神保町RTA自己ベスト4分

新宿で(推定)500m直線(果物屋さん〜ゴジラのキャッチロード)ダッシュをしながら、すごくデジャブだなぁとぼんやりした頭で考えていた。去年の誕生日にも同じ人達目当てで同じようにギリギリのハシゴをしたから。今思えばあの日行った2公演は、私のオタクとしての2020年を決定づけたと言っても過言ではない。正直その時は両方とも今ほど大好き!という訳ではなくて、行かなきゃいけない気がすると直感的に思って取ったチケットだったと思う。それが今はどうだろう。渋谷〜新宿を走った日から約11ヶ月、今日(2020年8月9日)は神保町〜新宿(ほぼ新大久保)を4公演駆け抜けた。この1年でいかにどっぷり彼らに心酔しているか、オタクとして成長したか分かる数字。だってめちゃくちゃ好きになっちゃったんだもの。


この2組(ピン+ピンのツーマンを1組と数えて良いものかとは思うけど)に対する私の「好き」は、実はかなり違う視点から来るものだ。

令和ロマンは、初めてR2D2を見るまで「ネタ面白くて好きだけどどこか近寄り難い雰囲気があるな〜」と思っていた。特番ラジオにメールを送ったり何度か出待ちしたこともあった。それなのに、別に尖っているとか言うわけではないけど色々とすごすぎるエリート怖い、と勝手に思っていたのだ。でもR2D2で自由奔放に2人がただ楽しい話をしてはしゃぐ姿を見て、かなり印象が変わった。初めて行ったときの話題が自分と親和性の高いものだったことも共感できるポイントだったのかもしれない。とにかく楽しかった。それからたくさん彼らのライブを見るようになったが、今は「とにかく自分たちが楽しいことを自分たちが楽しいように言う・やる人達」な所が私は好きだ。彼らの"楽しいこと"は私が知らないものであることも多かったけど、2人はその共通言語をとても面白おかしく話すので言語を取得していなくても笑うことができる。置き去りにされ、高次元でテンポよくやり取りをする姿を見るのがむしろ心地よい。彼らには「自分とは違うもの・自分には得れないものへの憧れ」を感じている。

逆に、徳原旅行さんとレッドブルつばささんに対して感じるのは「自分が強く共感するパーソナルや考えを言語化・形式化してくれる心地良さ」だ。徳原さんのネタは普遍的に共感できるテーマに異なる視点からの裏切りを入れるものが多く(好きな角度からの裏切りだからネタが好き)、レッドブルさんは局所的に深く"オタク"の共感を抉ってくる。レッドブルさんも言っていたけど、お笑いとして結局1番面白いのは内輪ノリなので自分の通ってきたコンテンツや仲良くしてきた人達に近い人間が描かれていたらそりゃバカデカ声で笑う。ここにお2人の芸人としての能力値の高さが加わったら無双なのだ。徳原さんのMC能力には目を見張るものがある。クセの強い芸人が多く出演する地下ライブで、正統派ツッコミ1人で大回ししている姿はかっこいい。その場を一撃で仕留める語彙の強さもある。レッドブルさんは文章がとにかく上手い。共感しすぎて時にこの人は自分なんじゃないか?と錯覚することもあるのだけど、そう思わせるほど思考を正しく言語化できる能力は私にはない。感情をそのまま乗せるネタを見ても、やはり"芸人"として有能な人なんだと感じる。

私はもちろんお2人それぞれが好きだけど、お2人ワンセットの組み合わせとなると、その好き度は和ではなく積だ。「ファンファーレが聞こえる」は数ある芸人ラジオの中でも三本指に入るくらい好き。それぞれの人間性も好きだし、お2人のピン+ピンだからこその距離感も感じられるから。例えば、コンビの片方がエピソードトークを話すときに「こいつのこの話面白いから聞いたってくださいよ!」と得意げな相方の姿が私は大好きだけど、ファンファーレの場合は「あなたにはそういう一面があるんですね!」「この人変な人やなぁ」「あなたはそういう人ですよね」という場面がそれぞれあって、2人の間に既にある関係性を垣間見ることと相手が知らない情報をリスナーとして同時に知れることが共存する深みが魅力の1つだと思う。


そのような2組が大好きで、馬鹿みたいに暑い東京を駆け抜けることができた。すごくね、良いライブでしたよどれも。ミックスライブはライブとしての総合点は正直まぁ…だけど、毎回あ〜!この人たちのそういうとこ好き〜!!!に遭遇するので見逃したくなくて通っている。ネタも毎回全部違う。怖い。見逃したくない。今日も好き〜!が見れて良かった。

スクールガールファンタジー公開打ち上げ〜は、2人が話す姿を長時間見ることができたことがまず嬉しかった。最高ツーマンの裏話が聞けて良かった。お互いについてのエッセイが激アツで最高最高最高だった。エッセイ、本当に本当にお2人とも書いてることが良すぎて帰りの電車で発狂してしまった。本当にそれぞれで書いたの?打ち合わせしてない?と疑ってしまうほど、互いが相手が持つ自分にない部分に憧れて、褒めて、認めあっていた。その描写に心の色んなところがかき乱されて消化するのが大変だった。


1年間でこんなに彼らを好きになれたのだから、また1年後にはもっと大好きな部分を知った状態で東京を走れるはず。フットワークは軽く、思い立ったら動くべし。動かなかった自分に後悔することが多かったからこそ。走る楽しさをこれからはもっと味わっていきたいな。


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