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愛知の豊川稲荷さんへ行ってきました


狐弾亭とお稲荷さん

狐弾亭という屋号は、亭主が夢で琴を弾く金狐の姿を見たからというのがきっかけでつけました。
もともとお稲荷さんやお狐さまが好きだったというのもあります。
(食べ物のいなり寿司もお寿司の中で一等好きですよ🦊)
そういう事もあり、開店にあたっては、是非ともお店にお稲荷さんの神棚をと考えていました。
妖精の本屋さんにお稲荷さんの神棚ってどうなの? と思われる方も多いと思いますが、元々お店をやろうとした当初のイメージが、裏路地にある古い日本家屋の古書店で、上がり框に火鉢が置いてあって、そこに亭主が猫を抱いて座っているというのがきっかけだったので、なんとなく、その後ろに神棚があってもおかしくないなぁと感じていたのです(まるきり時代劇ですが)。
その後、お話が具体化した時に、これまた元々好きだった紅茶や茶器、骨董なども……と要素が増えていき、今のコンセプトになった訳です。

ふたつのお稲荷さん

さて、お稲荷様をお迎えするにあたり、迷うことがひとつ。
それはお稲荷様にはふたつの系統があると言うことです。
ひとつは伏見稲荷を総本宮とする宇賀野御霊さまらをご祭神とする神道系
ひとつは豊川稲荷を総本山とする荼枳尼天さまを護法善神とする仏教系
もともと日本は本地垂迹などもあるように神も仏も同時に祀っていましたが、明治に分離して、神様は神社、仏様はお寺となりました。
その名残で、今でも伏見さまではお経が唱えられたり、稲荷心経というお経もあります。
お稲荷さまは宇賀野御霊さまであり、荼枳尼天さまであるという捉え方だったわけですね。
この辺りは、様々な意見や学説がありますが、庶民の亭主としては、どっちもお稲荷さまだもんねぇという考え方です。
とはいえ、まぁ、なんとなーくですが雰囲気が違う。
端的に言うと伏見さんは食いっぱぐれない食べ物系のご利益
豊川さんは商売繁盛とか経済的なご利益
そりゃそうですよね、伏見さんの宇賀野御霊さまは稲魂、稲の精霊が元々で、豊川様の荼枳尼天さまは弁天さまや吉祥天さまと混ざり合った福徳の女神さまですしね。
そうなれば、お店にお迎えするなら、やっぱり豊川様だな、という訳で、まずはご挨拶として総本山の豊川稲荷さんに行ってきました!

きつねの町、豊川

駅を降りたらまずお迎えしてくれるのがヘッダーにアップしたお狐さん。
なんともユルい感じが良いですね。
その隣には、豊川のゆるキャラ、いなりなん。

か、かわいい😍

彼は豊川の観光課の職員さんで、他にも同僚がいるようです。
そんな彼らに見送られつつ、駅を降りると、またまたお狐さまが!

一緒踊っている子供たちはお狐様が化けた姿?

伏見ももちろん狐の町でしたが、豊川の方がガッツリ狐推し?
表参道のお土産物屋さんに目移りしつつもまずは、豊川稲荷さんへ。

さぁ、ご祈祷です

鳥居の奥に見えるのが本堂

鳥居がありますが、前述した様にここは歴としたお寺で、正式なお名前は円福山 豊川閣 妙厳寺という曹洞宗のお寺さんなのです。
こちらでのご祈祷なのですが、なんと点心(中華料理のそれではなく精進料理)つき!
亭主が着いた時には、丁度12時半からのご祈祷が始まったばかりで、次は1時半。帰りの新幹線のことなどを考えて、まずはお料理を頂くことに。
(願意などの受付てくれる所でその旨を申し出れば対応してくれます)

朱のお膳が素敵です

もうすこぶる美味しゅうございました!
本場の赤味噌のおみおつけは言うに及ばず、飛竜頭の美味しいこと!
これでご祈祷して頂けて、御札がついて5,000円は本当にお得です。
(ご祈祷は3,000円からで、4,000円以上で点心付きになり、白、金、グリーンとメニューが変わるようです。写真は白のお料理)
お腹イパーイになって、いよいよ本堂へ。
広くて薄暗い本堂には神狐像、これまた大きい如意宝珠型の香炉。
そしてご祈祷してくださるお坊様たち。
椅子が後ろに並べてあってそこに座ろうとしたら、お坊様が、是非前にと声を掛けてくださったので、最前列に。
亭主の他にも数組の参詣者さんがいらしたのですが、なぜか皆さんは後ろに……良いのかしら💦
ご祈祷が始まると、その荘厳なことといったらありません。
太鼓と鉦が鳴りはじめ、10人のお坊さんのお経と真言が堂内を満たしてゆきます。
正直、どういう内容のお経なのか、真言なのか、分からない部分が殆どでしたが、お坊さんたちの声とリズムで、背筋が伸びていくのを感じました。
読経というのは、祝詞と同じでリズムが大事だと言います。まさしくその通りだなと思えるご祈祷でした。
ご祈祷の後は、御札などを頂戴して、そのまま霊狐塚へ。

こちらは、祈願や、願いの叶った人たちがお礼として神狐像を収めたところで、よくYouTubeなどで、凄いパワースポットだとか、怖いところだとか色々と言われている所です。
亭主もちょっと気を引き締めて向かったのですが、もちろんそんな怖気が立つこともなく、ただただ静かな杉木立のなかに、神狐たちが佇んでいました。
その後、奥の院や大黒天さまにご挨拶をして豊川さまをあとにしたのですが、山門を潜る時に、近くの施設からヘルパーさんに伴われて車椅子のおじいちゃんおばあちゃんが何人も入ってこられました。
そのさまを見て、ああ、地域の人に大事にされているお寺さんなんだなぁとしみじみ感じ入ったのと同時に、もしかしたら彼らって、引退した神狐さんたちだったのかしら? なんて想像したりしました。
弾丸参拝でしたが、本当に素晴らしい経験が出来ましたし、お店にお迎えさせて頂くのは豊川さまだなーと決心した1日でした。
※今までお祀りしていた伏見さまは自宅で。お店は商売繁盛、自宅は毎日満腹という形です🦊

狐弾亭の1冊

むかしむかし絵本(21) きんいろのきつね 文/大川 悦生絵/赤羽 末吉

九尾の狐というと、妖婦玉藻の前伝承が有名です。
ですが、本来九尾の狐は神獣で、吉祥の印されていたそうです。
そう考えると、それほどまでに玉藻の前伝承は人の心に残る妖しくも魅力的な物語なのだなと感じ入ります。
なにより日本民話には珍しく、インド中国と舞台が広がるスケールの大きなお話です。
狐弾亭のブックカフェでもご用意しますので、開店、お立ち寄りの際には是非

狐弾亭亭主・高畑吉男🦊

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