菊花賞 気になる馬達

例年なら皐月賞上位馬が活躍するのだが…

最近の傾向で春の実績馬が菊花賞を避けて天皇賞秋やJCに向かうというのはありましたが今年はさらに極まったかなというメンバーです。

春のクラシック上位陣のかわりに増えたのが夏の上がり馬達。
2600mの勝ち馬も多く登録していてより長距離の菊花賞にふさわしくなってきたと言うべきか。

今年のメンバーは体型的に長距離向きの馬が多くこの後の成長次第では春のクラシック組を上回りそうな可能性を秘めている馬もいる。

2018年のフィエールマンやグローリーヴェイズの獲得賞金は同世代のダービー馬よりも2億円以上多い。
種牡馬価値では劣るから現役が長いのかもしれないが、人間の下す評価が当てにならないのはステイゴールドなどの歴史が物語っている。

過去11年で皐月賞3着以内の菊花賞は【6-1-1-8】だと思う。
2018年にはエポカドーロとジェネラーレウーノが8,9着と敗れているが、あの年は皐月賞未出走組が強かった。
フィエールマン、グローリーヴェイズ、ブラストワンピースという後に古馬混合GⅠを勝つ馬にくわえ、エタリオウ、ユーキャンスマイルもいた。
皐月賞4着馬も2頭馬券内に入っているので『強そうな』皐月賞上位馬は素直に信じていいと思う。

去年も皐月賞2着のタイトルホルダーが1着で皐月賞3着のステラヴェローチェがハナ差の4着と活躍。

しかし、今年の菊花賞登録馬で皐月賞最先着はアスクビクターモアの5着
続くのが9着ジャスティンパレス、11着ビーアストニッシド、14着ボーンディスウェイ

皐月賞1,2,3,4、5着はダービーでも7、2、1、4、3と上位のままなので単純にアスクビクターモアは春のクラシックを戦った馬達の中の上位グループの馬

アスクビクターモアは春のクラシック上位馬がいないここではとりあえず格付け的には一番上に置いていいと思う。

そしてダービーで皐月賞上位組の間に割って入った5着のプラダリア。
6着キラーアビリティは2歳GⅠの勝ち馬でもあるし、そこに割って入ったプラダリアも評価したい馬だ。

2600m勝ちの馬達

春のクラシック上位馬が少ない代わりに多くなっているのが2600mの勝ち馬だ。
去年3着のディヴァインラヴが7月小倉の1勝クラス2600mを勝っていることからこの距離の勝ち馬は侮れない。
ジェンヌ、ディナースタの2頭に出走の可能性がある。

特にディナースタは1,2勝クラスの2600mを連勝。
阪神内回りの2200mの勝ちもある。
半兄がジャックドールがいるドゥラメンテ産駒の好素材だ。

阪神大賞典の血統

良く言われるのは、阪神大賞典は天皇賞春よりもステイヤ―色が濃い。
今年はステイヤーっぽい馬が多いので参考になるかもしれない。

父ディープインパクト系の時の母方は、
ディープボンド(キングヘイローxレイズアネイティヴxマルゼンスキー)
ナムラドノヴァン(ミスプロ系xデインヒルxロベルトxニジンスキー)
トーセンカンビーナ(ミスプロ系xヌレイエフ系)
メイショウテンゲン(フレンチデピュティxサドラーズウェルズ)
サトノダイヤモンド(ダンチヒ系xサザンヘイロー)
デニムアンドルビー(キンカメxヌレイエフ)
ラストインパクト(ミスプロ系xノーザンダンサーxダマスカス)

コーナーが多いのでミスプロ系が必須という感じ。

普通にヌレイエフ、サドラーズウェルズのスペシャル牝系ノーザンダンサー。
そしてニジンスキー。
ニジンスキーは胴長さんなので長い距離、特に距離延長で威力を発揮する。

母父フレンチデピュティが3着以内に入ったのは3分3秒台の高速決着。
先週の秋華賞でもフレンチデピュティ持ちが1,2,4着と好走したように高速の阪神内回りでフレンチデピュティは強い。
スタミナに問題がなさそうならフレンチデピュティ持ちも面白い存在だ。


