柚子 (掌編小説) 3
柚子(ゆずこ)が、ここの川辺をマウンテンバイクで通るときは、漕ぎながらお決まりのように、はなうたを歌う。歌はなんだっていい。その時の思いついたもの。
この頃、はまってるのが、柚子にしては、遠い昔の歌。どっかのラジオとかで聴いたようなやつ。歌詞はうろ覚えなので、テキトーにわからないところは、ふんふんふんや、らららーって、歌う。土手沿いに、犬の散歩してるおじいさんや、ランニングをしている若い人達何人かとすれ違う。サビのとこだけ、ずっとリピートしていることもよくある。(おふろでも