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出版記念原画展3 「相談」ってむずかしい!?(momo)

「おつらいお立場、お察しします。」

むかーし、友人や家族に話してもどうにもならないことを抱えいた時、勇気を出してある電話相談に電話をしたことがある。上記は、その時に対応してくださった方に言われたひとこと。私のまとまらない長ーい話を聞いて、その人はやさしい声でそう言った。私はその時、肩の力が抜けて「何とかなるかも!」と思ったのを覚えている。正確にいうと状況は何も変わっていない。それでもそう思えたのは、私のモヤモヤした気持ちを理解しようとしてくれる人が、この世界にいるということが嬉しかったし、一緒に考えようとしてくれる気持ちが伝わってきたからだ。この人が電話に出てくれてよかった・・・。変わったのは、私の心持ちだった。

出版記念原画展である人に「ここにあるSOS相談に電話をしたらどうなるんですか?」という質問を頂いた。最初は、質問の意味がわからなかったのだが、よく話を聞いてみるとこういうことだった。「SOSに電話したらどうなるのか、子どもも大人も心配なんです。通報されるとか、親子が引き裂かれてしまうのではないか、自分の家の情報が市役所や学校など公の機関に共有されてしまうのではないか。そういうことは、ないんですよね?今は、子育てするときに社会から監視されているような気持ちにもなるんです。最近、SOSの情報を目にすることが増えたけど、連絡したら何をしてもらえるのか、どうなるかどこにも書いてないんです。」

私たちが見落としていたとても大事なことだと思った。「誰かに相談すればいいですよ」「信頼できる人に話してみてください」というのは簡単だ。でもその「相談すること」は、実は不安を伴い、とても勇気のいることなのだ。私は、障害福祉の現場で相談を受けている立場なのだが、「相談」は相談するまでが苦しいし、ハードルが高いなーと感じている。そういう私も電話相談に電話するのに何日も迷った。「こんなこと話していいのかな」「情けないなー」「自分が責められたらどうしよう」「私は、赤の他人に何を求めてるんだろう?」「うまく話せるかな?」などなど。

人がモヤモヤした気持ちを抱えたり、気掛かりなことが頭から離れない時、大概は自分が何に困ってるのかがはっきりとはわからないことが多い。または、その状況からうまく身動きが取れないたくさんの理由がある。そんな時、自分の中のとっ散らかった感情や、よくわからないモヤモヤや気掛かりなこと、そうなっている理由を、一つ一つ言葉にして(文章にして、絵にして)、誰かに一緒に眺めてもらうこと。それがいいとか、悪いとか、正しいとか、間違っているとかではなく、「今そういう気持ちなんだね」「あなたの中にいろんな気持ちや理由があるんだね」と。そうして、はじめて相談したいことや、本当はどうしたいのかが分かってきたりする。ある事柄を具体的に相談できたら、それは半分以上解決しているとも言える。しかし、困っている人が求めるのはもっと手前にあることなのではないかと思う。

気持ちに余裕がない時ほど、まとまらない話がとても大切なんじゃないかなーと思う。コロナ下は、物理的にも心情的にも 人との距離を感じてしまう。マスクで表情がわからないこともしんどい。こんな時だからこそ、いやそうでなくても、当たり前に気持ちの話ができる社会になるといいなーと思う。相談したいけど、うまく相談できない・・・そこには、いろんな気持ちがある。そして、そうなってるには理由(わけ)がある。それは、その人だけのせいじゃないはずで、社会の側がその人を受け入れる用意ができていないことも多いと感じている。先の方の質問に私はこう答えた。「緊急性が高く危険なケースでない限り、即通報されたり、情報がどこかと共有されることはないですよ。名乗らなくても大丈夫なんです。身近な人だからこそ、話せないこともあると思うんです。まとまらない気持ちのままで、話し相手が欲しいなというくらいの気持ちで掛けてみて下さい。」と。

監視されているのではなく、見守られていると思える社会にしたい。

そして、私を含める大人たちが抱える我慢を減らしたい。そして、子どもたちが小さな胸で抱えている重たいものを大人がちゃんと受け止められる社会にしたい。


そのために、絵本を役立てて頂けたらと願っています。

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10月2日(土)@すわハーモニーカフェでLIVE配信の様子。

長瀬さんが絵についていろいろ聞いてくれました。ゆっくり話を聞いてもらうのは、何だかとてもいいものです💕なくならないプレゼントもらったような嬉しい日。



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