春蒔きの、秋蒔き (掌編小説)
春巻があるのなら、秋巻があってもいいのかも?なんてことを、ふと思ったすずこであった。
春巻、夏巻、秋巻、冬巻。
(春巻紙っ、夏巻紙っ、秋巻紙っ!)
あたまん中で、おもわず早口言葉風に言ってみた。
…言いづらい。
そして冬巻き紙はどこいった?
いや、そもそも春巻紙って何なんだ。
○
いっつもこうだ。
思考のスイッチがいったん入っちゃうと、考えごとが動きだす。
春夏秋冬の具材をつつみこんで生春巻きにするのもいいな。揚げ春巻にするのもよし!ん?焼いても、蒸しても、いいのかも?(おっ!)なんだか、たのしくなってきた!!
秋だと、どんな具材?
きのこ?根菜?
えーっと、さつまいもとかだったら、sweetsっぽくもいけるかな?
(チーズときのこ)とか、(さんまとすだち)とか?
組み合わせも、いろいろ考えるのとやってみるのも、おもしろそうだ!
○
さて、日曜日。
まだまだ寝巻のままのわたしである。
マグカップでなんか(あったか〜い)のみもんをのみながら、きのうの晩からの読みかけの本のつづきを読ーもぉっと。
(ちっさなたのしみのつづきを待ち遠しくおもってる。それだけなんだけど、なんかうれしい)
そんでお昼頃になったら、いちまい上着を羽織って、秋巻の具材を探しに出掛けよう!
ゆっくりだけど、ふとんからでる。
「さ、さむっ」
両手のゆびをぐっと組む。そのまま、ぐぐっと頭上にもってくる。
う、う、うーーんと、もうひと伸び。
窓辺のひかりが、ちとまぶしい。
うん、1日のはじまりだ。
(了)
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