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『面白い』の不思議

G's ACADEMYのアドベントカレンダー12/24の記事です。

 

『面白い』ってなんだろう。

G's ACADEMYのメンバーは日夜『面白いもの』を作ろうと努力しています。

とても『面白い!』と言われる企画が数多く誕生していますが、残念ながらそこに至らない場合もあります。
ご本人の熱いプレゼンとは裏腹な、冷たいオーディエンス、メンター、投資家の反応。
そして『あんまり面白くない』というキツイ評価。。。

誰もが真剣に取り組んでいるのにも関わらず、残酷な違いがでるのはなぜなのか…

そんな曖昧な『面白さ』という評価について考えてみました。

特に事業企画における「面白さ」を中心に考えてみます。


『面白い』とは

ここに1枚の非常にユニークな、面白いとされる画像があります。
まずはご覧いただこう。






クリスマスおじさん






いかがでしょうか。

普段からひょうきんもののジーズスタッフまえた氏が、これまたひょうきんなおどけた表情で、さらにユニークな被りモノまで被っています。
実に面白そうな要素が満載です。

しかし実際は「ややウケ」だったのではないですか?私はそうでした。

こんなにユニーク要素万歳のクリスマスおじさんなのに、なぜ「ややウケ」なのでしょうか。

そもそも「面白い」という言葉には以下の4つのパターンがあるそうです。

おも‐しろ・い【面白い】
1 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。
2 つい笑いたくなるさま。こっけいだ。
3 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。
4 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

なるほど、クリスマスおじさんは
この
「2 つい笑いたくなるさま。こっけいだ。」
には当てはまりそうです。

ですが、
『1 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。』
『3 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。』
『4 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。』
には、あまり当てはまら無さそうですね。

では、「興味をそそられて、心が引かれるさま」「普通と違っていてめずらしい」とはどういうことなのでしょうか。


『面白い』を感じる仕組み

面白い話について、一番困るシチュエーションって、これですよね。

これは地獄ですね。こういう場面だとなぜ面白く話せないのでしょうか?

このヒントとなりそうなお話を、落語家、2代目桂枝雀 が唱えた独自の笑い理論「緊張の緩和」から見つけました。

この中で言っていることを解釈すると、
人は、真面目さやその話の中での「文脈・常識」がまずあって、それがズレることで一旦緊張し、その後緩和されると、思わず笑ってしまう。
わざと緊張状況を組み込むことで、緩和との振れ幅を最大化している。
とのこと。

この理論を漫才を例にするとこんな感じでしょうか。

1.ツッコミが前提となる世界観や常識を説明し「緩和」

2.そこにボケが常識から外れた返しをして「緊張」

3.そしてそれのどこが変なのか常識からツッコミが一言で示して「緩和」

4.ドカンドカンと笑いが起きる。

ということかな、と思いました。

つまり、2代目桂枝雀さんが言っていることを一言でまとめると、
『面白い』は単体ではなく『前提となる文脈』が必要、ということになります。

以下のような順序でしょうか。

①前提となる常識・世界観の説明=緩和
②その後、常識から外れた対応を提示=緊張
③そしてなぜそうしたのか理由を知る=緩和

そう考えると、
先のイラストの「なんか面白いこと言ってよ」は、前提となる常識や世界観がないので、面白くするのは難しいですよね。
クリスマスおじさんも、まえたつ氏が普段もっと真面目な顔の前提があれば、あの写真で爆笑の渦だったのかもしれません。悔やまれますね。


では、事業企画の『面白い』とは

おさらいですが、事業企画は以下の通りでしたね。

『だれのどんな課題を、どんな方法で解決するの?そしてなぜあなたがやるの?』

これで一連の『企画』となるわけですが、

「どんな企画なの?」と他人に聞かれたとき、ついつい『How(どんな方法で?)』から話してないでしょうか?

プロダクトのざっくりした説明、ビジネスモデルなど、カッコ良さそうなビジネスっぽいところから話してしまいがちです。折角の機会なのに、前提を端折ってしまうことよくありますね。

でも、これでは「なんか面白いこと言って」のとき同じような状況になってしまいます。

では、相手に楽しんで聞いてもらえるために『緊張の緩和理論』を当てはめてみましょう。

①Why me+Who/What 前提となる常識・世界観の説明=緩和
②How その後、常識から外れた対応を提示=緊張
③Why me そしてなぜそうしたのか理由を知る=緩和
 

まず最初に、なぜやるのか、だれのどんな課題があるのか、を説明することで文脈(企画の中での世界観・常識)が産まれます。

その後に『文脈からは変』な「解決方法(How:やビジネスモデル)」を話して「緊張」を作り、その後に理由を語ることで「緩和」して、初めて『面白い』と感じられる・・・という流れだと、しっくりきそうですね。

もちろん、意外でユニークな解決方法を持っている、というのが大切ではありますが。

 

まとめ

企画の説明の際に私たちは、背のびをして立派なことを言いたくなりがちです。
でも企画は話した相手に「面白い」!と思ってもらい、魅力を感じてもらい、企画の実現に向けて協力してもらえることが一番大切ですよね。

なので、少しでも自分の企画が面白くなるように、工夫を続けたいと思っています。
冬休みはいろいろ考えるのにぴったりの期間。みなさんもぜひやってみてください!

 

ということで、クリスマス・イブに全然ふさわしくない思考実験でした。

メリークリスマス!!


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