見出し画像

ジャズのスタンダード曲

私が大好きなジャズのスタンダード曲があります。
本当に良い曲であり、名演です。青筋を立てないジャズの典型です。
ジャズのスタンダード名曲には、ミュージカルで使われたものが多い。ミュージカルがあまり身近なものでない私は、ジャズの演奏で、あのミュージカルの曲だ、とういうようなわけにはいきません。逆に、ジャズの演奏からミュージカルの存在を知るということにしかなりません。この方がかえって、先入観なしで曲の良さや美しさを味わえるのかも知れません。
この、ブルー・ミチェルのI'll close my eyes もこのアルバムから聴いて本当に美しい曲と思いました。
勿論この曲も、1974年のミュージカル映画 Sarge goes to college という中の大ヒット曲です。
この曲は、元々はイギリスの作曲家ビリー・リードによって1954年に作られたものをアメリカに紹介する時に、歌詞が作られ、遠く離れている恋人を慕う曲となったそうです。
色々な人が歌っております。有名なのはサラ・ボーンなどがあります。
この曲の分析をしている矢萩氏のJazz Standard Analyze によれば、この曲が美しく感じる秘密は、音程の跳躍にあるそうです。
その跳躍は随所に出てくるのですが、冒頭のところでは、コードのオクターブ下の第5音から第4音への短7度の跳躍を行なっております。その他のところでは、長7度の跳躍があります。通常のメロディの跳躍は、4〜6度の音程を使うそうです。
長短7度の音程はいずれも憂鬱な気分や不安定な気分にさせるらしいです。そのために、その解決をするために安定のある音程を求めるよう解決がなされるそうです。この場合だと3和音の中の真ん中の音つまり第3音で解決をしております。
このような原理を音階の上昇ラインと音階の下降ラインで、最初の音を、上昇ラインでは、オクターブ上げ、下降ラインでは、オクターブを下げ、思い切り跳躍させているのだそうです。そのためにメロディが魅力的なものになっているそうです。
曲の随所に出てくるのですが、出足のところが一番わかりやすいので、よく聴いて下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?