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セシルテイラー

ジャズを聴き齧っていた頃、良く「スイングジャーナル」読んで勉強をしていました。
特にゴーデンディスク大賞の選定の特集は楽しみでした。
その中で、一位から十位まで全てセシルテイラーとしている鍵谷氏という人がおりました。
その人が全てセシルテイラーを推しているので是非聴いてみたいと思い、電車で4駅行ったところの街の小さなレコード屋さんに行きました。
一番に押していたユニットストラクチャーを買おうとしたのですが、やはり置いてありませんでした。
取り寄せてくれるというので、お願いを致しました。
なかなか入荷しなく何度も問い合わせをしました。
当時学生だったので舐められていたかもしれません。
輸入品で船で取り寄せているから時間がかかるとも言われて、4ー5カ月してやっと入荷しました。
手に取ると確かに輸入品らしく、ジャケットはボロボロでレコードを入れるものはビニールではなく紙でした。
レコードも少しキズだらけでした。ただやっと手に入れた物でしたので、嬉しくて直ぐに針を落としました。
聴いてみると今まで聴いたことのない破茶滅茶な物でした。
なんだこれはと最初は思いましたが、もったいないので何度でも聴くようにすると不思議に違和感がなくなり快感にまでになってきました。
これが音楽の不思議というものなのでしょうか。
滅茶苦茶をやりたいのではなく、このようなものをやりたいのだというような理解力が芽生えてくるのです。何か清々しさを感じます。

こうなってくるともう止まりません。セシルテイラーの世界にどんどんのめり込みます。ソロが聴きたくなります。
セシルティラ―のソロピアノを聴くと思いだすのは、30年以上前の当時のつくば万博のIBM館です。
IBM館に入るとデズニ―ランドのエレクトロパレードや今はやりのクリスマスのライトアップのような光のファンタジーの世界が現れます。
その色は、ブルーやパープルで今思うとあれは青色ダイオードなのかなと要らぬ心配をしてしまいます。
その青の美しさは恐らくセシルテイラーかと思われる、調性や規則的なリズムのなく、半音階的な曲で画像もしくは映像にマッチしておりました。
その印象が大きく、このような曲が大好きになってしまいました。
この印象が、私をフリージャズの世界に益々導いていったのではないかと思っております。
もしかすると、シェーンベルクだったのかも知れません。
今でも区別できませんのでそうかも知れません。
でもそんなことは関係ありません。今となっては。
オ―ネットコールマンのアルトサックスでの表現主義も素敵ですが、ピアノは打楽器なので、言葉発する呼吸器を使用して音を発しておりませんので、表現する機能が少し足りませんが、それがかえってピアノの特徴をあらわすものとなり益々美しさを醸し出すものとなっていると思います。
それに、何故つくば万博のIBM館の印象が強いのかというと、コンパニオンの質の高さも後押ししております。
コンパニオンが美人であったというのも勿論ですが、コンパニオンとしての仕事のプロフェショナルさだと思います。
解説の仕方、言葉使い、声の質、行動のしぐさ等どれをとっても超一流でした。
他の日本企業のパビリオンのコンパニオンが本当に子供に感じました。
一生懸命さは通じますが、これがプロなのかというものを感じざるを得ないものでした。
そのような中でセシルテイラ―のソロを聴くようになりました。
Indent, Silent Tongue,Air above Mountainsを聴きましたが、このガーデンだけは、聴いていませんでした。

Silent Tongueが特に好きで良く聴いておりました。

そして、ガーデンも聴こうと思いましたら、廃盤になっており諦めておりました。そんな中、このyoutubeを見つけました。全部で2時間くらいありますが、物凄く優雅で音の花火の連続です。時間を忘れてしまいそうです。
レコードやCDを相当買いました。本当にハマるというのは怖いものです。
最後に一番好きだったアルバムです。

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