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#SaveTheCinema 映画リレー 第4回『クラウド アトラス』

地元の映画館・長野相生座ロキシーの支配人、田上真里さんからバトンを託された7日間映画リレーチャレンジ。4日目です。好きな映画を挙げていきます。

『クラウド アトラス』(2012)。『マトリックス』のラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督と、『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督、3人による共同監督。時代も国もジャンルも主人公も、全て異なる6つの物語を同時並行で描いてクライマックスで集約させるという、無謀な構造に挑んだグランドホテル形式の一大叙事詩。

1849年の奴隷貿易の時代から、人食い人種が跋扈している文明崩壊後の未来世界まで、“全てはつながっている”物語。情報量の多さと難解さゆえに、一度観ただけでは脳みそが追いつかず、何度か見直すことで見えてくる発見がありますが、172分もあるので何度も観直せない、嗚呼、でもまた観たい。同じ俳優(例えばトム・ハンクス)が特殊メイクで複数の時代の登場人物を掛け持ちして演じ、人間の輪廻転生を示唆しています。

中でも最も印象的なのは、2144年のネオ・ソウルを舞台に、遺伝子操作で生み出された労働用クローン少女(演じるのは『空気人形』のペ・ドゥナ)による人類への反乱を描いたブロック。彼女の存在が文明崩壊後の最後の時代へと繋がっていくクライマックスが劇的なカタルシスを呼びます。過去、現在、未来という時間を全て並列で描いているのが特徴であり、映画のマジックです。

オムニバス形式やグランドホテル形式、それも複数のエピソードが連なって伏線回収されていく作品に惹かれるのですが、もともと自分にとって創作の入り口がショートショートだったからかもしれません。

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*脚本担当作、東映まんがまつり『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』公開待機中!

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