日輪の賦

澤田瞳子さん「日輪の賦」読了。

https://www.gentosha.co.jp/book/b9919.html

時代は七世紀後半、女王・讃良(持統天皇)は父・葛城(天智天皇)、夫・大海人(天武天皇)が目指した中央集権国家を推し進めるために孤独な闘いを続けていた。地方から大舎人として上京した廣手は様々の人と出会いからその中枢に巻き込まれていく。

王と国の形を変えるため、律令制定(大宝律令)に向かうのが物語の大筋。

女性としての生き方を捨て志に邁進する讃良と同じく漆黒の衣装を纏い冷徹に仕える忍裳。故国「百済」から渡り新たな国を目指す倭で生きる親子。律令制定に使命をかける人々と下層に生きる職人。新しい世に不利と不安を感じ対立する王族と大臣衆。絡み合う物語に「倭」から「日本」への過程が描かれています

日本古代のお話はあまり読んでこなかったので、前に読んだ「姫神」と並んで新鮮な気持ちで読めました。澤田瞳子さんの本は初めてですが面白かった。新たな作品を物色中。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?