「子どもの才能が輝く21世紀教育」イベントレポート①〜子どもが本当に変わる家庭教育とは?
こんにちは。
Kodomo Eduスタッフです。
先日行われたオンラインイベント
[ 子どもの才能が輝く21世紀の教育とは?〜親が知るべき10の新常識〜 ]は、好評のうちに幕を閉じました。皆さんご参加ありがとうございました!
※イベントは終了しています
視聴された方も、できなかった方も、改めて大事なポイントを、これから3回に渡ってダイジェストでお伝えしたいと思います。
まずは、第1部【子どもが本当に変わる家庭教育〜レッジョ・アプローチ流】です。
Kodomo Eduの代表、上田佳美とアレッサンドラ・ミラーニ先生の対談です。
イタリア出身のアレッサンドラ先生は、『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』(文藝春秋)の著者であり、日本でレッジョ・アプローチを広めた第一人者でもあります。現在は、日本のインターナショナルプレスクールでレッジョ・アプローチを取り入れた指導を実践中です。
レッジョ・アプローチを知ろう!
レッジョ・アプローチとは、モンテッソーリ同様にイタリアで生まれた教育理論ですが、日本ではまだ知らない人も多いかもしれません。Kodomo Edu代表の上田の記事を日々見ていただいている方にはきっと身近に思っていただけてると思いますが、今回はセミナーを通じてもっと分かりやすく、上田からご紹介しました。
レッジョ・アプローチに対する誤解を直そう! by 上田佳美
レッジョ・アプローチが知られるようになってきましたが、まだまだ具体的な内容は理解されていない部分が多々あります。そこで、レッジョ・アプローチに持たれる誤解をといていきましょう。
誤解1.アート作品を作る?
実は、アートだけでなく、エンジニアリングやリテラシー、算数的要素も入ってくるのがレッジョ・アプローチ。アートだけでなく読解的要素、算数的要素、STEAM的要素も加わったプロジェクト型学習の幼児向けカリキュラムなのです。
そして、基本的には子どもの興味からプロジェクトが進み、子どものその時々の興味関心に合わせて先生たちが一緒に学びをデザインしていきます。
勉強的な要素だけでなく、環境、チームワーク、協力、身体的成長なども盛り込まれています。
レッジョには、
・幼児のためのプロジェクト学習
・STEAM
・ライフスキル × 創造的思考力
が盛り込まれています。
誤解2.レッジョは放任?
自由に創作できるのがレッジョと思われる方もいるようですが、そうではありません。各自がただ好き勝手に行うのではなく、クラスみんなで話し合って、どうやったら進めていけるか常に話し合っていくので、ルールも自分たちで決めていきます。そうしたことを通して、様々な力を身に着けていけるのです。
レッジョで身につけられる力はこちらです。
こうした力を幼児期から育むからこそ、そのときだけ「楽しい」ということで終わるのではなく、一生続く子ども自身の力になっていきます。
「子どもが変わる家庭教育」 Withアレッサンドラ先生
さて、後半はアレッサンドラ先生とオンラインでつなぎ、「子どもが変わる家庭教育」について語りました。
「教育は進化し続けています。その中でも子どもたちが自信を持って社会に飛び込み、そして社会に変化をもたらすことのできる“責任感のある市民(resposible citizen)”に育てることは重要なことです。子どもにとって良い家庭環境をつくることを学べる機会は素晴らしいですね。
子どもたちが人生で成功するのは学歴や学校に合格するかではなく、仕事仲間や家族、友達とどう関係を作り、幸せに生きていけるかです」とメッセージ。アレッサンドラ先生のお話が始まりました。
1.クリエイティビティ(創造力)とクリティカルシンキング(批判的思考)の重要性とは?
