七尾城・九月十三夜陣中の作
ここまで自粛が続くとは思わなかったですね。おかげで旅行も出来ず、GWも用事以外で市外には出ませんでした。趣味のお城巡りも去年から何件も考えてたものの、上記の理由で前記事の「岡城址」以外未だ実行出来ない。御城印帳も用意したのになぁ。
となると一先ずは過去を振り返って楽しむしかない。という事でこれまでに行ってきたお城をランダムにあげてみたいと思います。
「七尾城跡」
一昨年北陸に旅行して複数のお城を見て回りましたが、一番の目的は「七尾城跡」でした。日本100名城、その中でも有数の山城です。
https://www.city.nanao.lg.jp/sportsbunka/nanaojoushi.html#gaiyou
七尾城跡は石川県七尾市にある山城で、能登国守護・畠山氏の居城跡です。日本五大山城のひとつに数えられる程の強固な城と云われていました。この城で有名なのは上杉謙信の七尾城攻めです。この頃の守護・畠山氏は、上杉や織田に通じる重臣勢力の対立で孤立し謙信の侵攻を抑えきれず、最終的には(上杉に通じていた遊佐氏により)内から崩れて開城の憂き目にあいました
この時の戦いを謙信が漢詩で表したと云われているのが「九月十三夜陣中の作」です。(実際には謙信の詩ではないという説もある)
霜は軍営に満ちて 秋気清し
数行の過雁 月三更
越山併せ得たり 能州の景
さもあらばあれ(遮莫) 家郷遠征を憶う
訳としては、「霜は見渡す限りの陣営を覆い、秋の気配が身にしみて清々しい、空を仰げば幾列かの雁が通りすぎ、真夜中の月は辺りを照らしている。今この七尾城を落とし、越後越中の山々、手に入れた能州の風景を併せて眺める事が出来た、さもあらばあれ(ままよ)、故郷の家族たちが遠征の我が身を案じているだろうがそれはそれで致し方ない、今宵は心ゆくまでこの名月を眺めようではないか」。(手持ちの漢詩集から分かり易く引用)
吟剣詩舞、特に剣舞でよく扱われる詩です。七尾城跡訪問もこれを意識して考えました。ここ最近は機会がなかったので久しぶりに舞ってみたいですね
行程→JR七尾駅からバスで七尾城史資料館、ここから大手道入口、大手道へ
大手道を登っていくとつき当たる、高屋敷。畠山氏や重臣の屋敷跡
大手道から尾根筋を登り始める。長坂からさらに登る
時鐘跡(右側)。鐘で城下に時刻を知らせた
番所跡(左側)
安寧寺跡
この先辺りから勾配がきつくなる。三の丸跡
三の丸(左)と二の丸(右)の間の大堀切
二の丸跡(奥)から温井屋敷跡(手前)の石垣など
桜馬場跡と奥の遊佐屋敷跡の石垣
本丸外枡形跡
本丸跡と七尾市街の眺め
本丸と周辺の段状の野面積み石垣
麓から本丸まで標高約260m。かなりの勾配もあり疲れましたが本丸からの眺めは素晴らしく、まさに清々しい気分で楽しめました
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