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こどもの中耳炎について

こどもの耳管が大人と比べて太くて短いです。
角度が水平に近い構造であり、鼻咽頭の細菌が中耳腔内に侵入しやすいです。そのため、風邪などの上気道感染から中耳炎を起こしやすく、乳幼児に罹患するこどもが多いです。
また、こどもの耳管の特徴や免疫機能・副鼻腔の発達が十分でないことで、こどもは繰り返し中耳炎をおこしやすいです。
今日はこどもの中耳炎についてお伝えします。


★急性中耳炎
かぜをひいた後に咽頭の細菌が中耳腔に広がって細菌感染を起こします。鼓膜の発赤や膨隆・耳痛・発熱などを起こします。
乳幼児に多く、中耳炎が反復したりすることもあり、特に2歳以下の保育園児に多いです。
抗菌薬を内服し、鼓膜の膨隆が著明で痛みがひどい場合は鼓膜切開をして排膿します。

※こどもは痛みや不快感をうまく伝えることが出来ません。
きげんがわるい、耳をよく触る、理由もなく泣いているなどのときは耳鼻科の受診をご検討ください。

★慢性中耳炎
鼓膜に穿孔が生じ、3か月以上続く状態です。
耳漏(耳の穴から分泌物が出てきます)や難聴がみられます。
はじめは「聞こえにくい」程度から難聴になると永久的な難聴に移行する場合もあります。
根治的治療は手術です。
耳漏がみられた場合は早期に耳鼻科に受診しましょう。

★滲出性中耳炎
鼓膜の後ろに液体がたまるもので、中耳腔が陰圧になるため、鼓膜が陥没したり、鼓膜の動きが悪くなります。
急性中耳炎から移行することが多いです。
症状は軽度から中等度の難聴ときに軽い耳痛・耳閉感を訴えることがあります。いわゆる「聞こえにくさ」がみられる場合に要注意です。
治療は貯留液が排出されやすくなる目的で、鼻腔や上咽頭の洗浄を行います。何度も繰り返す場合は鼓膜にチューブを留置したり、アデノイドを切除します。

おこさんのかぜから中耳炎が疑われる様子が見られた際には
早めに耳鼻科へ受診しましょう。

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