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バーガー王国
神戸ビーフに淡路ビーフ、三田牛に黒田庄和牛…。突然、「牛」の話ですいません。兵庫県の和牛銘柄(ブランド名)を挙げていくと、思った以上にたくさんあります。ステーキや焼き肉がおいしいのは言うまでもありませんが、ここまで「牛」が有名なら、「ハンバーガーだっておいしいに違いない!」。そう思って県内各地のご当地バーガーを調べてみると…。
やはり、あるわ、あるわです。それでは、ご当地バーガー探検に参りましょう。
栗きん豚+丹波大納言小豆などを使った
丹波プルドポークバーガー
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丹波市の飲食店主らでつくる丹波うまいもん研究会(うま研)が試行錯誤を重ねたスペシャルバーガーは、丹波栗を餌にしたブランド豚「丹波栗きん豚」や丹波大納言小豆などを使う。地元の人気パン店の職人が監修、味は折り紙付きだ。
主役はアメリカの伝統バーベキュー料理「プルドポーク」。ブランド豚肉を8時間かけてスモークし、ふわっとほぐし、牛肉100%のパテの上に盛る。みそとトマトを合わせた丹波大納言小豆の和風ソースとの相性は抜群。バンズには同市産黒大豆のきな粉を練り込んだ。かぶりつくとスモークの香ばしさが鼻を抜け、さらに食欲をそそる。
うま研メンバーは「地元の盛り上がり、ビジネスモデルの可能性も考えてやってきた。地域のシンボルとして親しまれ広く味わうことができるバーガーになれば」と話す。
赤穂義士に思いはせたアコウバーガー
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お赤穂市加里屋中洲6のパン店「あこうぱん」が、赤穂義士1人ずつに思いを寄せて作る「アコウバーガー」の14作目を完成させた。今回は赤穂藩の武具奉行(150石)で、大太刀を操ったという奥田孫太夫(まごだゆう)をイメージ。出身地の伊勢国(現在の三重県)にちなんで、初の魚肉入りバーガーに仕上げた。
討ち入りで命を散らした義士の素顔を伝えようと、同店の鈴木誠社長が「義士に食べてほしかったバーガー」を、毎年1作ずつ創作している。奥田孫太夫のバーガーもこれまでと同様に、命日に当たる2月4日、義士の墓所がある花岳寺(同市加里屋)に奉納した後で発売した。
孫太夫の故郷、三重県鳥羽市の「手こねすし」をモチーフに、ガーリックバターを塗り、オーブンで焼いたカツオをたまりじょうゆやこうじ、青のりで風味豊かな具に仕上げた。パンの形は、伊勢参りに訪れる名所で、海上に大小二つある夫婦(めおと)岩の形に似せた。
鈴木社長は「16歳まで鳥羽で過ごした孫太夫には、海や魚の香りが似合う。買ってくれた人が一人でも多く孫太夫について調べ、思いをはせてほしい」と話す。
かつめしイメージの「デミグラ牛カツバーガー」
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モスバーガーを展開するモスフードサービス(東京)は、加古川のご当地グルメ「かつめし」をイメージしたハンバーガーを全国販売した。同社はこれまでも各地のご当地バーガーを期間限定で商品化しているが、兵庫県の名物が選ばれるのは初めて。
「兵庫・加古川 デミグラ牛カツバーガー」。牛もも肉のカツと、デミグラスソースの組み合わせで「かつめし」を表現した。バンズ(パン)に合うよう、千切りキャベツとマスタードを加えた。
モスは毎年、店舗スタッフから、地元の名物をキーワードにアイデアを募り商品化。2651件の応募があり、静岡の「桜えびコロッケバーガー」とともに「兵庫・加古川―」を全国約1300店舗で販売する。
バンズを使った商品が応募条件だったため、かつめしの「めし」はないが、試食した加古川市観光振興課の男性職員によると「一口食べると、まさにかつめしの味」という。
同市も「加古川や、かつめしをPRするチャンス」と捉え、本物のかつめしを提供する飲食店を網羅した地図「かつめしまっぷ」の最新版を、関西エリアのモス約300店舗に置く。
原人の調理法を参考にした「明石原人バーガー」
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多彩なご当地バーガーが集結する「明石バーガーフェス」が2018年11月10、11日、明石公園の西芝生広場で開かれる。牛タンやチーズドッグなどを挟んだボリュームたっぷりのハンバーガーが並ぶ。主催者は「本格バーガーを存分に味わって」と来場を呼び掛ける。
ご当地バーガーを通じた地域活性化などに取り組む一般社団法人「西日本ハンバーガー協会」の主催。東は埼玉県から、西は広島県までの各地で毎月、バーガーフェスを開いており、明石での開催は初めて。
静岡県の「牛タン100%チーズバーガー」(800円)や、岐阜県の「飛騨牛バーガー」(1200円)、松阪牛を使った三重県の「まっつぁかバーガースペシャル」(900円)など計10店舗がブースを並べる。
