ヴィクトリアマイル レース後の騎手コメントから振り返る

すでにレースラップ(12.1 - 11.0 - 11.1 - 12.0 - 12.3 - 11.3 - 11.0 - 11.4)から先行馬に有利な600m勝負だったとは書いたがレース後の騎手のコメントからどんな馬場状態だったかを振り返る。

アクシデントに関しては今回は触れませんのであしからず。

降雨量0.5ミリで良馬場ではあったが

日曜朝のクッション値は去年と同じ9.2で勝ちタイムも同じ1分32秒2。
馬場状態は去年とほぼ同じだった。
一昨年のようなクッション値10.3で1分31秒台が出る硬い良馬場ではなかった。

騎手たちのコメント

吉田隼騎手
「スタートはいつもより出た方だが、二の脚がつかなかった。マイル戦で古馬相手だと忙しかった。直前の雨でキックバックも飛んでくる状態で、コンディションが最後に悪くなってしまった。ここ何戦か雨に泣かされていて、いい武器を生かせるコンディションだったらよかったんですが」

浜中俊騎手
「東京のマイルは、GIだとこの馬には厳しい条件です。直前の雨の影響もあったと思います。そんな中でもよく頑張ってくれました」

松山弘平騎手
「スタートが良かったし、リズムよく競馬ができました。(雨で)馬場が渋ったぶん、最後は走りづらそうでした

戸崎圭太騎手
「馬場の外を走りたかったのですが、内に入りこんでしまいました。馬は馬場が緩くてもきちんと走ってくれました。この馬場をこなしているようで手応えも十分あったので大丈夫だろうと思い、馬を信じて内を選択しました」

騎手達のコメントから馬場はキックバックが飛んでくるほど馬場が緩かったことがわかります。
少量の雨でしたが曇りで馬場の乾きも悪く表面が緩くなったのでしょう。

緩いがために反発力を使えず、道中も硬い良馬場よりもスタミナを少しだけ消耗する馬場になっていた。

ナムラクレアは重馬場得意ですが、それはあくまで1200m(今なら1400mまでいけるか?)での事。
表面が柔らかい馬場で1600mは道中でスタミナを消耗してしまい、1200mで見せた鬼脚を繰り出すエネルギーが最後に残っていなかった。

むしろ1600mでは硬い良馬場の方が力を出し切れただろう。

『硬くない良馬場』これが一つのポイント


詳しくは下の記事を見ていただくとして、

硬い良馬場では地面からの反発力が大きくなるので反発力を使える馬が有利になります。
『着地時の馬場の跳ね返りによって前方への推進力を生み出しています。
この推進力により、1歩あたりのストライドを伸ばしてタイム短縮につなげる構造です』

『足を地面に叩いとけば前に進みますので、エクイターフをうまく使える馬たちは、本当に最後までもってますよね」 「馬場に走らされてます」』

素晴らしいペース配分で先頭を走ったロータスランドが最後に失速したのも、ナムラクレアが距離が問題になったのも馬場が十分に硬くなかったためだと考える。

ストレイトガールが勝った2年とも1分31秒台の決着で、当時も計測手段があればクッション値は10前後の硬い馬場じゃないかな。

ディヴィーナの健闘

近2走の凡走には原因がありましたがここまで走れたのは予想外です。

まず、京都牝馬はラスト200m過ぎで前が詰まり急ブレーキを入れています。

阪神牝馬では大外枠からの外ポツン。

一番外で『距離ロス』『風除けなし』の不利でした。
さらに、直線でも首を上下というよりも力弱くヘコヘコさせて走っていたのでまだ体幹がしっかりしていないと判断して無視しました。

今回はやや外枠から、ソダシ起点のアクシデントにも巻き込まれず、前に壁を作って走れました。

外の差し馬がディヴィーナだけいい脚を使えたのも他の馬達があのアクシデントで色々と削がれたからではないか。

さらに、先頭がペースを落としたので、まだ力が付ききっていないディヴィーナでも追走できたのも良かった。

そして残り600m手前で外に持ち出し、長くいい脚を使えるポジションを確保するとともに内にナミュールを閉じ込めた。

などなど、近2走では不利で今回は有利な条件が重なりはしたがこの馬も少しづつ良くなっている。
上位3頭の走りと比べればまだ上半身がビシッと決まっていないのが良くわかるが、今は成長期だと思う。

モーリス産駒はジェラルディーナやラーグルフのように馬体重が増えて体がしっかりして成績向上するのでこの後の馬体重には注目したい。


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