評価

勝ち負け

アスクビクターモア 今度こそ負けないぞ!
ガイアフォース   高速馬場得意

2着候補
ボルドグフーシュ 吉田騎手の位置取り次第、多頭数に騙されるな。
ドゥラドーレス スタミナもてば決め手は一番

3着候補
ジャスティンパレス 鮫島騎手ならやってくれる
ヤマニンゼスト   3000mは騎手

掲示板
ヴェローナシチー  気がつけば5着
プラダリア     状態が上向けば

距離?
フェーングロッテン 中距離での能力は高い

馬達


アスクビクターモア

大人になってきた元気っ子
前脚高く上げてストライドも大きく力強い。
東京のダービーでは高速馬場の反発力を活かしてスピードを持続させる走りも見せた。
ダービーの上位8頭は3着アスクビクターモアと5着プラダリア以外は4コーナー11番手以降の差し追い込み勢。
高速馬場とはいえ先行勢にはきびしいペース。
それを粘りこめたのは心肺能力の高さと高速馬場での持続能力の高さ。
今週の阪神は快晴続きで高速馬場が見込まれる。
去年のタイトルホルダーみたいにアスクビクターモアを信じてペースを必要以上に落とさなければ勝ち負けできる。
田辺騎手がどこまでこの馬を信じられるかがカギ。
皐月賞は追い出しを待ちすぎてラスト3ハロンが12.0-11.4-11.5でキレ負け。
最高速にまさる好位勢がキレる脚を使える展開にしてしまった。
弥生賞のようにラスト4ハロンから11秒台のラップを刻んでいればもう少し前で粘れたかもしれない。
今回は初の3000mだが、馬を信じてラスト4~5ハロンで徐々にスピードアップしていくべき。
守りに入ったら負ける。

ガイアフォース

セントライト記念前の評価
『キタサンxクロフネxダンスインザダークxノーザンテーストxグレイソヴリン系
キタサン産駒が小倉【7-2-3-32】、阪神【4-7-4-30】、中京【8-4-3-26】に比べて中山が【1-1-1-26】と苦手なのは3コーナーに下り坂がないせいだと思う。
キタサンの中のサクラバクシンオーというかプリンスリーギフト的な特徴を受け継いでいるのだと思う。
小倉競馬場でレコードを記録しているのも偶然ではなく『下り坂大好き』な特徴が強く出ているからだろう。
下り坂のないコーナーでは勢いをつけられないので直線の短い中山では力を出し切れない。
東京も3コーナーに下り坂はないが直線が長いおかげで十分に加速できる。
中山で高いパフォーマンスを見せたのはイクイノックスくらい。
小倉のレコードタイムは『夏の小倉適性』が高い証』

キタサンブラック産駒は京都競馬場が得意でしょう。
ついでにロンシャンも得意だと思います。
エントシャイデンがロンシャンで2年連続で好走したのは間違いなく母父サクラバクシンオーのプリンスリーギフトの血。
キタサンブラックはその影響を受けていて下りが得意。
京都は絶対に合う。

ガイアフォースはセントライト記念でアスクビクターモアと直線でマッチレースになり勝った。
しかもキタサンブラック産駒が苦手な中山で。
小倉と阪神内回りを両方とも得意とする馬が多いし今週の高速馬場はこの馬にピッタリだろう。
母方にダンスインザダークがあって距離延長にもプラス補正。
キレではアスクビクターモアよりもこの馬の方が上。
アスクビクターモアの田辺騎手が追い出しを我慢してしまったらガイアフォースの勝ち。

ヤマニンゼスト
シンボリクリスエスxディープインパクトxサドラーズウェルズxブラッシングブルーム
更に母母母父ルーティエはフィエールマンの母母母父。
エピファネイア産駒が去年2頭、一昨年1頭馬券になっているがいずれも母父ディープインパクト。
ヤマニンゼストの『シンボリクリスエスxディープインパクトxサドラーズウェルズ』は『エピファネイアxディープインパクト』に似ている。
札幌の2戦とも3-4コーナーで大外を周っての競馬。
特に藻岩山はどれだけ距離ロスしているんだという。
しかもスタート後の位置取りでおさえすぎた。
馬の顔がキョロキョロして騎手が迷っているのがまるわかり。
そして武騎手に乗り替わった神戸新聞杯。
非常にスムースなスタートで内の後方で我慢。
直線で内の狭い所を抜けて上り3位で2着に。
3着のボルドグフージュが大外を周った距離ロスを考えれば2,3着馬の力差は大きくはない。
しかし、阪神の内回りを考えれば中京の小回りを内でしっかり走れたのはプラス。
素直な馬で操縦性も良さそう。
長距離の武騎手もあり、馬券には絡めるべき

ボルドグフーシュ
スクリーンヒーローxレイマン(サンデーxヌレイエフ)xミスプロ系
京都新聞杯の上位馬は高速馬場でのスピードの持続力が高い。
12秒前後の一定のペースで長く走るのは得意。
しかし、スローペースから瞬発力が求められるような展開になると能力を発揮できずに終わる。
スタートしてゆったり入るこの馬は長い距離もOK
いつも馬群の外を周って追い込んでくる。
上半身が強くて胸を張って大きくしっかりとした足取りで追い込む。
長くいつまでも走り続けられそうな馬。
ゆきやなぎ賞では阪神外回りの長い直線で脚の回転も速かった。
4000mならこの馬を一番手に上げる。
3000mの菊花賞だと位置取りが後ろすぎるのを騎手がどうにかしないといけない。
吉田隼人騎手は去年のステラヴェローチェでは脚を余した。
前から何頭目ではなく、前から何馬身かを意識してほしい。
多頭数のマジックに騙されずに中団での競馬を意識してほしい。
菊花賞は、特に阪神の高速馬場では後ろすぎては届かない。
強い馬です。
確実に追い込んでくるでしょう。