明石からは、狩猟した肉を石おのでたたいて木の実で味付けして食べたという原人の調理法を参考にした「明石原人バーガー」が登場。さらに神戸牛のステーキを加えた「ダブルビーフゴールドバーガー」(千円)も出品する。
但馬玄を使った金泉、銀泉バーガー
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神戸市北区の有馬温泉に開店した「サボール」のハンバーガーは、パティに但馬牛の中でも赤身が多い「但馬玄(たじまぐろ)」を使い、肉のうま味をじっくり楽しめるよう仕上げた。温泉名にちなんだ「金泉バーガー」や「銀泉バーガー」(ともに800円)などをそろえている。担当者は「最近の有馬は外国人観光客が激増していて、思い出に残る個性的な一品を提供したいと開発した」と語った。
絶滅危惧店 但馬のバーガーシティ
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「100円バーガー」で一世を風靡した幻のフランチャイズチェーン店「バーガーシティ」の唯一の生き残り―。そんなうたい文句を発信するハンバーガー店が、豊岡市のJR江原駅前にある「バーガーシティ・サンロード店」(同市日高町日置)だ。「チェーン店」なのに1店舗しかないとは、いかに? 謎を解決すべく、店を訪ねた。
落ち着いた雰囲気の飲食店街「サンロード一番街」の北側入口付近。年季の入った看板と、店内が見えないほどメニューが貼り付けられたガラス張りの店舗に目が引かれる。バーガーのBをハートとかけた赤と黄色の〝昭和感〟漂うロゴマークの横には「電子マネー」や「タピオカ」ののぼりがはためく。
1998年に本部が倒産。保証金の返金もなく、加盟店からは「夜逃げ」などと非難の声が相次いだが、「チャンスだ」と喜んだのはサンロード店の上坂晃太郎店長だった。以前からオリジナルメニューを出してみたいと思っていたことから、自前で食材や資材を調達。従来のメニューに加えて新しいハンバーガーを作り始めた。
特産品のとち餅を使用した「とちの実バーガー」(460円)は、両親が働く餅製造工場でとち餅をパティ状に加工してもらい、ハンバーグと一緒に挟み込んだ。見た目は地味だが、甘辛いしょうゆの味付けは肉との相性がよく、とちの実のほろ苦さがアクセントになっている。「はやりのもちもち食感ではなく、本物の餅。だから腹持ちもいいですよ」
ハッシュドポテトとナゲット、コーンボールのセットは、頭文字を並べて「はなこ」(300円)としたネーミングセンスも独特だ。
サンロード店と同様に個人営業で続けてきた店舗もあったが、5年ほど前からは堺市の白鷺店との2店舗のみになった。同店の高齢のオーナーと連絡を取ることもあったが、2018年末に閉店したという。
サンロード店の歩みも苦難の連続だ。国道の整備などで交通量が移り、駅周辺の商店街も閉店が相次いだ。一時、大手チェーン店が近くに出店したこともあった。客数は減ったが、学校帰りに立ち寄る高校生や、バーガーシティを懐かしむ遠方からの来客もあり、法事などで休む以外はほぼ無休で営業している。
上坂店長は、カウンターで客を待ちながら「バンズに何を挟むか、ずっと考えている」という。注文のほとんどがテリヤキバーガー(250円)など定番で、オリジナルメニューが出ることは少ないが「新しいことに挑戦し続けたい」と前向きだ。
会員制交流サイト(SNS)でも積極的に発信。チキン南蛮サンド(360円)の宣伝には大手チェーン店の名を挙げて「同じような商品を発売されていますが、当店では10年以上前から絶賛販売中!」と売り込み、「#買って守ろう絶滅危惧店」などとPRする。
地元にも追い風が吹き始めた。JR江原駅周辺では、日本を代表する劇作家平田オリザさんが昨秋移住。主宰する劇団「青年団」も東京から拠点を移し、今春には「江原河畔劇場」がオープンする。豊岡市が推し進める「演劇のまち」構想の中心地として全国から注目を集めそうだ。
「新たなハンバーガーの構想が三つある」と上坂店長。「ヒット商品になるかどうか自信はないけど、33年間、乗っかり続けてここまできたからには、バーガーシティを守り続けたい」。元チェーン店は、オリジナル感あふれる店として生き残っている。
〈バーガーシティ〉ピーク時は関西中心に400店以上
本部は大阪府豊中市。1980年代前半から急成長し、ピーク時には関西を中心に全国400店舗以上を展開した。サンロード店は、北近畿豊岡自動車道が開通前で配送ルートもなかった87年、10坪の小さな「但馬1号店」として開業。これを皮切りに但馬各地に10店ほどがオープンした。ハンバーガー大手チェーンやコンビニエンスストアの進出などから98年、本部は倒産した。
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<ド・ローカル>
1993年入社。バーガー三昧いかがでしたか?淡路島バーガーは有名で食べたことがありましたが、今回ご紹介したご当地バーガーで知っていて、食べたことがあるのはバーガーシティだけでした。せっかくなので、バーガー食べ歩きの五国の旅をしてみようと思います。
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