秋華賞 2023年 リバティアイランド3冠達成おめでとう! レース解説


日曜の京都競馬場

午前7時のクッション値は8.6
朝方まで降り続いた雨の影響で重馬場スタート。
第一レース前には晴れて馬場は徐々に乾いて行き、10レースには稍重に。

少頭数のレースが多くバイアスを把握しにくいが8レースの外回り1400mでも直線で内ラチ沿いに寄って1,2着。
内全然OK

注目は10レースの岩田望騎手の進路どり。

松若騎手がビキニボーイで先手を取るために脚を使いやや速いペースに。
断然一番人気のゴールドエクリプスの岩田望騎手は秋華賞のための試走をしました。
この日は少頭数が多く、外を走る展開がありませんでした。
秋華賞で外差しを考えていたであろう岩田望騎手はこのレースで外側の馬場を試したのです。
最後まで右ムチだったのが外へのこだわりを物語ります。

一番右がゴールドエクリプス

馬場はやや時計がかかるため、ペースに敏感ではあるが比較的公平な馬場でした。

秋華賞

勝負どころで動ける位置にいたリバティアイランド。
馬群の中で動けなかった馬達との差は4コーナーで生まれた

勝ち時計2分1秒1
12.2 - 11.1 - 13.1 - 13.0 - 12.5 - 12.9 - 12.3 - 11.6 - 11.0 - 11.4
前後半61.9ー59.2


予想と違い速いペースになりませんでした。
1コーナーでは前に行く馬が多くいたのですが思い切って逃げようという馬がおらず、外の先行勢も大人しく引き下がった。

2コーナーから上り坂までを13.1 - 13.0 - 12.5 - 12.9という非常に遅いペース。
こんなに遅い秋華賞は初めて。
1400m通過1分27秒1は秋華賞史上最も遅い(2番目に遅いのは2012年の1分25秒2)
京都2000mの600m勝負。
しかもコーナーで急激に加速するスプリント勝負になりました。

3コーナー手前

残り600m地点では前後の差はそれほど大きくありませんでした。
ここで動けた馬が先手を取りました。
外にいたリバティアイランドです。

残り600m

この600~400m区間で馬群の中で動けない馬達を上手く出し抜きました。

残り400m

そして4コーナー出口から直線入り口で最高速の67キロに達し、400~200m区間を11.0秒で走り後続を突き放しました。
もうこの残り200m地点で追走不可能なほどの差を作り出しました。
ムチを入れたのも200m手前で一回だけ。
最後はマスクトディーヴァに詰められましたがセイフティリードをきずけていたリバティアイランドの余裕でもあります。
映像で見返すと少しはヒヤッとしたと思います。
マスクトディーヴァのラスト200mの脚はヤバかった。
おそらく10.4秒位で走っている。
残り600m地点でマスクトディーヴァがドゥアイズの位置にいたら最後まで気の抜けない面白いレースになったでしょう。

1着 〇リバティアイランド

川田騎手のコメント
「事前にレースプランは作らず、ゲートを出てから、雰囲気を見ながら、並びを見ながら考えていこうというところで、本当にとてもいい内容で走ってくれていたと思います。直線に向けては進路を作ることだけでしたので、いい形で道中運びながら、スムーズに進路を作れる形になって、ペースも緩かったですし、彼女も行く気になりましたので、ならばこのまま強気に押し切ってしまおうと選択しました」

1コーナーまでの動きから『外』の意識はたかかったですね。
向こう正面の残り1000mから外に出し始めて3-4コーナーは大外をまわす。
基本はこの進路どりだと余分な距離を走る不利になるが、瞬発力勝負に備えて動ける位置を確保できた。
ヨーイドンで他の差し馬達よりも先にスパートできる権利を得るために外に出たのだ。
それが見事にハマった。

リバティアイランドをマークして3-4コーナーで後ろをついて行ったドゥアイズとピピオラにはリバティのギアはなかった。

っていうかピピオラはなんでわざわざ向こう正面でスペースを空けたんだ?
あそこで蓋をしていればもっと難しいレースになったのに。

2着 マスクトディーヴァ

スゴイ末脚でした!