ヴェローナシチー
エピファネイアxゼンノロブロイxクロフネ
神戸新聞杯は位置取りが後ろすぎ。
同じ位置取りだとボルドグフーシュに劣る。
京都新聞杯のように早めに動いて行かないと勝負にならない。
川田騎手も去年のレッドジェネシスで動かなかったからなー。
今回は田辺さんがチキンにならなければ先行勢は残り800mから動く。
なのでその時には先頭から1秒位の位置にはいたい。
それよりも後ろだと追走に脚を使って届かない。
川田騎手しだい。

アスクワイルドモア
キズナxゼンノロブロイxブラッシングブルーム系
ヴェローナシチーと同じ。

ディナースタ
ドゥラメンテxアンブライドルズソングxニジンスキー系
スタートしてリズムよくゆったりとした走りで長い距離OK
未勝利阪神2200mでは向こう正面で上がって行っての勝利。
プリンシパルSは外枠発走で最初からマクル気で1-2コーナーも外々をまわり、しかも11.9-12.1とそんなに遅くない区間で前に上がって行ってしまった。
完全に脚の使いどころを間違えたレースで参考外。
積丹特別は残り1200m過ぎの13.1-12.5区間で上がって行って抜け出した。
札幌日刊は残り1000m手前の13.4-12.8区間で上がって行き先頭に立ち押し切った。
引き続き横山和生騎手なので今回も向こう正面で上がって行くだろう。
つまり、先頭はラスト1000~800mからの持続力勝負になる。
ボルドグフーシュやヴェローナシチーの追い込み勢はディナースタの後をワンテンポ遅らせて追いかける形がちょうど良さそうだ。
横山和生騎手の判断がレースの展開を決める。

ドゥラドーレス
ドゥラメンテxハービンジャーxダンスインザダーク
藻岩山は内でおとなしく折り合って直線で抜け出してきた。
掻き込み系だが大きなフォームで長い距離でも良さが出そう。
毎日杯は戸崎騎手がよくやる『後ろすぎて届かず』
母方にダンスインザダークもあるし一気の距離延長にも不安は少ない。
藻岩山のようなレースができれば菊花賞でもチャンスだと思う。
3000mでこの馬の決め手が使える心肺能力があれば上位時候補。


ジャスティンパレス
ディープインパクトxヌレイエフ系xロベルト系
神戸新聞杯はようやくこの馬の競馬ができた。
鮫島騎手の努力のたまもの。
前走のような競馬ができて3000mでも脚が使えるかどうか。
神戸新聞杯ではかなり反発力を使う高速馬場仕様の走りだったので今週の阪神の馬場も合いそう。
この馬は乗り方の問題で春のクラシックでは結果をだせなかったが、タイプ的には春のクラシックで好走した中距離馬。
リアルスティールみたいなタイプ
馬体重も重すぎないし、鮫島騎手が上手く折り合いをつければこの時期の3000mでもなんとかなりそう。
前走はデキ過ぎだが、個人的には乗り方次第でもっと上位に入れた皐月賞を評価したい。
侮れない。

フェーングロッテン
ブラックタイドxキングヘイローxバクシンオーとイクイノックスに似た構成
上半身が強く福島のような小回りは得意だと思ったが新潟の外回りの長い直線でも好走できた。
馬体写真もけっこう胴長になっているが少しスピードが勝ったタイプで3000mの持続力勝負はどうか?
好位で競馬できるのは有利だが。


ポッドボレット
すみれS勝ち。
ヴェローナシチーとは位置取りの差。
その後のレースから底を見せている。

ボーンディスウェイ
セントライト記念は石橋騎手の意味不明騎乗。
石橋騎手のコメント
「ためれば切れるイメージを持っていました。しまいを生かそうと思いましたがきょうの馬場がマッチしませんでした」
上り4位ですけどそんな切れる馬じゃないしどう考えても位置取りが後ろすぎでしょう。
14着だけど1秒しか負けていない皐月賞の乗り方でいいんですよ。
ボーンディスウェイは持続力型でスタミナで押し切るタイプ。
今回は上位は難しいかもしれないが地味に6~8着に粘れそう。
前で競馬してください。

プラダリア

神戸新聞杯は外枠からうまく内に潜り込んだ。
直線でも残り200mでは抜け出しそうに見えたいい競馬だったがそこで失速。
内で同じような位置にいたヤマニンゼストに大きく離されてしまった。
久々というのもあるだろうが巻き返しは難しそうだ。
とはいえ、先週のメモリーレゾンの例もあるので要注意

池添騎手のコメント
「返し馬の感じもまだ緩さもあって、ダービーに向かう時より物足りなさを感じました。どれだけ頑張ってくれるかと思いましたが、勝ち馬のうしろにつけたので位置は良かったと思います。勝負どころで動けず反応が返ってくるところが無くジリジリとなってしまいました。使いつつ良くなってくる馬、変わり身に期待です」


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