■ 神戸市との対話 ■

反対だけでなく、神戸市との対話が必要ではとの問題提起をコメント頂きましたので以下に意見を述べます。
 
 
9/12にサンケイブルのシャチショーを代表企業とした須磨シーワールド案が採択され、3か月後に主要メディアが料金値上げを取り上げ市民が知るところとなりました。
 
次のステップとして、市民と神戸市との対話が必須となります。神戸市には意見交換と情報公開の要望は提示されているようですが、神戸市の動向が注目されます。
 
本来は、名谷の再開発のように公募前にワークショップを開くべきでした。
ただ、本事案ではそのステップは行われておらず、市民に知られずに進めたい意図が見え隠れしています。パブリックコメントをHP上で募集はしており、ルール上は市民意見は聞くことが「望ましい」程度の条文になっているので違法性はありません。ちなみに名谷の事案は、須磨の一件があって以降にワークショップを開くことになりました。
 
私は再整備に反対しているのではなく、まず市民が問題を知ることに目的を置いています。シャチの問題も世界世論の言っていることはアジアでは違うという市長の意見が民意であればそれも仕方がありません。ただ、施設が完成してシャチが入る頃には神戸は世界情勢に逆行してシャチショーと繁殖活動を進める都市として有名になっていることでしょう。
 
日本の問題は、シャチの問題すら市民はメディアや教育現場で問題提起されないため知る術がないことです。一部のメディア以外は行政が流した情報をただ流すだけで、本質を伝えることはなく忖度記事だけを流す。今回も告知3か月後に市民が騒いだので、問題の一部である料金だけについて記事にしている。

須磨水は60年間もの間、教育・研究・保全をバランス良く推進する水族館でした。議会の答弁から運営は黒字であり「神戸市が手に負えなくなった」のではなく、教育施設の役割を捨てて集客装置に変える決断をしたというのが現状です。
 
水族館は美術館、市営プールと同じく利用者に媚びることなく都市に多様性を与えるために必要な教育施設です。今の須磨水を放棄することは簡単ですが、失う歴史と人材を育てるのは簡単なことではありません。
 
神戸市は政令指定都市としての条件である人口100万人以上を割る可能性があり、国税からの収入に関わるため人口増が大きな課題となっています。その対処として水族館をアミューズメントパークにする決断を行いました。
 
選択肢は4つあり、
1.補修して事業継続
2.鯨類ショー廃止した再整備
3.水族館を廃止
4.鯨類ショーの拡充での再整備
 
海外の事例を見ると、1-3の選択肢が多く、4は5-10年なら可能ですが長期継続が極めて難しいのが現状です。