岩田望騎手のコメント
「スタンド前のゲートインで盛り上がってしまって緊張した状態でスタートがもう一つになりました。いつも通りに出られていたら、もっとポジションが取れていたと思います。思ったよりも後ろの位置どりになって、このペースでしたから動きたい時に動けませんでした」

位置取りが全てでしたね。
そう言える末脚を見せてもらいました。
ゴール前の200mは約10.4秒だから今日のレースでの最高速はマスクトディーヴァです。
外に出すのに手間取って仕掛けが遅れたので最高速に達したのも遅かった。
本当に、ドゥアイズの位置にマスクトディーヴァが居たらどうなっていたか…
残念だったけど海外遠征含めてGⅠのチャンスを与えたい馬ですね。

3着 ハーパー

ルメール騎手のコメント
「すごくいい競馬をしてくれました。3番手、良いポジションでした。この位置から速い脚は使えず、ジワジワ伸びていました。精一杯走っての3着、仕方ないですね」

短い直線での瞬発力勝負は苦手なはずなのだが、位置取りを活かして上手くレースした。
こういう所がルメール騎手の上手さ。
馬的にはリバティと同じくStrawberry Road(ニジンスキーxプリンスリーギフト系という京都に相性のいい血)を持っていたのがポイントだったのかな。

前走オークスからの直行は桜花賞・オークス両方で好走している馬が秋華賞で走ると言うデータは合っていましたね。
来年覚えていれば…いやまた人気だから外す未来が見えるw

4着 △ドゥーラ

斎藤騎手のコメント
「内枠でしたし最後勝ちに行く競馬をしました。いつもと違うリズムで勝ちにいった分甘くなりました。この経験は次に生きてくると思います。それでも走ってくれているのは、この馬の地力だと思います」

道中はしっかりリバティアイランドの後ろに付けた。
3-4コーナーで並走する場面もあったが4コーナーで抜け出された時に囲まれていて動けなかった。
しかし直線に入ってからは前が開けて不利なく追えた。
罰金払うまでムチ打ったが4着まで。
瞬発力勝負よりももう少し持続力勝負よりの展開の方がいい。
よくがんばった。

5着 ◎モリアーナ

イン差しを選択したのはしょうがない。
もう少し速い流れだったら前もバラけてスペースがあっただろう。

今回の出し抜けで内で動けなかったのは痛かった。
内は経済コースを走れるけど、自分のタイミングで動けないもどかしさもある。
外の馬達が動く時に内ラチ沿いだと先行馬のペースに合わせないといけない。
これで加速するのが遅れた。
内の狭い所を斜行して罰金を払いながらも追い込んだが時すでに遅し。
ってゆーかー、①フェステスバンドはもっと逃げてくれると思ったのに―ORZ
残念で仕方ありません。
競馬むずかしいです。

10着 ▲ドゥアイズ

リバティアイランドをマークするのは良かった。
ただ速いギアチェンジに対応できなかった。
消耗戦や800mの持続力勝負でレースのラスト3ハロンが35秒前後の時に走る馬かな。

11着 △ラヴェル

外3列目の先頭に立ってはいけない。

14着 △ピピオラ

藤岡康太騎手のコメント
「スタートを出て前に壁が無い中での追走も、しっかり我慢してくれました。4コーナーで勝ち馬についていけそうな感じもありましたが、最後は苦しくなってしまいました。これが良い経験になると思います」

この馬もハイペースの消耗戦向き。
遅い展開になった時点で私の読み負け。

3ー4コーナーまでしっかり⑰の後ろについていればリバティアイランドは外に出せなかった。
川田騎手には逆らえないか?

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