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間違った銘柄選定・運用してませんか?

新NISAがスタートして7ヶ月。どんな銘柄を買いましたか?

間違った銘柄選定をしてしまうと資産が増えないばかりか減ることもあり得ます。今回は証券外務員資格を持つ私がアメリカ株で個別銘柄を選定するときのフローを伝授しましょう!

セクターの選定

セクターとは業界のことです。小売、サービス、百貨店、工作機械、生活必需品…といった感じです。

この段階で調べるのは「各業界が過去にどのような盛衰をしているか」です。

例えばIT業界は1990年代末から急速に成長し2020年代に至ってもまだまだ成長している業界、工作機械は製品の景気動向に従って動く業界、生活必需品は景気にあまり左右されない業界。

このように業界の特徴掴みます。

生活必需品セクターが安定している

私が保有している株式は全てこの生活必需品セクターです。コカコーラやブリティッシュアメリカンタバコなどです。

この業界について少し考えてみましょう。

景気が良くなったら手を洗う回数は増えますか?減りますか?逆に景気が悪くなったら髪を洗う回数を減らしますか?

「景気とそれは関係ないのでは…?」

そう思ったあなたは素晴らしい。手や髪を洗う頻度が大きく変わることはありません。

つまり石鹸やシャンプーの需要というのは景気に左右されにくいのです。

ということは石鹸やシャンプーを作っている会社の売り上げも景気に左右されにくいと言えます。

個別銘柄の選定

セクターを決めたら銘柄選定です。

業界の中でもさまざまな立ち位置の企業があります。高級路線、コストパフォーマンス重視、薄利多売、そういったものです。

長期投資という観点で見ると、あなたはその会社の株主として景気が良い時も悪い時も経験します。長期投資の極意の一つに「平常心を保つ」ことがありますが、資産運用をしている人が平常心を失いやすい状況があるのは知っていますか?

含み損状態です。

大多数の人間は同程度の金額であれば、利益を得た際の快感よりも、損失を受けた際の不快感が勝ります。

つまり損失を出さない、含み損状態にならないような銘柄を選定することになります。

では生活必需品セクターでは具体的にどのような銘柄を選べば良いのでしょうか?

新興企業を避ける

例えばエナジードリンクを販売している会社と昔ながらのコーラを販売している会社があったとしましょう。

ここ10数年ほどエナジードリンク市場は急成長を遂げていてパイが大きくなっているように見えます。

一方コーラ市場は縮小もしていなければ拡大もしていません。

「成長している市場に投資した方がいい!」と思ったら一度考えてみてください。

エナジードリンクの参入障壁は高いですか?低いですか?

例えばコーラ市場はコカコーラとペプシコーラで市場を寡占しています。後からコーラ業界に入るためにはこの巨大な2社と競争することになるので参入は難しいでしょう。またアルコール飲料に関しても規制当局の許可が必要ですので、新規参入は難しいと言えます。

エナジードリンクはそれまで市場がないに等しかった分野で、先を走る巨大企業も規制当局もいません。誰でも参入できます。成長分野といえども成長中のパイを後から後から増えていく競争相手と戦いながら確保しなければなりません。

その間コカコーラ社は何をしているかと言いますと、秘密のレシピに基づいた原液を調合して、世界各地のボトラーで希釈させてコーラを売り続けるだけです。努力しなくてもコーラは世界のどこかで今この瞬間も誰かが飲んでいます。

どっちが楽して利益を出しているでしょうか?当然、新興企業ではなく昔からその市場で強い立ち位置を占める会社です。

生活必需品セクターで妙味がある業界

生活必需品セクターには独特の立ち位置を共通して持つ企業グループがあります。

タバコ業界です。

タバコの健康への悪影響が科学的に確認されて半世紀経とうとしています。タバコ業界は企業再編を繰り返しながらもしぶとく生き残ってきました。この業界について少し掘り下げます。

「そうだタバコメーカーを立ち上げよう!」と2024年に思いつく人はいません。すでに終わった業界だというイメージがあるからです。

「タバコメーカーを立ち上げるんだ!」それでもこう思ったら市場を規制する政府機関に許認可を求める必要があります。許可は簡単に下りるでしょうか?国民の健康増進を推し進めながら裏ではタバコ産業に利益供与をしているという印象を避けるために、そう簡単には許可しないでしょう。

つまり新規参入してくる企業が皆無なのです。

既存のタバコメーカーの立場から見ると、政府規制によって新規参入してくる競争相手はいません。タバコにかかる税金は高額ですが、消費者に簡単に転嫁できます。また政府規制によってタバコの値段は決まっています。競争がありません。

またお金のかかる広告戦略も政府当局によって規制されているので、裏を返せば広告で他社と競争しなくて良いため宣伝費用を節約できます。

ところで紙巻きタバコを生産するのに高額な材料や高精度の機械は必要でしょうか?必要ありません。設備投資も少ないのです。

先進国では喫煙人口が減っていますが、世界人口の増加はまだまだ続きそうです。先進国では喫煙率が下がっていますが、それ以外の国ではそうでもありません。

私自身は嫌煙家ですが、タバコ産業の株はポートフォリオの大きな部分を占めています。

最後に。タバコ会社は本業以外に手を出すことに制限があります。そのため新規事業もできないためお金は配当に回すぐらいしか使い道がありません。高配当銘柄しかありません。

最強です。

株を購入するタイミング

長期投資では基本的に毎月積立で買うケースが多いと思います。

ドルコスト平均法ですね。この買い方は非常にお勧めできます。株取引で最も損失を出しやすい状況をご存知ですか?

「市場の動きを見ながら買う」ことです。

なぜこの買い方がダメなのか?それはあなたの状況判断が入るからです。

2000年前にユリウス・カエサルは「人は見たいように見る」と指摘しています。人は都合の良い情報を高く評価し、都合の悪い情報を軽視する傾向があります。これは生来持っている本能です。このような本能は株取引という状況では悪手を取りやすいのです。

ドルコスト平均法は違います。人間の主観が入りません。入っているとすれば落ち着いた状況下で「どの銘柄を買おうかな〜ふふんっ」ってにやけてリラックスしている状況で決めた投資先だけです。

逆にタイミングを測って一括投資をすると、大きな金額を握りしめて購入タイミングをチャートに張り付きながら見定めようとします。自分は正気だと思っても平常心はすでにそこにありません。

運用期間中の行動

運用期間中は意識的に相場を見ないようにします。

自分のお金を投入している以上、運用状況は気になるので時々確認するはずです。それ以外ではあまり見ない方が良いです。

人間は手元に多くの情報がある時、状況を把握している気になります。しかし細かい数字を把握しようとするあまり、大局的な視点を忘れます。「木を見て森を見ず」です。

私の場合、資産総額は週に4回くらい見ていますが、保有している株式の株価を見るのは週に1回くらいです。ダブルバガーしていますが、こんなもんです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

長期運用の銘柄選定は、安定しているセクターの安定している会社を買うことが大事です。

運用は主観を排除して淡々と行うことが秘訣です。

最後に銘柄選定のコツを書いている本を紹介させてください。
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選定術」

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