これからの社会に必要な力と言われるのが「21世紀スキル」。そのなかでも、「クリエイティビティ(創造力)」と「クリティカルシンキング(批判的思考)」の2つは上位に入る重要なスキルです。こうしたスキルは、学校だけで学ぶものではなく、日々の生活全てが関わり、人生を通して大きな意味があるスキルなのです。
<クリティカルシンキング>
クリティカルシンキングとは、自分の思考を整理する力であり、クリティカル思考ができるだけで偏見や固定概念にとらわれずに物事を見ることができます。
しかし、このクリティカルシンキングは実際に体験したことから体得するスキルなので、自分の意見を表現したり、自分の意見を伝えたりできることで培っていきます。
<クリエイティブ・シンキング>
新しいアイデアを生み出す力。クリティカルシンキングができたうえで、その上に成り立つのがクリエイティビティです。
でも、ただアイデアを思い浮かべばいいということではないのです。発想が豊かで、良いクオリティで考えられること、そして体験とつながった発想であることで、本当のクリエイティビティが生まれます。
クリエイティビティの基礎は、きちんと知識があることです。
そして失敗を恐れずに自信を持って自分の意見を表明できることが大事なのです。すでに存在しているものや考え方と比較して考えるも欠かせません。
2.その2つのスキルを成長させるための人生の重要なタイミングとは?
幼児期は脳の細胞が非常に多い時期で、クリエイティビティやクリティカルシンキングなどの能力を養うのに重要な時期だと言われています。
子どもたちがいる環境が非常に大事で、それを伸ばすことも可能性を減らしてしまうこともできるのです。
脳を成長させるための重要な時期は、人生で2つ。7、8歳までの幼児期と思春期です。それまでの間にどんな機会や環境を与えるのかということが、その後に大きな差をつけます。
3.では家庭で何ができる?
・1つのやり方だけではない遊びを
実はこの幼児期に重要なのは、勉強をさせすぎず遊ばせることだと研究からも実証されています。正しいか間違っているかということにこだわらない、「答えのない遊び」をさせてあげることです。
「こうしなさい」とやり方を教えることではありません。
・親が指示は出さず、広げる声掛けを
子どもが自分のアイデアを様々な方法で表現できる環境と時間をあげてください。絵を描いたり、ごっこ遊びをしたり、体を使って遊んだり、自分の方法でいいのです。
今の子どもたちは大人がいないと遊べない子も増えています。大人は指示を出すのではなく、声をかけて可能性を広げてあげる存在でいたいですね。
例えば、公園で葉っぱで子どもが遊んでいるならば、葉っぱで何ができるのかと大人も一緒に考えてみましょう。子どもが「葉っぱで魔法が使える」と思うなら、家に持って帰って一緒に魔法の世界を考えてみてもいいでしょう。
絵を描くときにも子どもが海の色を青で塗っているならば、「水ってどんな色かな?」「他の色も使えるかな?」と大人が提案してみてもいいですよね。子どもがより深い思考に進むような方向に声をかけていってください。
・おもちゃは必要ない
おもちゃは特に必要ありません。材料は自然のものでもなんでもいいのです。そして、1回遊んで終わりではなく、何度でも遊んでもいいし、時間を開けて戻ってまた遊んでOK。
遊び方は年令によっても変わるので、どんな環境がいいのかその時々で考えるといいですね。
・年齢で「これはできない」と判断しない
例えば紙で遊ぶとき、この年令だからハサミを使えないとか、この紙はこれを作るべき、と大人が決めてしまうのはNGです。大人が作品を作って見せてしまうのも、避けたいです。大人がルールを作ってしまったり、子どもの世界に蓋をしてしまわないように、安全を管理しながらも子どもに挑戦をさせてみましょう。
・子どもと一緒にワクワクしよう
「どうしてこうなるんだろう?」「こうしてみたらどうなるかな?」と大人も一緒にワクワクして考えてみましょう。子どもにとって失敗や不正解はないのです。大人がもし答えを知っていても、子どもがトライしたり仮説をたてたりする段階で間違いはないのです。「それは違うよ」と否定せず、一緒に「どうしてだろう?」と考えチャレンジすることが、子どもにとって考えたり、トライすることの訓練になっていくのです。一緒に観察しながら対話をし、会話を日々繰り返すことで子どもが自分で探究していく力も育っていきます。
子どもたちの成長のために、学校、園、家庭がどうか変わるかで大きく変わります。家庭でできることはたくさんあるので、ぜひ実践してみてください。
次回は、第2部の様子をお伝えします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?