンプルであたたかい空間だ。

そもそもここは、2年前に空き店舗だった場所を、保育園や学童保育を運営する社会福祉法人こばと会が「子どもの居場所」としてリノベーションした場所だ。運営は、すわハーモニークラブが委託されて担っている。カフェという名前ではあるが、さまざまなかたちで子どもや地域の人たちのために使われている。子育て広場、子ども食堂、寺子屋学習室、水彩画教室、もみほぐし、子ども向けプログラミング教室、映画上映会、地域のサークル活動、研修など、カフェ以外の日もスペースの貸し出してもいる。

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原画展はカフェの営業している、月・火・木・金曜日、11〜15時(LO.)にみて頂くことができる。ここでは、手間暇かけた美味しい創作ランチやスイーツが、お財布に優しい値段で提供されている。とはいえ、京王永山駅から大人の足で15分。駅近とはいえず、平日のみの営業なのに、なぜか赤ちゃんからお年寄りまで、本当にいろんな人が次々とやってくる。おかげさまで、私たちの絵本も週20冊ペースで売れている。なんなんだ、ここは…。そんな思いで、毎週通ってみて気がついたことがある。ここは、例えるならば器のような場所なのだと。気取らずシンプル、どんなものでも受け入れ、その良さを引き立てている。そりゃー、居心地いいわけだ。

器としての場づくり。簡単なようで、なかなか出来ないことだなーと思う。スタッフの皆さんの様子を観察してみる。普段は淡々としながら、必要ならば惜しみなく手を差し伸べ、つかず離れず見守っている。そんな姿を何度も目撃した。そして、私もまた同じことをしてもらった。んー、なんとも絶妙なバランス。この環境で、人が機嫌が悪くなるはずがない。見渡せば、みんな微笑んだり、リラックスして、のびのびしている。違いのある人たちが、ゆる〜く一緒にいる。それってすごいことだと思う。こういう場所が、もっと増えたらいいのになと思う。タクサン・ハヤクでなくていいし、ミンナイッショでなくてもいい。「なんとなく」「たまたま」「思いもよらず」が自然発生する場所。

ここにいるだけで、私は自分に足りないものをたくさん気づき、学んでいる。すわハーモニーカフェで、出版記念原画展をやるべくして、私はこの場に出会ったんだと思っている。

原画展も残すところ、あと4日。今週は何と出会うのだろう。

器の中で感じてみる。


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