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エルメス、ケリーとは

ケリーの歴史

「ケリー」はもともと「サックアクロア」という名前のバッグでした。サックアクロアは”乗馬サドル”を収納するバッグとして、1936年エミール・エルメスの娘婿で後にエミールの後を継いでエルメスの社長(1951年~1978年)を務めたロベール・デュマがデザインしたショルダーストラップ付きの女性用バッグです。

台形のフォルムで、三角形の2つのマチ、切り抜いたようなフラップ、ハンドル、2本のサングロンを備えたバッグであり、かっちりとした質感で、床や机に置くと自立する。上品さ、きちんと感があるバッグで、フォーマルなシーンに一層の華やぎを与えてくれています。

グレース・ケリーとの逸話

この「サックアクロア」を愛用していたのが、モナコ公妃のグレース・ケリー。

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1955年当時、妊娠していたグレース・ケリーは、パパラッチを避ける為、とっさにサックアクロアでお腹を隠した。その写真が雑誌に掲載されると、彼女が持っていたサックアクロアに注目が集まり、認知度は飛躍的に高まることとなる。

1956年、エルメスはモナコ王室の許可を得て、サックアクロアを「ケリー」へと改称しました。

ケリーの大きな特徴は2点ある。

1つ目に、ケリーのハンドル(持ち手)は「一本」。

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2つ目に、ケリーには「内縫い」「外縫い」二通りのデザインがあること。

「内縫い」のケリーは、生地を中に織り込んで縫製するため、全体にやわらかく女性らしい雰囲気。

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「外縫い」のケリーは、内縫いとは反対に、縫い目を見せた縫製でしっかりとした直線のフォルムが表れているので、ビジネスシーンにも愛用されます。

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「ケリー」のサイズ

■ 15センチ(ミニ ミニ ケリー) 

 横15cm × 縦11cm × マチ(幅)5cm

■ 20センチ(ミニ ケリー) 

 横20cm × 縦16cm × マチ(幅)9cm

■ 25センチ 

 横25cm × 縦19cm × マチ(幅)9.5cm

■ 28センチ 

 横28cm × 縦22cm × マチ(幅)11.5cm

■ 32センチ 

 横32cm × 縦23cm × マチ(幅)12cm


■ 35センチ 

 横35cm × 縦24cm × マチ(幅)13cm

■ 40センチ 

 横40cm × 縦28cm × マチ(幅)16cm

■ 50センチ(ケリー ヴォヤージュ) 

 横50cm × 縦34cm × マチ(幅)25cm

一般的に”ケリー”と呼ばれるサイズは25センチ~40センチまでのサイズ。それ以外は「ミニ ケリー」などの名称が付いています。

「25」以上のサイズにはショルダーストラップが付属し、取り付けることで肩掛けバッグとして使用することが可能です。

特殊なレアケリー

長い歴史をもつケリーバッグでも、ある一定の期間でのみ製造販売された非常に希少なケリーバッグが存在します。その一部をご紹介しますね。

①ケリードール

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20年ほど前に製造されたバッグ。そのチャーミングなデザインでその当時も話題になりました。

製造は終了していますが、現在でも人気が高いアイテムで、定価の3倍近いプレミアム価格で流通しています。なんと恐ろしい、、、

②PVC製ケリー

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1997年、1998年に開催された「不思議の国、エルメスの旅」展でのみ販売された限定バッグ。こちらも製造は終了しています。

③ポシェットケリープルシュ ロング

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15年ほど前に販売されたムートン素材で製造されたポシェットケリー。

通常のポシェットケリーが横幅20㎝に対し、横幅30㎝と一回り大きい規格。
ムートン素材のケリーバッグも35㎝サイズで製造されていたそう。

こちらも製造は終了している為、中古品でも、当時の国内定価の2~3倍程度の300万以上で流通しているとのこと。

ケリーバッグはバーキンと並び、エルメスを代表する、長い歴史を持った伝統的なバッグなのです。

グレースケリーのようにエレガントに振る舞いたい、そんな時必要な芸術品である。是非まず1つ所有して頂きたいです。




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