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神戸の野鳥 12月~01月の見どころ

 この季節、ぜひ見ておきたいものを中心に紹介します。
 冬本番といいたいところですが、妙に暖かい日がはさまるこの冬。ちょっと寒くなると結構こたえます。
 森の木々は葉を落とし、見通しが良くなって初心者でも山の鳥を見つけやすくなる季節です。暖かい格好でバードウォッチングに出かけましょう。

■冬鳥たちの季節
 渡り途中の鳥たちはほぼいなくなり、冬を越す覚悟を決めた鳥たちが中心になります。神戸は夏、子育てにやってくる鳥たちより、冬越しをする鳥たちの方が種類も数も多くなります。多くの鳥たちに出会えるチャンスがあるのが冬です。

■アトリの仲間
 アトリ科の鳥たちは多くが冬鳥です。神戸市内で継続的に繁殖しているのはカワラヒワ、イカルしかいません。そしてその渡来数は年により大きく変動します。繁殖数、北方の餌の量など理由はいろいろ考えられますが、なんせ今シーズンは多くのアトリ科の鳥たちが渡来しています。滅多に見られないイスカ、オオマシコをはじめ、ハギマシコ、ベニヒワなどの情報も聞こえてきます。ポイントは六甲山地の高標高地ですが、大事なのは標高ではなく餌が多いところではないかと思っています。特にマツの多いところがねらい目です。他にはスギやヤシャブシの種子も食べます。この冬は注意して見てください。 

■ツグミの仲間
 ツグミは渡来当初、山に多くいますが、木の実が少なくなるにつれて平地へ降りてきます。ただ、12月最初はクスノキの実がまだたくさんあり、ツグミ類が集まるポイントとなります。シロハラもだんだんと観察しやすくなってきます。アカハラは神戸では越冬個体は少なく、ほとんど見ることはありません。山間の平地ではトラツグミにもであえます。

■ヒタキの仲間
 冬のヒタキはジョウビタキとルリビタキ。ジョウビタキは開けたところから明るい林。街中の公園や庭にもよくやってきます。ルリビタキはそれよりもより森の中。今シーズンは渡来数があまり多くないのか、出会うチャンスが少ない気がします。

■冬のワシタカ類
 神戸周辺に越冬にやってくるタカの仲間が多くいます。常連さんのトビ以外に、里山周辺でノスリ、小鳥たちが多い場所には必ずといっていいほどハイタカが現れます。オオタカやツミの可能性もあるので頑張って識別しましょう。西区の田園では少数ですが、コチョウゲンボウ、チュウヒ、ハイイロチュウヒなどが見られることがあります。頭の片隅に意識しておいてもらうといい出会いを見逃さずに済みます。チョウゲンボウやミサゴは個体数が増え、数多く見られるようになりました。

■カモにも注意
 カモたちはすっかり繁殖羽になり、きれいな姿を見せてくれます。いろいろな池をこまめにまわってみましょう。
※田園地域を車でまわるときは、農作業をしている方や地元の方へ最大限の配慮をしていただけたらと思います。皆の道だといってしまうのは簡単ですが、トラブルにならないことがこれからも長く楽しむことにつながると思います。最近の野鳥観察者、カメラマンの増加、鳥が出た場所への集まり方は強烈で、大きなバッシングを受けることを心配しています。

■クイナ類ならなぎさの池へ
 クイナ4種(バン、オオバン、クイナ、ヒクイナ)が高確率で見られるのが神戸市垂水区平磯のなぎさの池。特にクイナ、ヒクイナをまだ見られていない方は行ってみてください。

■森ではカラ類の混群がキーポイント
 山ではカラ類の混群に注目しましょう。キクイタダキやヒガラ、標高の高いところではコガラが混ざっていないか、注意。群れに直接加わらなくても周りにヒタキ類やウグイスなど意外な鳥がいることも多くあります。

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