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神戸の野鳥 01月~02月の見どころ

 この季節、ぜひ見ておきたいものを中心に紹介します。
 厳冬期ですが、森は見通しが良く、初心者でも山の鳥を見つけやすい季節です。穏やかな日を選び、暖かい格好でバードウォッチングに出かけましょう。
 鳥たちは冬越しの真っ最中。神戸は夏鳥より、冬鳥の方が種類も数も多くなります。多くの鳥たちに出会えるチャンスがあるのが冬です。

■アトリの仲間
 アトリ科の鳥たちは多くが冬鳥です。神戸市内で継続的に繁殖しているのはカワラヒワ、イカルしかいません。そしてその渡来数は年により大きく変動します。繁殖数、北方の餌の量など理由はいろいろ考えられますが、なんせ今シーズンは多くのアトリ科の鳥たちが渡来しています。特にイスカやベニヒワなど、めったにお目にかかれない鳥たちの情報をよく耳にします。

■木の実はやっぱり注目ポイント
 ノイバラ、ソヨゴ、トベラ、クロガネモチ、ガマズミ、ピラカンサ,
カナメモチなどの赤い実。トウネズミモチは街の公園や緑地にたくさん生えていて、実の量も多いので要注目です。白い実が目立つのはナンキンハゼ。房のようにぶら下がるのはハゼの仲間やヌルデ。田園地域に多い金色のセンダン。実の目立つ木はすべて種子運搬を鳥たちが担っているといっても過言ではありません。

■ツグミの仲間
 ツグミは平地へ降りてきて、地上で餌を探す姿をよく見るようになります。シロハラもだんだんと観察しやすくなってきます。アカハラの越冬は少ないですが、出会う可能性はゼロではありません。山間の平地ではトラツグミにもであえます。昨シーズンは神戸市立森林植物園で複数個体が越冬し、観察しやすい状態でした。

■ヒタキの仲間
 冬のヒタキはジョウビタキとルリビタキ。ジョウビタキは開けたところから明るい林。街中の公園や庭にもよくやってきます。ルリビタキはそれよりもより森の中。今シーズンはどうもルリビタキは少なめの感じです。

■冬のワシタカ類
 神戸周辺に越冬にやってくるタカの仲間が多くいます。常連さんのトビ以外に、里山周辺でノスリ、小鳥たちが多い場所には必ずといっていいほどハイタカが現れます。オオタカやツミの可能性もあるので頑張って識別しましょう。西区の田園では少数ですが、コチョウゲンボウ、チュウヒ、ハイイロチュウヒなどが見られることがあります。今シーズンもコチョウゲンボウ、そして久々のハイイロチュウヒが記録されています。チョウゲンボウやミサゴは個体数が増え、数多く見られるようになりました。トビ、オオタカ、ミサゴなどは繁殖につながる行動がみられるようになります。
 タカの仲間ではありませんが、コミミズクやトラフズクなどのフクロウの仲間も少数ながら越冬していると考えられます。偶然、夜活動する彼らに出会ったり、昼間寝ているところに出くわすことがあるかもしれません。

■カモにも注意
 カモたちはきれいな姿を見せてくれます。いろいろな池をこまめにまわってみましょう。近年、パンダのようなミコアイサの渡来数が増えています。

■コウノトリ今シーズンも飛来
 今シーズンもコウノトリが市内に姿を見せています。落ち着ける広い環境がないので長居してくれるかは難しいところですが、近場で見るチャンスです。

※田園地域を車でまわるときは、農作業をしている方や地元の方へ最大限の配慮をしていただけたらと思います。皆の道だといってしまうのは簡単ですが、トラブルにならないことがこれからも長く楽しむことにつながると思います。最近の野鳥観察者やカメラマンの増加、めずらしい鳥が出た場所への集まり方は強烈で、悪い評判が広まることを心配しています。

■クイナ類ならなぎさの池へ
 クイナ4種(バン、オオバン、クイナ、ヒクイナ)が高確率で見られるのが神戸市垂水区平磯のなぎさの池。特にクイナ、ヒクイナをまだ見られていない方は行ってみてください。

■森ではカラ類の混群がキーポイント
 山ではカラ類の混群に注目しましょう。キクイタダキやヒガラ、標高の高いところではコガラが混ざっていないか注意しましょう。群れに直接加わらなくても周りにヒタキ類やウグイス、ミソサザイなど意外な鳥がいることも多くあります。

■レンジャクはやってくるか
 ヒレンジャク、キレンジャクは年によって渡来数に大きな差があります。全く姿を見ない年もあれば、各地で群れがみられる年もあります。冬残っている木の実に集まるので、ピラカンサ、トウネズミモチなどに注目しておきましょう。ある日、突然やってきているかも知れません。「ヒー」という細く伸ばす声が特徴的です。このあたりではヒレンジャクの方が多く見られます。


 


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