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微小世界の新たな食の日

ウィルスを食べて繁殖する生物の発見により、草食や肉食に並ぶ新たな食性のカテゴリである、〝ウィルス食〟が提唱されました。
英語にするとvirovory発音はそのままヴィロボリーで良さそうですが、ウィルスとかもネイティブな英語を聴くと全く違う様に聞こえますから注意が必要かも知れません。
どんなシーンで使うのかは疑問ですが。


ウィルスは本来、炭素、核酸、窒素、リンなどの生命にとって必要不可欠な物質で構成されている為、栄養源として申し分が無い筈。
ただ、ウィルス自体が非常に小さいので、殆どの生物が口に入れる事も、狙う事も不可能に近い。

では、同様のスケールのバクテリアにとってはどうなのか?と言うと、〝溶菌〟という細菌の細胞壁が崩壊を伴って破壊され、細菌の細胞が死んだ細胞を残さず、溶けた様に消滅する現象が有るそうで、微生物学では長年ウィルスを微小世界の食物連鎖の最上位を占める頂点捕食者としての認識だったそう。

しかし、繊毛虫の一種であるハルテリア1匹が1日に最大で1万~100万個のウイルスを食べていると推測しており、小さな池の中では1日に100兆~1京個のウイルスが消費されていると見積もれる研究結果が出たとの事。

まだ研究中らしく、断言は出来ないらしいですがウィルス食(virovory)の生き物は草食(herbivory)や肉食(carnivory)に並ぶ存在として、食物連鎖における栄養素の循環に重要な役割を果たしている可能性が出てきた。


その内、流行っているウィルスを駆逐する為に、微生物を増殖させて撒く、なんて方法がとられる日も来るかも知れませんね。


因みに今日の表題に使った画像はミジンコです。
恐らく、理科で習った事が有るかと思います。
この絶妙なフォルムが印象的で個人的には好きなのですが、実際に動いている所を見てみると……、けっこうキモいです。プランクトンとして有名で目に直接見える微生物。実は甲殻類の一種。
もし、キモさに耐性が有るのであれば、ミジンコの正面画像を調べてみて下さい。
ちょっと意外な姿が見られると思います。


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