見出し画像

ドノバンカリーヨ インタビュー|フィギュアスケート

私たちの陽キャラ、ドノバンカリーヨ。
リンクに降り立つだけで華がありますね。

世界フィギュアではショート、フリーともに自己ベスト更新。
4回転サルコウも2本とも決まりました。

世界フィギュアの後にメキシコのメリダのショッピングモールで、地元メディアによるインタビューがありました。
今はカナダを拠点にしているドノバン選手ですが、メキシコではこのショッピングモール内のアイスリンクで練習をしていました。

聞き手:
視聴者のみなさん、(本日は)ドノバン カリーヨ スアソさんをお迎えしております。
彼はオリンピックおよび世界選手権のメキシコ代表のフィギュアスケート選手です。

ドノバンは今、Galerias Merida(メキシコのユカタン州の州都、メリダでのショッピングモール)の中にあるスケートリンクに来ています。
メキシコのスポーツについてお話を伺いたいと思います。

ドノバン:
皆さんこんにちは。
ここに来ることができてとても嬉しいです。
ここ数日私はコーチのジョナサンと共に、ここメリダで国内スポーツの支援・促進についての講義を受ける機会がありました。
こういった機会をいただけたことはとても幸運に思います。

聞き手:
あなたが今おられるポジションは、普通の人ではたどり着けなかった道だと思われます。

ドノバン:
どうもありがとうございます。
ハイレベルでたたかうアスリートとして私は常に精進し、新しいエレメンツの習得に励んでいます。
努力し続けるということは私にとっては日常生活おいても、また人生全体においても根本的な教訓となっています。

また、フィギュアスケートは私にとても大切なことを教えてくれました。
それは「立ち上がる」ということです。

(フィギュアスケートの中では)最初から全部うまくいけばいいのにと思っているのに、転倒してしまうということが多々あります。
このように望んでいなかったことが起こったとき、私達は挫折感や怒り、悲しみを感じます。
気づきにくいことではありますが、むしろその転倒から学ぶことは多いですし、転倒してしまうことは珍しいことでもありません。

私には人生もスケートのようだと思えるのです。

新しいジャンプを習得しようとすれば何回も転倒することになりますが、そこ(転倒)に教訓がある。
重要なのは失敗から学ぶことです。もっとうまくなるために転倒から学び、次に跳ぶときにはもっとうまく跳べるよう目指すことです。

聞き手:
別の質問になりますが、(2022年のアイスショーで)あなたが(メキシコの歌手の)Juan Gabrielの曲に合わせてリンクに降りたとき、メキシコ人は拍手喝采でした。
(今シーズンのフリーは同じメキシコの歌手の)Pedro Infanteの曲を使用していますね。
どのような経緯があって曲を決めたのですか?

ドノバン:
国の代表であるというのは、私にとっていつも素晴らしいことです。
私はメキシコ人であることにとても誇りをもっていますし、Pedro Infanteの曲で滑べる機会をもてたことは特別なことでした。

私は彼の曲も映画も、魂に響くというか、大好きで今シーズンは彼の "Besame Mucho"という曲で世界選手権に挑戦したいと思いました。
この曲はメキシコ人のアイデンティティといいましょうか、幼いころから何回も聴いて育ったというような曲です。
メキシコ人に寄り添い愛されてきた曲であり、私達の音楽や文化のパッションやインスピレーションを感じることができる、ここが重要なポイントでした。

聞き手:
メキシコで第二のドノバンカリーヨはどうやったら現れるでしょう?

ドノバン:
少しずつではありますが、私達のスポーツに対する考え方も開放的になり、性別による区別などもなくなっていくでしょう。

依然として、芸術的な分野は女性のものという考え方が根強くありますので、初めはこうした古い価値観と向き合い、(男性のフィギュアスケートという)珍しいことに飛び込む勇気をもってもらうというのが第一歩になるかと思います。
そうすれば私のように、自分には向いていないと思っていたことに情熱を持てるようになるとこともあるかもしれません。

これが第一歩だとすると、次の一歩は、少しハングリー精神が足りない(のでハングリー精神を持つ)ことだと考えます。
私は常にハングリー精神に支えられて成長してきました。
何か大きな目標をつかんだとしてもそこで満足するのではなく、次の目標に向かうということです。

より高みに上るには何をすればいいだろう。
別のスポーツの別の方の話になりますが、(メキシコのサッカー選手の)チチャリートが言ったように、私達に必要なのはもっと野心を持って、信じられないくらいの大きな夢を見ることだと思います。

聞き手:
今のお話でステレオタイプを破るという点がありましたが、メキシコでは男らしさや男性優位というようなことが浸透しています。
あなたは男だからそれはできないとか、でもそんなことはありません。
男性だってバレエや体操、いろんな文化を体験することができます。

ドノバン:
フィギュアスケートには体操の要素もあり、柔軟性やダンスの要素も含まれていますので、(ジェンダーの問題は)スポーツの発展の障害になっている可能性はあります。

アメリカやカナダ、ロシア、日本などでは、ハイレベルの少年たちが信じられないほど多くいて、歴史をつくっています。
なぜなら、(フィギュアスケートに関するジェンダーの)固定観念がとりはらわれていて、フィギュアスケートが一つの美しいスポーツとして認識されているからです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?