雑談 いつどこで誰が見ているか分からない世界

 情報社会が当たり前になり、豊富なネットサービスが溢れる中で、私たちはいつどこで個人情報を監視されているか分からない世界になった。

 いつだったか塾の講師をしていた人にこんな話を聞いた。

 ある自主学習室で、一方は室内で常に誰かがその部屋を監視しており、もう一方は学習者からは見えないが、どこからか監視されているらしいということを知っている状況だ。監視する人が見えている時は、その目をかいくぐって学習者はサボろうとする。しかし、監視する人が見えない場合には、いつ監視されているか分からず、かえって一時も気が休まらないという。

 そして我々は今その後者の状況になっている。世界が常に誰かから監視されている「気がする」、自主学習室になりつつあるのだ。

 技術が発展し、個人が尊重されるようになり、世界はぐんと縮まった。

 人は技術の発展でおざなりになった「個の尊厳」を取り戻そうとしているが、それが終われば今度は自由を求めて解放の社会へ向かうことになる


かもしれない。


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